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2012.03.07

アートに乾杯! 血がしたたり、飛び散る絵

3613     カラヴァッジョの‘ホロフェルネスの首を斬るユディット’(1599年)

3605     レーピンの‘息子イワンの遺体を抱くイワン雷帝’

3602     岩佐又兵衛の‘堀江物語絵巻’(部分 17世紀)

3603     絵金の‘浮世柄比翼稲妻 鈴が森’(18世紀)

普段みている絵画のなかで、画面に血が描かれているものというとキリスト磔刑図とか処刑の場面、そして戦争画。体から流れでる血は受難の象徴や悲劇を表すものだから、その量はどちらかというと少なめでそれほどリアルには描かれない。ところが、たまに身震いするほど生の血の匂いがただよっている作品に出会うことがある。

衝撃度の強い絵がカラヴァッジョ(1571~1610)の描いた‘ホロフェルネスの首を斬るユディット’。ホロフェルネスの首のまわりからは血がどびょーっとでている。敵将の髪の毛をつかみ眉間にしわをよせているユディットは勇気をふりしぼって右手にもった剣に力をこめている感じ。ユディットの側にいる老婆の落ちつき払った顔の表情は‘女を甘くみるとこういうことになるんだワ’と無言で語っているよう。

レーピン(1844~1930)の絵はまだお目にかかってないが、雷帝が抱きかかえる息子の頬にべたっとついた血のりの生々しさが心をザワザワさせる。これを所蔵するトレチャコフ国立美ヘは一度行ったことがあるが、ガイドさんはこういう絵がある部屋へは案内してくれなかった。ここへはもう一度訪問したいので、そのときは見逃さないようにしたい。

これまで体験した日本画でカラヴァッジョやレーピンの絵と似たような強いインパクトをもっているのは岩佐又兵衛(1607~1674)と土佐で活躍した絵金(1812~
1876)。‘堀江物語絵巻’は‘山中常盤’同様、復讐の話で岩瀬太郎は憎っくき悪国司の胴体や首、手足をばっさばっさ切り落としていく。血しぶきが飛び散るこれほど残虐なシーンはほかの闘いの絵にはでてこない。現在の劇画を先取りしている。

絵金の代表作、‘浮世柄比翼稲妻 鈴が森’もすごく緊張する絵。画面いっぱいに鮮血が飛び散り、左の白井権八にソーセージを調理するようにぶった切られた雲助の首や手首が無残に転がっている。土佐の人々はこの絵を祭りでみてアドレナリンがドッとでたにちがいない。

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コメント

久々にお邪魔しました。
昨年末高知に行った時に赤岡の町に絵金を訪ねてきました。
「絵金蔵」という施設があり、赤岡の町に残された芝居絵屏風を収蔵しています。
土佐藩家老の御用絵師でしたが、贋作事件に巻き込まれ城下追放に。
後年赤岡に定住してからは画風がすっかり変わってしまったようです。
このおどろおどろした絵は魔除けでもあったようですね。

絵金に惹かれて訪ねた赤岡でしたが、思いがけず西川屋という和菓子屋さんで
絵金の書いた大きな幟や貴重な古文書を見せていただいたり
いい時間を過ごさせてもらってきました。

投稿: まりりん | 2012.03.16 23:25

to まりりんさん
お久しぶりですね。絵金物語を一度‘美の巨人
たち’でみました。そのとき以来この絵師が気
になっているのですが、みた作品はほんの数点
です。

絵金の絵は魔除けでしたか!もっとたくさんみる
ためには赤岡へ行く必要がありますね。

投稿: いづつや | 2012.03.17 00:21

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