東博浮世絵エンターテイメント! 広重・北斎・歌麿
歌川広重の‘名所江戸百景・隅田川水神の森真崎’(1856年)
歌川広重の‘名所江戸百景・千駄木団子坂花屋敷’(1856年)
喜多川歌麿の‘太閤五妻洛東遊観之図’(1804年頃)
東博の浮世絵コーナーでは現在この時期の定番、桜の絵がずらっと展示してある
(3/20~4/15)。
出品作30点のうち花見の絵を沢山描いた広重が12点と半分近くを占める。‘名所江戸百景’からは手前に大きく桜を描く構図に大変惹かれる‘隅田川水神の森真崎’や人々の満開の桜に楽しむ様子を生き生きと描いた‘千駄木団子坂花屋敷’など5点。
北斎の‘桜に鷹’は久しぶりにみた。これは縦長の長大判に描かれた花鳥の一枚で他に‘滝に鯉’、‘遊亀’などがある。
北斎というと来月14日から三井記念美でホノルル美が所蔵する北斎コレクションが公開される。9年前にこの美術館所蔵の‘浮世絵風景画名品展’を体験したが、この度は北斎に絞った展示。プラスαに期待したい。
歌麿は三枚続の‘太閤五妻洛東遊観之図’を描いたばっかりに三日間牢に入れられ、手鎖50日の刑を食らった。この絵を見るたびに打ちひしがれた歌麿の姿を想像する。幕府は禁令をかいくぐって枕絵や美人画を描いていた歌麿をいつかガツンといわせてやろうとチャンスを狙っていたことは明白でこの秀吉の花見の絵はそのトリガーをひく格好の絵だった。この刑が歌麿の寿命を縮めたことはまちがいなく、数年後に歌麿はこの世を去った。
もうひとつの三枚続は勝川春潮の‘飛鳥山花見’。現在の北区にある飛鳥山は品川御殿山とともに江戸の桜の名所で多くの浮世絵に描かれている。こういうワイドスクリーンでみると花見の楽しさが倍増する感じ。
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