‘昭和の日本画100選’は近代日本画鑑賞の鑑!
‘昭和の日本画100選’(朝日新聞 1989年)
明治以降に描かれた日本画に対し全般的に関心をもちはじめたのは西洋画よりすこし遅く、1989年に朝日新聞から出版された‘昭和の日本画100選’を手に入れたころから。これとペアになっている‘昭和の洋画100選 版画15選’も一緒に購入したが、こちらのほうは引越しの際どこかへ消えてしまい今は手元にない。
これは朝日の企画で、60余年の昭和の時代に制作された日本画、洋画、版画のなかから美術、文学、評論などの分野で活躍する200人に推薦投票をしてもらい100点を選び出したもの。選ばれる作品は1点とは限らず、人気の画家だと3点推薦されている。
どんな絵に票が集まり、どの画家が高く評価されていたのか。今から20数年前の話だが‘ベスト10’は次のようになっている。
<作品>
1 夜桜 横山大観 大倉集古館
2 築地明石町 鏑木清方 個人
3 名樹散椿 速水御舟 山種美
4 大原女 土田麦僊 京近美
〃 鳴門 奥村土牛 山種美
6 原爆の図 丸木位里・俊 丸木美
〃 髪 小林古径 永青文庫
8 雨 福田平八郎 東近美
9 清姫 小林古径 山種美
10 漣(さざなみ) 福田平八郎 大阪市近美準備室
<画家>
1 前田青邨 (1885~1977)
2 小林古径 (1883~1957)
〃 安田靫彦 (1884~1978)
4 横山大観 (1868~1958)
〃 福田平八郎 (1892~1974)
6 奥村土牛 (1889~1990)
7 速水御舟 (1894~1935)
8 村上華岳 (1888~1939)
9 上村松園 (1875~1949)
10 鏑木清方 (1878~1972)
さて、100選をこれまでどのくらいみてきたか。現時点で85点。そして、まだみてないものも含めて拙ブログでは半分の50点を取り上げた。好きな画家の絵は鏑木清方の‘築地明石町’を除いて全部みたので今はリラックスモード。残っている作品で是非ともというのはここにあげた3点をいれて5点くらい。
京都市美は2度訪問したが、堂本印象の‘婦女’となかなか会えない。また、この美術館の前に建つ京近美にある寺島紫明の‘彼岸’も平常展へ何度も出かけているのにまったく縁がない。麻田鷹司の作品をみる機会はほとんどないのでこの画家については知らないのと同然だが、‘天橋雪後図’は一度みてみたい。
これから先は幸運がやってくれば楽しもうという感じ。
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