ヒットが続く府中市美の‘三都画家くらべ’展!
府中市美の‘三都画家くらべ’展(3/17~5/6)を楽しんだ。この展覧会は1年前から開幕を心待ちにしていたので、どんな作品がでてくるのか事前にHPで調べた。そうすると期待をもたせる絵が2点あった。
伊藤若冲(1716~1800)の‘垣豆群虫図’(展示は前・後期)が展覧会に登場するのは82年ぶりだそうだ。こういう腹の底から嬉しくなる作品をみせてくれるのだから、ここの江戸絵画展はレベルが高い。この絵に描かれた虫や垣豆は‘菜虫譜’(拙ブログ06/4/7)とよく似ている。単眼鏡と使いながら虫を確認すると、クモ、モンシロチョウ、ナミアゲハ、キリギリス、クマバチ、バッタ、カマキリ、ショウジョウトンボ、ムカデ
若冲はほかに猿と鷹の絵がある(前期:3/17~4/15のみ)。後期(4/17~5/6)にはもう一点、定番の鶏がでてくる。若冲同様期待していたのは曽我蕭白(1730~1781)だったが、今回は‘虎図’一点。この虎は人間ぽい虎で年齢をずいぶん重ねた老虎という感じ。‘ご機嫌はどう?虎の世界でも仲間とのつきあいとかいろいろあるのだろうネ’とかなんとか声のひとつもかけたくなる。
HPをチェックをしたとき目を見張ったのが狩野探幽(1602~1674)の‘四季花鳥図’。これは6年前京博であった‘京焼展’のとき展示替えで見損なった絵。永平寺が所蔵しているので、もうみる機会はないかなと諦めていた。大きな絵で画像は春の梅、夏の柳。余白を充分とった画面に花や鳥を配する構成は目にやさしく気品のただよう描写が心を打つ。
今回の収穫のひとつは宋紫石(1715~1786)。4点あった。なかでも絵の前に長くいたのがキンケイを横から描いた‘柳汀双禽図’(前期)。また、広重の手前に大きく対象を描く絵を思い出させる‘蓮池水葵図’(前期)にも足がとまった。
後期も出動の予定。
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