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2012.03.23

スーパー展覧会!‘ボストン美 日本美術の至宝’ その一

3662_2     曽我蕭白の‘雲龍図’(左隻 1763年)

3663_2        曽我蕭白の‘雲龍図’(右隻 1763年)

3659_2     曽我蕭白の‘風仙図屏風’(18世紀後半)

3660_2     曽我蕭白の‘商山四皓図屏風’(18世紀後半)

待望の‘ボストン美 日本美術の至宝’展(3/20~6/10)をみてきた。期待通りのスゴイ作品がずらっと揃っている。これほど豪華なラインナップを一回で終わりにするのはもったいないので、数回にわけて紹介したい。まずは曽我蕭白(1730~1781)の傑作から。

今回、アメリカから里帰りする日本美術の目玉の一つが蕭白コレクション。11点展示されている。このうち初公開は6点。美術本にはもう一点ボストン美蔵が載っているから所蔵しているのは全部で15点くらいだろうか。こんなすばらしい蕭白が日本で一挙にみれるのだから天にも昇る気持ち。

展覧会場の最後の最後にどーんと飾られているのが度迫力の‘雲龍図’。10m近くある。左が頭の部分で右が尾っぽ。この間には胴体も存在していたというから、描かれた当時はこれよりさら大きい巨大な龍が襖一面に躍動していた。右で視線が集中するのが愛嬌のある目、だから目だけをみると龍の凄みを甘くみてしまうが、口からでてい牙やその隣の馬鹿デカイ鋭い爪をみると、やはり軽々しくは対面できないなと思ってしまう。また、口元の髭や爪のまわりに激しく飛び散る墨の点々にも龍の神聖なエネルギーがみなぎっている。

画面に躍動感を感じるのは右のほう。波濤は生き物のように上下左右に荒れ狂い、龍がそのあいだを尻尾をくねくねさせながら進んでいく。波濤のフォルムがじつにダイナミック。右では上から覆いかぶさるように丸い円が複雑に絡みあい、左端では奥行きのある波濤になっている。

‘雲龍図’よりもっと激しい音が聞こえてくるのが‘風仙図’。あまりの風の強さに右では二人の男がひっくり返っている。この漫画チックな人物描写と存在感いっぱい黒の渦巻き(龍の化身)をはじめてみたとき、いっぺんに蕭白の虜になった。

今回期待していたのは‘商山四皓図’(六曲一双)。この絵が日本にやってくるのははじめてではないが、これまで縁がなく7年前京博で開催された回顧展にも出品されなかった。これは右隻で3人の老高士の描き方に目が吸い寄せられる。

眉毛を切れ目のない太い横線で表現し、着ている衣裳の輪郭線がもっと太い線で一気に引かれている。人物をこのようにざざっと表現するのは簡単のようだが、これは並みの絵師にはまねができない。天才蕭白の技が冴える一枚である。

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