花の静物画はゴッホが描いたものだった!
ゴッホの‘グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶’(1886年 ゴッホ美)
ゴッホの‘青い花瓶の花束’(1887年 クレラー=ミュラー美)
ゴッホの‘種のできた4つのひまわり’(1887年 クレラー=ミュラー美)
今日の朝日新聞にゴッホの花の絵のことが報じられていた。最新のX線調査によりこれまで作者が特定できなかったこの絵はやはりゴッホが描いたものであることがわかったという。
一番上の画像がその絵。この花の静物画はどこかでみたな!?という感じがしたので、これまで日本で開かれた回顧展の図録をぱらぱらめくってみると、ありました、ありました!05年、東近美の回顧展に出品されていた。図録の説明書きにはゴッホに?マークがつけられ制作年も不明となっている。
この絵がゴッホ作と確定されたのは下に描かれていた格闘する二人の男の筆使いや使われた絵の具がゴッホがパリに移り住む前にいたアントワープで描いた作品の特徴と一致したから。また、これまで静物画のキャンバスとしては大きすぎるとされた点も、ゴッホが通っていた美術学校では人物画は縦100cm、横80cmのものが標準形となっており、ゴッホはこれに花の絵を描いていたことで解決。
ゴッホがパリ時代に描いた‘グラジオラスとエゾギク’はこの絵と一緒に展示されたし、03年にも損保ジャパン美であった‘ゴッホと花’展にもやって来た。厚く塗りこまれた絵の具が今でも目に焼きついている。
同じくパリで描かれた点描風の‘青い花瓶の花束’は色彩の明るさがぐっと増し色彩に開眼する寸前といった感じ。この絵も横浜美で開かれた回顧展(95年)に登場したから、楽しまれた方も多いはず。お気に入りの一枚。
ゴッホの花の絵というと誰でも思い浮かべるのがひまわり。アルルで描いたひまわりがイエローパワー全開で生き生きとしている対し、パリにいるときに描かれたひまわりには野性的な力強さがある。これから枯れていくのだろうが、花の生気はまだ萎えておらずしゃんとしている。
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