とても気になるクレーの魚の絵!
‘黄金の魚’(1925年 ハンブルク美)
TVの美術番組にはいろいろなタイプがある。長寿を誇る‘日曜美術館’がひとりの作家にスポットを当てるのに対し、TV東京の‘美の巨人たち’は画家が描いた作品のなかから1点を選び作品にまつわる話を展開させるのが特徴。
BS朝日の‘世界の名画’とBSジャパンの‘美の浪漫紀行’は美術館を紹介する番組なので、われわれのようにヨーロッパやアメリカにある美術館を1館でも多く訪問したいと願っているものにとっては願ったり叶ったりの内容。
登場する美術館は以前NHKで石澤アナウンサーがナレーションをしていた‘世界美術館紀行’にとりあげられコレクションの情報がインプット済みのものもあるが、嬉しいことに新たに開拓された美術館が続々でてくる。
例えば、11月のオランダ・ベルギー旅行のとき大変役に立ったアントワープのMASミュージアム、ブルージュのグルーニング美、メムリンク美、ゲント市美、ドイツのハンブルク美、スイスのオスカー・ラインハルト・コレクション、フランスのリヨン美など。この調子だと‘いつか行きたい美術館’にとりあげた美術館にも制作スタッフが出かけてくれるのではないかとつい期待してしまう。
そのなかで‘世界の名画’が紹介してくれたハンブルク美はオスカー・ラインハルト・コレクション同様、一級の美術館であることがわかった。ここに大変気になるクレー(1879~1940)の絵がある。それは‘黄金の魚’。この絵はベルリン美にあったときヒットラーによって退廃芸術の烙印を押され押収されたことは知っていたが、現在はベルリン美に展示されているとばかり思っていた。大間違いもいいとこ。
クレーの絵は水彩より油彩のほうに惹かれている。最も好きなのはNYのMoMAにある‘魚のまわりで’、93年上野の森美でみたときの感動は今でも忘れならない。また、‘フィラデルフィア美展’(07年、東京都美)にやってきた‘魚の魔術’にも大変魅せられている。この2点と‘黄金の魚’はクレーがバウハウスで教えていたときに描かれた。
‘黄金の魚’の目の覚めるような黄色と青をいつかみてみたい。
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