あなたは共感覚者?
カンディンスキーの‘印象Ⅲ(コンサート)’(1911年、レンバッハハウス美)
カンディンスキーの‘インプロヴィゼーション35’(1914年 バーゼル美)
NHKの‘爆問学問’が終了するそうだ。毎週みているわけではないが、隣の方のお気に入りで時々つきあってみていた。今日は昨年の11月に放送された興味深い話のことを少し。
テーマは‘共感覚’、これは音楽や文字に色を感じるといった特殊な知覚現象のことをいう。共感覚をもっている人は200人に1人いるそうだ。番組で爆笑問題の二人に説明していた女性の先生も共感覚者で‘ハ長調の曲を聴くと白がでてくる、へ長調はマットなピンク、、、、’といっていた。音楽は演歌からジャズ、クラシックまで楽しんでいるが、この先生のような感覚はないから非共感覚者。
共感覚の正体は?能科学の発達によりいろんなことがわかってきたという。普通の人は音の刺激によって聴覚野という領域が活動する。一方、共感覚者は色を知覚する領域も同時に活動する。音楽を聴くという行為が色を実際にみるメカニズムに直結していることが明らかになったというのである。
この共感覚は文字や数字に対してもある。イギリス人のダニエル・タメットは数字に感じる色や手触りなどを手がかりに2万桁の円周率を暗記しているという。そして、外国語は単語に感じる色と意味がむすびつくため容易く覚えられ、一週間でマスターできるという。世の中にはスゴイ特殊能力をもったひとがいる。
共感覚をもっている芸術家は多く、その割合は一般人の7倍だそうだ。画家ではカンディンスキー、ムンク、作曲家のリスト、詩人の宮沢賢治も共感覚者といわれている。
カンディンスキー(1866~1944)の抽象絵画をあらためてみると、なるほどネ!という感じ。‘印象Ⅲ(コンサート)’はまさに流れてくる音楽に黄色を200%感じて描かれたものだった。また、‘インプロヴィゼーション35’は交響曲の大音響がこうした色の響き合いや様々なフォルムのシンフォニーとして表現されている。
| 固定リンク
コメント