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2012.02.13

シーナ・アイエンガー教授による講義 ‘選択の力’!

3519_3     コロンビア大学ビジネススクールで講義するシーナ・アイエンガー教授

3520_3     アメリカ人が一番みていたところ

3521_3     日本人が一番みていたところ

3522_3     絵を変えてその変化の違いを尋ねる実験

昨年11月から12月にかけてNHKのEテレビ(日曜午後6時)で‘シーナ・アイエンガー教授の特別講義 選択の力’という番組が5回放送された。今日はそのなかで披露された大変興味深い話のことを。

この番組を熱心にみたのには理由がある。コロンビア大学のビジネススクールで教鞭をとるこのインド人の若い女性教授(1969生まれ)が初めて書いた本が10年の11月に文藝春秋から出版された。本のタイトルは‘選択の科学’。4,5年前から行動経済学や社会心理学に関心を寄せているのですぐこれにとびついた。

が、そのあとは美術関連の本を読むのに時間をとられ積ん読状態。そこにEテレで特別講義がはじまった。この人がアメリカの高校にあがるころ全盲になった先生か!という感じ。講義を聞いているうちに、このインド人はすごい頭脳の持ち主だということがわかってきた。ここでは講義の内容を詳細には述べられないので、5回のタイトルだけでもふれておきたい。

1回 あなたの人生を決めるのは偶然?選択?
2回 選択しているのは本当にあなた自身?
3回 選択日記のすすめ
4回 あふれる選択肢 どう選ぶか
5回 幸福になるための技術

この番組は好評だったとみえて、最近得た情報だと3月31日?(うろ覚えなので正確ではない)再放送されることになっているから興味のある方は是非。とくに若い方にはお奨め!高いお金を払わなくてコロンビアビジネスクールの看板講義が受講できるのだから、見逃す手はない。

さて、この講義のなかで興味をそそられた話(第2回)。この話は05年ミシガン大学で欧米人や日本人や中国人の学生を対象にして、風景の見方について行われた調査(拙ブログ05/9/7)とちょっと似ている。2名のアメリカ人と日本人の研究者が次のような実験を行った。時期は01年、被験者はアメリカ人と日本人。

一枚の魚の絵が描かれた画像を5秒みせて、そのあと何をみたかを質問する。アメリカ人、日本人は何を一番みていたのか?その回答のちがいがおもしろい。
(アメリカ人)  
大きな魚をみる確率が高く、そして大きな魚についてディテールまで述べることが多い。
(日本人)
魚のまわりについて、例えば、カエルとか海藻とか巻き貝とか、魚同士でなにをしているのかにコメントすることが多い、つまり、画像全体をみていて大きな魚のディテールにはあまり注意を払わない。

実験はもうひとつ行われた。大きな魚をこれまでとは少しちがう別の魚に入れ替えてみせる。そうすると、大きな魚の変化に気づく割合はアメリカ人の方が日本人より高かった。しかし、海の中の小さなディテール、海藻とか巻き貝を替えた場合は日本人の方がアメリカ人よりも変化によく気がついた。

この結果は文化圏の異なる世界に住んでいると、ごく普通の画像でも人はみるものがちがうしみたものの解釈がちがってくることを示している。アメリカ人の心が主役の大きな魚にむかうのに対して、日本人は海全体を眺める包括的な視点からこの情景をながめている。両者の世界の解釈の仕方がちがうのである。

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