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2012.02.16

待望の‘ポロック展’は満足度200%!

3533_2     ‘ポーリングのある構成Ⅱ’(1943年 ハーシュホーン美)

3531_2     ‘インディアンレッドの地の壁画’(1950年 テヘラン現代美)

3532_2     ‘ナンバー7、1950’(1950年 NY MoMA)

3534_2     ‘ブルー白鯨’(1943年 大原美)

開幕を心待ちにしていた‘ポロック展’(2/10~5/6)をみてきた。いつもの東近美とちがってアメリカ人を多くみかけるのはポロック(1912~1956)はアメリカアートの輝ける星であることの証。土日になるとさらに多くの外国人が押し寄せるにちがいない。

作品の数は全部で64点。そのなかで最もみたかったのが‘ポーリングのある構成Ⅱ’とテヘランの美術館からやってきた‘インディアンレッドの地の壁画’。‘ポーリング’はポロックがこの手法をはじめた1年後の作品。とても惹かれるのがやわらかく流動的にぶつかり合ううす青緑や緑や茶の色面、そしてその上のなにかおたまじゃくしかミトコンドリアが跡をつけたかのような黒や橙色や白の流れる線と点、心が荒ぶられるのは確かだがどこか静寂な空気も流れている。

今回の最大の収穫はテヘランにある絵とこの絵の前年に描かれた‘ナンバー11、1949’(インディアナ大美)。このふたつは色の使い方、サイズのちがいはあるが、描き方はほとんど同じ。これぞ究極のポーリングの美という感じ。‘インディアンレッド’の地の色は茶褐色、流れる線は一番多いのは白、その次が黒、ほかにうす黄色や青緑、灰色、橙色もあるが目につ強く印象づけられるのは白と黒の絡み合い。

この絵がとても気持ちよくみられるのはこの白の線が信じられないくらい細いから。画面には中心がなく白の複雑な線がじつに丁寧にポーリングされている。これは相当しんどい作業だから、無意識の状態と集中力を持続させるタフな精神状態が上手く折り合わないと描けない。

1950年には傑作がいくつも生まれた。NYのMoMAにある‘ワン・ナンバー31、1950’、メトロポリタンの‘秋のリズム・ナンバー30’。アメリカのアーティストは大きな国土に住んでいるせいか皆大きな画面が好き。ポロックはこういう大きなキャンバスを縦に立てるのではなく床に敷き、絵の具や塗料を垂らしたりなめらかに流していくから、海とか宇宙のような広大な画面のなかにいる気分かもしれない。

横長の‘ナンバー7’は新体操のリボンの演技を連想させる。ここでも白と黒の流れる線がリズミカルに絡まって横に疾走している。これと同じタイプの赤の線が目に焼きつく‘ナンバー25、1950’(ハーシュホーン美)は‘ナンバー7’よりもっと賑やかでアフリカの激しい音楽を聴いているよう。

ミロの影響を受けた‘ブルー白鯨’は懐かしい絵。広島にいるとき何度もでかけた大原美ではこの絵をみるのが楽しみだった。変てこな鯨だが、ほかにも右上には牛やエイ、右の端には小さな魚をイメージさせるものもいる。

満足度200%のすばらしい回顧展だった。東近美に感謝!

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コメント

僕は作品を通してポロックという人間を考えました。
この人はアルコールがないと良い仕事ができるんですよね。
テヘランの作品など線の緊張がなんともいえない。
アルコールが入るとどうもダメなようですね。
愛人と飲酒運転で事故死などまったく浮かばれない。
ところでいづつやさんは近代美術館オリジナル手帳って貰いましたか?やはり受け付けでお金払って券買った人がもらえるのかな?
僕は故宮博物院の衝撃大きく、200%とまではー。ついくらべちゃいます。

投稿: oki | 2012.02.17 00:48

to okiさん
ハーシュホーン、テヘラン、インディアナの3点
に酔いしれてます。これまでMoMA、メトロポリ
タン、テートなどでいい作品をみてきましたから、
この回顧展でポロックは済みにできます。

ローソンで買ったチケットで入場しましたが、
オリジナル手帳はもらってません。

投稿: いづつや | 2012.02.17 23:22

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