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2012.02.02

アートに乾杯! 文字がモチーフになった絵

3492_3               歌川広重の‘命’(1848~54年)

3491_2     歌川国芳の‘浮世よしづ久志’(1847~48年)

3493_2        歌川国芳の‘忠義重命軽’(1842年)

3494_2     クレーの‘死と浄化’(1940年 パウル・クレー・センター)

数多くでかける展覧会のなかにはときどきすごく新鮮な絵と遭遇することがある。昨年3月、府中市美で開催された‘江戸の人物画’展にそんな絵があった。

作者は風景画を得意とする歌川広重(1797~1858)。縦長の掛け軸に描かれているのは漢字の‘命’と二人の女。命という字は柱のように物体化され、女が鉋(かんな)と手斧(ちょうな)で削ったり、切ったりしている。浮世絵にこんな絵があったというのが驚き!絵の意味は世の男たちの女遊びにたいする警鐘、女にあまり入れ込みすぎると命を削ることになるよと戒めている。

この漢字がずっと胸に突き刺さっていたが、森アーツセンターで行われている‘歌川国芳展’でも同じような絵がでてきた。広重と同じ年に生まれた国芳(1797~1861)は‘よし’というひらがなを画面の中央に濃い墨で蛇のように描いている。長くのびた‘し’のところに腕組みをして座っている男をとても不思議な感覚でみてしまう。

ここに描かれているのは‘よし尽くし’、子どものいる右上は‘きげんがよし’と‘中がよし’、左下のそろばんをいれている男は’くら入よし’、その横で手をあげ笑っている男は‘うんがよし’

国芳にはもう一枚おもしろい絵がある。みたらすぐその意味がわかる‘忠義重命軽’。この絵は3年前太田記念美であった‘ベルギーロイヤルコレクション展’で公開された。‘忠’や‘義’はいかにも重いという感じなのに対し、‘命’のなんと軽いこと。義士は指でつまむようにしてもっている。

西洋絵画のモチーフとしての文字がでてくる絵ですぐ思いつくのはピカソの新聞コラージュとクレー(1879~1940)の絵。クレーの作品には‘R’とか‘E’がでてくるが、最晩年に描かれた‘死と浄化’の文字の描き方は国芳の‘忠義命’タイプ。死を意味するドイツ語‘TOD’が2回描かれている。左の‘T’‘O’と白い顔の形をした‘D’、そして顔のなかの目や口が‘TOD’になっている。

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