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2012.02.29

東京スカイツリー完成!

3577_3     東京スカイツリー

3578_2     ヘラクレスの塔(スペイン ア・コルーニャ)

3579_2     塔の町 サン・ジミニャーノ(イタリア)

東京スカイツリーが今日完成した。高さは634メートル、世界一高いタワーである。
拍手!

08年の7月に着工したこのスカイツリーは建設が進むにつれその圧倒的な高さと美しい形で人々を驚かせてきた。なにしろ333メートルの東京タワーの倍弱の高さだから、とてつもなく巨大な建造物。千葉市美や江戸東博へでかけたときはいつも電車の窓から釘付けになってみていた。

見学ができるようになるのは5月22日からで、入場券の予約は3月22日にはじまる。オープンしたら連日大混雑になることは間違いないから、出動するのは秋口ころにしようと思っている。高さ350メートルと450メートルのところにある展望台からの眺めはすばらしいにちがいない。

今日は東京スカイツリーの完成にあわせて塔の話を。昨年の10月、BSプレミアムの番組‘時を刻む’に‘ヘラクレスの塔’が登場した。この塔が建っているのはスペイン北西部、大西洋に面した港町ア・コルーニャ(人口25万人)。今から2000年前、古代ローマの時代に建てられたものだが、現在も灯台として使われている。高さは59メートル、ローマ時代は43メートルだったが、18世紀の修復で上の部分が追加された。

2000年以上も聳え立つこの塔には古代ローマの高い建築技術がつまっており、
2009年世界遺産に登録されている。‘ヘラクレスの塔’は街の人々の心のよりどころであり、14歳頃ここに住んでいたピカソは‘キャラメルで作ったみたいだ’といっていたそうだ。

この番組にもでてきたイタリアの塔の町、サン・ジミニャーノは6年前訪問した(拙ブログ06/5/12)。小高い丘の上にあるこの町には50メートルをこえる塔が14本もそびえている。建てられたのは13~14世紀にかけて。最も高いのは市庁舎、グロッサの塔
(1311年)で54メートル。

貴族たちは競って高い塔を建て力と富をみせつけた。それで塔は70以上にも乱立、これは度がすぎているというので当時の行政長官が54メートルより高い塔を建てることを禁じる法律をつくった。すると、ある貴族は双子の塔を建て、‘2つの塔を足し合わせると一番だ!’と胸をはったという。自己顕示欲というのは際限が無い。

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2012.02.28

いつか行きたい美術館! リスボン グルベンキアン美

3575_2     カルースト・グルベンキアン美

3573_2     ラリックの‘胸元飾り・トンボの精’(1897~98年)

3574_2     ラリックの‘ペンダント・2羽の孔雀’(1902~03年)

3576_2     ラリックの‘海の少女の像’(1919年)

5年前、はじめてポルトガルのリスボンを訪れたときは自由時間がなかったから、定番の観光名所を楽しむだけだった(拙ブログ07/4/5)。小骨に気をつけながら日本にいるような気分で魚料理を食べたのとせつない歌声のファドが旅の思い出として心に強く残っている。

ポルトガルへもう一度行くことは決めてある。リスボンに2泊するツアーに参加し、観光をパスして一日中美術館めぐりをする。まず、グルベンキアン美ヘ足を運び念願のラリックのジュエリーをみて、そのあとは国立美へまわりボスの‘聖アントニウスの誘惑’(10/7/13)と対面する。

この計画をどうしても実現したいのはラリック(1860~1945)のジュエリーの最高傑作‘トンボの精’に200%参っているから。このファムファタル的雰囲気をもつトンボの精が放つエロスと神秘性ほど心を揺すぶるものはない。また、‘胸元飾り・蛇’もとても気になる作品。蛇は苦手なのだが、金や七宝で装飾された9匹の蛇の魔性に不思議な魅力を感じる。

2010年、パリの装飾芸術美でラリックの目を見張らせるジュエリーに出合った(10/12/8)。ここで5,6点楽しませてもらったが、グルベンキアンはその4、5倍くらい所蔵している感じ。魅了されているのは‘ペンダント・2羽の孔雀’や紫色が目に沁みる‘ブレスレット・ベロニカ’など。ガラスの彫刻では‘海の少女の像’がよさそう。

作品への期待の大半はラリックのものだが、みたい絵画が片手くらいある。その筆頭がルノワールの‘ソファに横たわるモネ夫人’とルーベンスの‘エレーヌ・フールマンの肖像’。また、レンブラントの‘老人の肖像’やマネの‘シャボン玉を吹く少年’にも惹きつけられる。

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2012.02.27

いつか行きたい美術館! ナンシー派美術館

3568_2      ナンシー派美術館

3572_2     ガレの‘蜻蛉文脚付き杯’

3570_3     ガレの‘ベッド(夜明けと黄昏)’

3571_2     ドーム兄弟・マジョレルの‘木蓮型ランプ’

アール・ヌーヴォーの街、ナンシーにはいつかでかけたいと思っている。フランスの地図をみると、ナンシーはパリの真東およそ280kmのところにある。クルマだと3時間で着くらしい。そして、ナンシーから東へ150kmくらい行ったところがドイツとの国境近くのストラスブール。

パリからの交通機関はまだチェックしてないが高速バスに乗れば、日帰りでも行けるのではなかろうか。ナンシーはガラス工芸や家具に新しい様式をもちこみ芸術の域にまで高めたエミール・ガレ(1846~1904)が生まれたところ。どんな街だろうか。少ない情報だが、窓や手すりにアール・ヌーヴォーの装飾が施された建物があちこちにみられるようだ。

ナンシー派美術館はこの街にあつまってきたアール・ヌーヴォー作家の作品を展示しているが、これらは日本にはほとんどやってこない。例えば、05年江戸東博で大規模な‘ガレ展’が開催されたが、オルセーやデンマーク王室のコレクションからはいい作品が数多く出品されたのに、この美術館が所蔵するものは1点もなかった。

だから、余計にみてみたくなる。ガレのガラスでは‘蜻蛉文脚付き杯’とか‘ひとよ茸’とか‘フランスの薔薇’がお目当て。また、オルセーにある‘手’の別ヴァージョン2つも興味深々。だが、ガラスよりもっとみたいものがある。

それは家具の‘ベッド’。これはガレが亡くなる年、1904年につくられた。羽根を広げた蝶が足元と頭の部分に描かれ、それぞれ夜明けと夕暮れを象徴している。羽は螺鈿で卵には水晶が使われているというから相当凝った装飾、なんとしても目のなかにおさめたい。

ガレのほかではドーム兄弟のランプやマジョレル作のピアノ、ヴァランの応接家具に惹かれる。ナンシー派美はこじんまりした邸宅美術館だから、館内ではくつろげる感じ。その日が早く来ることを芸術の女神にお祈りしておこう。

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2012.02.26

もっと見たいルドンの名画!

3564_2     ‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’(1910年 クリーブランド美)

3566_2      ‘青い花瓶のアネモネとリラ’(1912年以降 パリ プティパレ美)

3565_2       ‘蝶’(1910~12年 デトロイト美)

3567_3       ‘輪光の聖母’(1897年 アムステルダム ゴッホ美)

海外の美術館めぐりをするときは重点鑑賞画家を決めている。昨年11月のオランダ・ベルギー旅行で必見リストに載せている作品が多かったのはファン・エイク、レンブラント、ゴッホ、スーラ、そしてルドン。

アムステルダムにあるゴッホ美とオッテルローのクレラー=ミュラー美はどういうわけかルドン(1840~1916)を結構な数所蔵している。両館で運良く10点もみることができた。そのなかのいくつかは画集に必ず載っているものだから見ごたえがある。

クレラー=ミュラーにある‘勝ち誇るペガサス’と一つ目の‘キュクロプス’(拙ブログ1/5)は思いの丈をとげたが、ゴッホ美蔵の‘輪光の聖母’は残念ながら姿をみせてくれなかった。

今年に入ってからも三菱一号館が手にいれた大きな花の絵‘グラン・ブーケ’と対面しルドンの幸運は続く。だが、この画家に済みマークはまだつけられない。というのは最もみたいパステルの絵が残っているから。

それはクリーブランド美にある‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’。横向きの女性が眺めている鮮烈な青や藤色の花々に長いこと心を揺さぶられている。この絵は現地へ出向かないと一生縁がないかもしれない。

自動車の街、デトロイトにもルドンのいい絵がある。この‘蝶’も画集でよくながめている。パリのプティ・パレにこの絵より蝶の数が少ない‘蝶と花’があり10年に訪問したとき楽しみにしていたが、展示されてなかった。

花瓶の花を描いた作品はオルセーにあるものを目のなかにいれたので、次の狙いは‘青い花瓶のアネモネとリラ’。2年前は蝶の絵同様みれなかったので次のパリでなんとかリカバリーしたい。

ゴッホ美の‘輪光の聖母’の輝く青を是非みてみたいが、訪問はしばらく先になりそう。そのときはゴッホ美のすぐ隣にあり現在改築中のアムステルダム美が所蔵する‘レオナルド・ダ・ヴィンチ頌’も一緒にみるつもり。

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2012.02.25

あなたは共感覚者?

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3562_2     カンディンスキーの‘印象Ⅲ(コンサート)’(1911年、レンバッハハウス美)

3563_2     カンディンスキーの‘インプロヴィゼーション35’(1914年 バーゼル美)

NHKの‘爆問学問’が終了するそうだ。毎週みているわけではないが、隣の方のお気に入りで時々つきあってみていた。今日は昨年の11月に放送された興味深い話のことを少し。

テーマは‘共感覚’、これは音楽や文字に色を感じるといった特殊な知覚現象のことをいう。共感覚をもっている人は200人に1人いるそうだ。番組で爆笑問題の二人に説明していた女性の先生も共感覚者で‘ハ長調の曲を聴くと白がでてくる、へ長調はマットなピンク、、、、’といっていた。音楽は演歌からジャズ、クラシックまで楽しんでいるが、この先生のような感覚はないから非共感覚者。

共感覚の正体は?能科学の発達によりいろんなことがわかってきたという。普通の人は音の刺激によって聴覚野という領域が活動する。一方、共感覚者は色を知覚する領域も同時に活動する。音楽を聴くという行為が色を実際にみるメカニズムに直結していることが明らかになったというのである。

この共感覚は文字や数字に対してもある。イギリス人のダニエル・タメットは数字に感じる色や手触りなどを手がかりに2万桁の円周率を暗記しているという。そして、外国語は単語に感じる色と意味がむすびつくため容易く覚えられ、一週間でマスターできるという。世の中にはスゴイ特殊能力をもったひとがいる。

共感覚をもっている芸術家は多く、その割合は一般人の7倍だそうだ。画家ではカンディンスキー、ムンク、作曲家のリスト、詩人の宮沢賢治も共感覚者といわれている。

カンディンスキー(1866~1944)の抽象絵画をあらためてみると、なるほどネ!という感じ。‘印象Ⅲ(コンサート)’はまさに流れてくる音楽に黄色を200%感じて描かれたものだった。また、‘インプロヴィゼーション35’は交響曲の大音響がこうした色の響き合いや様々なフォルムのシンフォニーとして表現されている。

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2012.02.24

男の隠れ家特別編集 時空旅人‘幻の国宝’!

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二日前、行きつけの本屋でいい美術雑誌をみつけた。2月17日に発売された‘男の隠れ家 時空旅人’(三栄書房)の特別編集‘幻の国宝’(値段は780円)。

この雑誌は馴染みがなく美術をよく特集するのかわからないが、嬉しいことに来月20日から東博ではじまる‘ボストン美 日本美術の至宝’展に出品される92点のうち55点が紹介されている。心待ちにしている展覧会なので、載っている作品を貪るようにしてみた。

今年行われる日本美術関連の展覧会で心を占領しているのは、
★‘山中常盤物語絵巻 全巻公開’(MOA 3/3~4/4)
★‘ボストン美 日本の至宝’展(東博 3/20~6/10)
★‘曽我蕭白展’(千葉市美 4/10~5/20)

絵師でいうと今年は曽我蕭白の当たり年、ボストン美からは目玉の‘雲龍図’をはじめ
11点が里帰りする。このうち6点は日本初公開。伊藤若冲同様、蕭白は一生付き合う絵師と決めているので、こうした新規の作品と出会えるのは本当に嬉しい。

まだ蕭白の作品をあまりみられてない方にとって今年は蕭白に最接近する絶好の機会。まず、東博のボストン美展で11点を目のなかに入れ、その20日後に開幕する‘曽我蕭白展’へ足を運ぶ。千葉市美の企画展はいつの期待値を上回るので、この度も05年京博であった回顧展(拙ブログ05/5/16)並みの作品を揃えてくれるはず。

もう一回、曽我蕭白に会える展覧会がある。それは府中市美で開かれる‘三都画家くらべ’展(3/17~5/6)。これは金子信久氏による企画。この方は博識かつセンスのいい学芸員だから、京都画壇の異端児、蕭白のいい作品を展示してくれるものと大いに期待している。

もうすこし待つとアメリカから里帰りする‘幻の国宝’の数々と対面することができる。テンションがだいぶ上がってきた。

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2012.02.23

ムンクの‘叫び’が競売にかけられる!

3554_3           ‘叫び’(1895年 パステル 個人)

3556_2          ‘叫び’(1893年 油彩 パステル オスロ国立美)

3555_2           ‘叫び’(1893年 パステル ムンク美)

3557_2           ‘叫び’(1910年 テンペラ ムンク美)

昨日、興味深い話が飛びこんできた。サザビーズの発表によると、ムンクの‘叫び’が5月NYで競売にかけられるという。予想値段はなんと8000万ドル(約64億円)!

ムンク(1863~1944)の‘叫び’は一体何点あるの?じつは4点あり、さらにリトグラフが1点ある。今回オークションにでてくるのは個人がもっているもの(一番上の画像)。ノルウェーのビジネスマンで父親がムンクの友人だったらしい。この絵は最初に描かれた‘叫び’(オスロ国立美)の2年後、パステルで描かれた。

ムンクは1作目の‘叫び’のときパステルの下絵を描いている。これは現在、ムンク美の所蔵。だから、‘叫び’にはパステルが2点あることになる。もう1点、最初の作品から
17年後に描かれたものが一番下の画像。これはテンペラでムンク美にある。
1993年、出光美で行われた回顧展にやってきたのがこの4作目の‘叫び’。

ムンクの生誕150年に合わせて来年2013年にノルウェーで美術館が開館するらしく、この競売で得たお金をそれにあてるようだ。となると落札額がどうなるかは注目の的。

ムンクの情報をもうひとつ。‘世界の名画’で知ったことだが、長い間非公開だったオスロ大学の講堂に描かれている大壁画‘母校’、‘歴史’、‘太陽’が大がかりな修復が終了したのに伴い昨年の9月から一般公開されている。

07年西洋美で開催された‘ムンク展’に‘太陽’の習作が展示してあったが、オスロへ足を運べば本物をみれることになった。いつか絵の前に立つことを夢見ていたい。

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2012.02.21

いつか行きたい美術館! オスロ国立美(2)

3550_2     ムンクの‘月の光’(1895年)

3551_2           ムンクの‘思春期’(1893年)

3552_2      クールベの‘恐怖におののく男’(1843~45年)

3553_2        ゴッホの‘自画像’(1889年)

昨年の7月、BS朝日の‘世界の名画’とBSプレミアムの‘極上美の饗宴’がオスロ国立美がとりあげてくれたおかげでこの美術館やムンク美が所蔵する作品の情報が一気に増えた。

以前NHKの‘世界美術館紀行’にもオスロ国立美は登場したが、この番組の放送時間は30分だった。これに対し‘世界の名画’と‘極上美の饗宴’はたっぷり1時間。だから、作品情報はかなり豊富。とても惹かれる肖像画やメランコリックな風景画をみているうちに、この美術を訪問したい気持ちがふつふつと沸いてきた。

ムンク(1863~1944)の魅力は鮮やかな色使い。これはフィレンツェで鑑賞した‘生命のダンス’(拙ブログ10/8/20)で目に焼きついている。‘月の光’はとても惹きこまれる絵。海の青と海面に反射する月の光のコントラストがなんとも美しい。

ムンクの絵で一番最初に心のなかに入ってきたのはもちろん‘叫び’だが、初期の代表作‘思春期’も強く印象づけられている。シーツを染めた赤いしみをみて、‘ああー、そういうことか、大人の女の仲間入りしたんだ!’と妙に納得したことを新鮮に覚えている。この絵は日本に一度やってきた。たしか大阪万博のとき?

オスロ美でムンク以外でみたい絵がじつは2点ある。クールベ(1819~1877)と
ゴッホ(1853~1890)。ほかの画家の絵もあるのだろうが、情報がない。クールベの‘恐怖におののく男’は08年パリのグラン・パレで開かれた大回顧展のとき、展示替えで見逃した。すごくインパクトのある人物画だから、残念でならない。現地でなんとかリカバリーしたい。

ゴッホの自画像は耳切り事件のあとサン・レミの療養院へ入院していたときに描かれた。激しい発作に襲われていたころだから、鋭い目つきや荒荒しいタッチにその影響が現れている。本物の絵がどうだろうか。

(お知らせ)
拙ブログ2/13でとりあげたEテレ番組‘シーナ・アイエンガー教授の特別講義・選択の力’は2/19(日曜)午後6時に第1回が再放送されました。申し訳ありませんが
3/31?は間違った情報でした。

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2012.02.20

とても気になるクレーの魚の絵!

3547_2     ‘黄金の魚’(1925年 ハンブルク美)

3548_2     ‘魚のまわりで’(1926年 NY MoMA)

3549_2     ‘魚の魔術’(1925年 フィラデルフィア美)

TVの美術番組にはいろいろなタイプがある。長寿を誇る‘日曜美術館’がひとりの作家にスポットを当てるのに対し、TV東京の‘美の巨人たち’は画家が描いた作品のなかから1点を選び作品にまつわる話を展開させるのが特徴。

BS朝日の‘世界の名画’とBSジャパンの‘美の浪漫紀行’は美術館を紹介する番組なので、われわれのようにヨーロッパやアメリカにある美術館を1館でも多く訪問したいと願っているものにとっては願ったり叶ったりの内容。

登場する美術館は以前NHKで石澤アナウンサーがナレーションをしていた‘世界美術館紀行’にとりあげられコレクションの情報がインプット済みのものもあるが、嬉しいことに新たに開拓された美術館が続々でてくる。

例えば、11月のオランダ・ベルギー旅行のとき大変役に立ったアントワープのMASミュージアム、ブルージュのグルーニング美、メムリンク美、ゲント市美、ドイツのハンブルク美、スイスのオスカー・ラインハルト・コレクション、フランスのリヨン美など。この調子だと‘いつか行きたい美術館’にとりあげた美術館にも制作スタッフが出かけてくれるのではないかとつい期待してしまう。

そのなかで‘世界の名画’が紹介してくれたハンブルク美はオスカー・ラインハルト・コレクション同様、一級の美術館であることがわかった。ここに大変気になるクレー(1879~1940)の絵がある。それは‘黄金の魚’。この絵はベルリン美にあったときヒットラーによって退廃芸術の烙印を押され押収されたことは知っていたが、現在はベルリン美に展示されているとばかり思っていた。大間違いもいいとこ。

クレーの絵は水彩より油彩のほうに惹かれている。最も好きなのはNYのMoMAにある‘魚のまわりで’、93年上野の森美でみたときの感動は今でも忘れならない。また、‘フィラデルフィア美展’(07年、東京都美)にやってきた‘魚の魔術’にも大変魅せられている。この2点と‘黄金の魚’はクレーがバウハウスで教えていたときに描かれた。

‘黄金の魚’の目の覚めるような黄色と青をいつかみてみたい。

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2012.02.19

スイスのヴィンタートゥールにゴッホのいい絵があった!

3543_2     ゴッホの‘夜のカフェ’(1888年 ヴィラ・フローラ)

3546_2  ゴッホの‘アルルの病院の中庭’(1888年 オスカー・ラインハルト・コレクション)

3544_4   ルノワールの‘モーディスティン’(1875年 オスカー・ラインハルト・コレクション)

3545_2     マネの‘カフェにて’(1878年 オスカー・ラインハルト・コレクション)

最近わが家ではすっかり定番になったBSの美術番組は海外の美術館の豊富な情報が入ってくるので大変重宝している。

昨年の10月に美術番組(拙ブログ11/10/9)をとりあげたが、今毎週みているのは、
★極上美の饗宴:BSプレミアム 月曜 9時
★美の浪漫紀行:BSジャパン  火曜 8時
★世界の名画 :BS朝日     水曜 9時

‘美の浪漫紀行’と‘世界の名画’は同じ美術館へでかけることがあるが、海外のことに関しては情報は多いほうがいいのでこのダブりはあまり気にならない。BSジャパンのほうは美術館を軸にしながら街の様子や食べ物などの紹介にも時間を割いているので旅行気分をそそられる。

今BSに限らず美術番組が楽しいのは画質がとてもいいから。展覧会の図録や美術館が制作するガイドブックで作品の実際の色が100%でていることはまずない。これに対して、美術番組で流される映像はまさに現地でみた作品そのもの。色はそのままの色がでている。だから、昨年訪問したクレラー=ミュラー美やゴッホ美などは現地で購入した図録は横においてビデオ収録したものをみて余韻に浸っている。

まだ出かけてない美術館で大変テンションのあがった作品がでてきた。それはスイスのヴィンタートゥールにある二つの美術館が所蔵する作品。ハーンローザー夫妻のコレクションを展示する邸宅美術館、ヴィラ・フローラに飾られていたのがゴッホの‘夜のカフェ’。この絵はTASCHENから出版されている‘ゴッホ全油彩画’(日本語版 2010年)に載っているが、カフェの赤い壁が赤褐色になっている。

本物の絵は赤だけでなくビリヤードの緑などもじつにあざやか。これは俄然みたくなった。イェール大美が所蔵する同じ題名の絵(10/8/30)よりもこちらのほうが色はいいような気がする。もうひとつの有名なオスカー・ラインハルト・コレクション(11/5/2)にある2点のゴッホ、‘アルルの病院の中庭’と‘共同寝室’もみたい度の強い絵。

オスカー・ラインハルトが収集した絵の情報が番組でぐっと増えた。これらをみるとコレクションの質の高さは半端ではない。ルノワールは4,5点ある感じ。‘眠る浴女’は画集に載っているが、とても魅了される肖像画‘モーディスティン’ははじめてみた。また、ここには新情報のマネの‘カフェにて’もあった。

BSの美術番組がスイスの美術館めぐりを後押ししてくれそう。

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2012.02.18

東近美平常展は楽し!

3542_2     速水御舟の‘門(名主の家)’(1924年)

3540_2     川端龍子の‘慈悲光礼賛・朝’(1918年)

3539_2     前田青邨の‘石棺’(1962年)

3541_2       杉山寧の‘穹(きゅう)’(1964年)

ポロック展をみたあと時間があったので平常展をのぞいてみた。以前はここの平常展は定期的に通っていたが、図録に載っている作品を全部目に中におさめたから、今は企画展へでかけたときしか縁がなくなった。

現在は前期(1/24~3/11)、いつものように展示リストを二つもらって4階へ上がった。リストを二つもらうのは一つを清書用にしているから。作品をみているときは思いついたことをこのリストに速記風にどんどん書いていく。作品に惹きこまれたのは何だったか、色の調子、描写の精度、絵肌、構図、絵のサイズのどれだったかを短い言葉で書き残しておく。

手にもった鉛筆が動き、★マークのついた作品をいくつか。ここで速水御舟(1894~
1935)は10点くらいみただろうか、‘門’はたしか3度目。とても小さな絵、手前に門をどんと大きく描き門の奥に農家を配置する構成がなかなかいい。

久しぶりにみた川端龍子(1885~1966)の‘慈悲光礼賛・朝夕’の前に長くいた。これは朝のほうで目の覚めるような群青と緑青で描かれた木々の葉や草花と木漏れ日に目を奪われる。ほぼ四角の画面だから、視線は中央で光に照らされている魚にすっとむかっていく。

前田青邨(1885~1977)の‘石棺’にはちょっとした思い出がある。斜めに置かれた石棺が動きを生みだしているこの絵との対面をずっと待っていた。そんなとき06年、岐阜県美と浜松市美で待望の回顧展が開かれた。で、岐阜に2回、浜松に1回、都合3回も出かけることに。日本画の場合展示替えがあるので何度も出動せざるをえない。

浜松へ出向いたのは‘出棺’をみるため。ところが、1ヶ月あと東近美の平常展に登場した。もっと早く情報が入っていたら浜松へでかけなくて済んだのに、、回顧展というのはやはり特別な展覧会、いい絵がどっと集まるからみれるときにみておかないと悔いを残すことになる。で、気持ちがどうしても前のめりになる。

杉山寧(1902~1993)の‘穹’に200%魅せられている。最接近してみると、スフィンクスの顔の絵肌はザラザラで盛り上がっておりエジプトの砂漠を思わせる。悠久の時の流れが感じられるこの絵は杉山寧だけがたどり着いた絵画世界。この画家は東山魁夷とともに別格の存在である。

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2012.02.17

三菱一号館美の‘ルドンとその周辺ー夢見る世紀末’展!

3536_2       ‘「起源」・一つ目巨人’(1883年)

3538_2        ‘蜘蛛’(1887年)

3537_2           ‘光の横顔’(1886年)

3535_2           ‘グラン・ブーケ(大きな花束)’(1901年)

三菱一号館美で今‘ルドンとその周辺ー夢見る世紀末’展(1/17~3/4)が開かれている。この展覧会に出品されているのは1点を除いて岐阜県美が所蔵するもの。だから、ルドン展の体裁をとっているが、モロー、ゴーギャン、ベルナール、セリジュ、ムンクの絵も楽しめる。

岐阜県美の西洋画コレクションは現地で一度体験し、07年Bunkamuraで開催された‘ルドンの黒展’(拙ブログ07/8/6)をみたので、今回心がむかっているのはルドンがパステルで描いたプラスワンのほう。その大きな花の絵‘グラン・ブーケ’は展示の中間あたりにあった。

それまではずっとルドンの暗闇の世界が続く。怪奇ワールド全開の絵が‘一つ目巨人’。昨年11月、クレラーミュラー美で‘キュクロプス’(1/5)をみたばかりなのですぐ反応する。目は二つあるものと思っているから、一つ目というのは不気味で気持ちが悪い。ホメロスの書いた‘オデュッセイア’にでてくる一つ目の巨人も映像化されるときは顔はこういうイメージ。

目でもうひとつ怖いのがある。それは気球にように宙に浮かぶ眼球、その眼球と一緒に飛んでいるのは男の生首。白黒の世界だからこの怪奇なものにみつめられると怖さが増してくる。これに対して、十本の足をもつ蜘蛛はひょうきんな感じ。このくらい愛嬌があるとすぐにでもゆるキャラに登録できる。

再会した‘光の横顔’には思わず足がとまった。角ばった表情はクノップフの描く女性とよく似ており、惹きこまれる。そしてルドンの代名詞ともいうべき作品‘目をとじて’にも会った。

さて、三菱一号館が手に入れた‘グラン・ブーケ’。こんな大きな花の絵はみたことがない。縦は2.48m、横は1.63mある。花瓶から沢山の花がでており、パステルの鮮やかな青や黄色や赤が目に心地いい。お目当てはこの絵だからじっくりみていた。
秋(9月)にもまた公開するようだ。

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2012.02.16

待望の‘ポロック展’は満足度200%!

3533_2     ‘ポーリングのある構成Ⅱ’(1943年 ハーシュホーン美)

3531_2     ‘インディアンレッドの地の壁画’(1950年 テヘラン現代美)

3532_2     ‘ナンバー7、1950’(1950年 NY MoMA)

3534_2     ‘ブルー白鯨’(1943年 大原美)

開幕を心待ちにしていた‘ポロック展’(2/10~5/6)をみてきた。いつもの東近美とちがってアメリカ人を多くみかけるのはポロック(1912~1956)はアメリカアートの輝ける星であることの証。土日になるとさらに多くの外国人が押し寄せるにちがいない。

作品の数は全部で64点。そのなかで最もみたかったのが‘ポーリングのある構成Ⅱ’とテヘランの美術館からやってきた‘インディアンレッドの地の壁画’。‘ポーリング’はポロックがこの手法をはじめた1年後の作品。とても惹かれるのがやわらかく流動的にぶつかり合ううす青緑や緑や茶の色面、そしてその上のなにかおたまじゃくしかミトコンドリアが跡をつけたかのような黒や橙色や白の流れる線と点、心が荒ぶられるのは確かだがどこか静寂な空気も流れている。

今回の最大の収穫はテヘランにある絵とこの絵の前年に描かれた‘ナンバー11、1949’(インディアナ大美)。このふたつは色の使い方、サイズのちがいはあるが、描き方はほとんど同じ。これぞ究極のポーリングの美という感じ。‘インディアンレッド’の地の色は茶褐色、流れる線は一番多いのは白、その次が黒、ほかにうす黄色や青緑、灰色、橙色もあるが目につ強く印象づけられるのは白と黒の絡み合い。

この絵がとても気持ちよくみられるのはこの白の線が信じられないくらい細いから。画面には中心がなく白の複雑な線がじつに丁寧にポーリングされている。これは相当しんどい作業だから、無意識の状態と集中力を持続させるタフな精神状態が上手く折り合わないと描けない。

1950年には傑作がいくつも生まれた。NYのMoMAにある‘ワン・ナンバー31、1950’、メトロポリタンの‘秋のリズム・ナンバー30’。アメリカのアーティストは大きな国土に住んでいるせいか皆大きな画面が好き。ポロックはこういう大きなキャンバスを縦に立てるのではなく床に敷き、絵の具や塗料を垂らしたりなめらかに流していくから、海とか宇宙のような広大な画面のなかにいる気分かもしれない。

横長の‘ナンバー7’は新体操のリボンの演技を連想させる。ここでも白と黒の流れる線がリズミカルに絡まって横に疾走している。これと同じタイプの赤の線が目に焼きつく‘ナンバー25、1950’(ハーシュホーン美)は‘ナンバー7’よりもっと賑やかでアフリカの激しい音楽を聴いているよう。

ミロの影響を受けた‘ブルー白鯨’は懐かしい絵。広島にいるとき何度もでかけた大原美ではこの絵をみるのが楽しみだった。変てこな鯨だが、ほかにも右上には牛やエイ、右の端には小さな魚をイメージさせるものもいる。

満足度200%のすばらしい回顧展だった。東近美に感謝!

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2012.02.15

いつかみてみたいフォーゲラー、ルンゲの絵!

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3528_2     フォーゲラーの‘春’(1897年)

3529_2     フォーゲラーの‘夢Ⅱ’(1912年 ニュルンベルク ゲルマン国立美)

3530_3        ルンゲの‘朝’(1808年 ハンブルク美)

アートを楽しむ生活を長年やっていても、美術本ではみていながら本物にお目にかかれない画家の作品がまだだいぶある。芸術の世界は限りなく広く、そして奥が深い。

ドイツの画家でまだ縁がないのはフォーゲラー(1872~1942)とルンゲ(1777~
1810)。二人の作品情報は少なく画業の全体像がつかめてないが、知っている絵はなかなか魅力的。フォーゲラーはドイツにおけるユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォー)の画家。

‘春’は世紀末の芸術に相応しいテーマ。白樺の林のなか、清々しい自然の美しさに溶け合うようにたたずむ女性の姿が目に心地いい。そして見たい度の強いのが‘春’同様横向きの女性が大きな丸い円を背にして装飾的に彩られた草花にとりかこまれている‘夢Ⅱ’。

クリムトの描く黄金につつまれる女性が怪しい官能美でみる者の心をわしづかみするのに対し、この安定的な三角形のフォルムで表現された女性は甘美な香りの漂う夢の世界へ誘ってくれる。いつかみてみたい。

フォーゲラーは1894年22歳のときブレーメンの北にあるヴォルプスヴェーデに移り住む。そして仲間4人とともに新たな表現を求める創作活動の拠点となる芸術家村を築いた。詩人リルケも一時、フォーゲラーが‘バルケンホフ’と名づけたアトリエにいた。これに共鳴した竹久夢二(1884~1934)は芸術家村を榛名山につくろうとしたが、これは実現しなかった。

ルンゲはフリードリヒとともにドイツロマン派を代表する画家だが、フォーゲラーよりもっと縁がうすくまったく知らないといっていい。ルンゲは33歳の若さで亡くなっている。この‘朝’が代表作といわれている。朝、昼、夕、夜の連作を考えていたようだが、朝しか完成しなかった。ミューズがハンブルク美の上から手を振っているように思えてならない。

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2012.02.14

ドイツロマン派のフリードリヒはお好き?

3524_2     ‘北極での難破’(1824年 ハンブルク美)

3525_2     ‘眺望(人生の諸段階)’(1835年 ライプツィヒ造形美)

3523_2     ‘山上の十字架’(1807~08年 ドレスデン国立美)

3526_2     ‘教会のある冬景色’(1811年 ロンドンナショナルギャラリー)

あるひとりの絵画への関心というのはなにかをきっかけとして急に高まることがある。ここ半年くらいBS各局の美術番組を見ているうちに、ドイツにある美術館に展示されているドイツロマン派のビッグネーム、フリードリヒ(1774~1840)がだんだん気になりだした。

フリードリヒの絵はルーヴルとロンドンナショナルギャラリーで2点みたくらいで、05年東博で開催された‘ベルリンの至宝展’でみた‘海辺の月の出’など3点を加えても両手にはとどかないほど少ない鑑賞体験。やはりドイツの美術館へ出むかないとこの画家の全貌はつかめないのだろう。

だが、ドイツの美術館めぐりは簡単ではなく一般のツアーに参加するだけだと思いの丈の3割くらいしか果たせない。例えば、ドレスデンとかベルリンは行程によく入っているので、ドレスデン国立美の近代絵画館に飾られている‘山上に十字架’と対面できる可能性はある。これが最高傑作といわれているから、是非ともお目にかかりたいのだが、、

ロンドンナショナルギャラリー蔵の‘教会のある冬景色’は少しコンスタブルの絵を彷彿とさせるが、コンスタブルの風景画はこれほど精神性は強くない。フリードリヒの描く風景は山でも海でも人間が生きていることの意味が深く投影されている感じなので、気分は次第に重たくなる。

ちょっと息がつまりそうなところもあるのだが、ハンブルク美にある‘北極での難破’のように一度みたら忘れることはできないほどの強烈な印象をもっているため、いつか絵の前に立ちたいという気にさせられる。この美術館にはもう一点魅せられる絵がある。それは後ろ姿の人物が中央で岩の上に立っている‘雲海の上のさすらい人’。その前方の風景は神秘的な雰囲気につつまれている。実物と対面したら、その人物のなかに即入っていくことだろう。

沖の5隻の船と手間中央に描かれた5人の3世代の人物を象徴的にむすびつけている‘眺望’もしばらくみていたくなる作品。‘海辺の月の出’と同じタイプの絵だが、こういう風景画はほかにみたことがないから関心は高い。でも、この絵を所蔵しているのはライプツィヒの美術館。夢のままで終わるかもしれない。

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2012.02.13

シーナ・アイエンガー教授による講義 ‘選択の力’!

3519_3     コロンビア大学ビジネススクールで講義するシーナ・アイエンガー教授

3520_3     アメリカ人が一番みていたところ

3521_3     日本人が一番みていたところ

3522_3     絵を変えてその変化の違いを尋ねる実験

昨年11月から12月にかけてNHKのEテレビ(日曜午後6時)で‘シーナ・アイエンガー教授の特別講義 選択の力’という番組が5回放送された。今日はそのなかで披露された大変興味深い話のことを。

この番組を熱心にみたのには理由がある。コロンビア大学のビジネススクールで教鞭をとるこのインド人の若い女性教授(1969生まれ)が初めて書いた本が10年の11月に文藝春秋から出版された。本のタイトルは‘選択の科学’。4,5年前から行動経済学や社会心理学に関心を寄せているのですぐこれにとびついた。

が、そのあとは美術関連の本を読むのに時間をとられ積ん読状態。そこにEテレで特別講義がはじまった。この人がアメリカの高校にあがるころ全盲になった先生か!という感じ。講義を聞いているうちに、このインド人はすごい頭脳の持ち主だということがわかってきた。ここでは講義の内容を詳細には述べられないので、5回のタイトルだけでもふれておきたい。

1回 あなたの人生を決めるのは偶然?選択?
2回 選択しているのは本当にあなた自身?
3回 選択日記のすすめ
4回 あふれる選択肢 どう選ぶか
5回 幸福になるための技術

この番組は好評だったとみえて、最近得た情報だと3月31日?(うろ覚えなので正確ではない)再放送されることになっているから興味のある方は是非。とくに若い方にはお奨め!高いお金を払わなくてコロンビアビジネスクールの看板講義が受講できるのだから、見逃す手はない。

さて、この講義のなかで興味をそそられた話(第2回)。この話は05年ミシガン大学で欧米人や日本人や中国人の学生を対象にして、風景の見方について行われた調査(拙ブログ05/9/7)とちょっと似ている。2名のアメリカ人と日本人の研究者が次のような実験を行った。時期は01年、被験者はアメリカ人と日本人。

一枚の魚の絵が描かれた画像を5秒みせて、そのあと何をみたかを質問する。アメリカ人、日本人は何を一番みていたのか?その回答のちがいがおもしろい。
(アメリカ人)  
大きな魚をみる確率が高く、そして大きな魚についてディテールまで述べることが多い。
(日本人)
魚のまわりについて、例えば、カエルとか海藻とか巻き貝とか、魚同士でなにをしているのかにコメントすることが多い、つまり、画像全体をみていて大きな魚のディテールにはあまり注意を払わない。

実験はもうひとつ行われた。大きな魚をこれまでとは少しちがう別の魚に入れ替えてみせる。そうすると、大きな魚の変化に気づく割合はアメリカ人の方が日本人より高かった。しかし、海の中の小さなディテール、海藻とか巻き貝を替えた場合は日本人の方がアメリカ人よりも変化によく気がついた。

この結果は文化圏の異なる世界に住んでいると、ごく普通の画像でも人はみるものがちがうしみたものの解釈がちがってくることを示している。アメリカ人の心が主役の大きな魚にむかうのに対して、日本人は海全体を眺める包括的な視点からこの情景をながめている。両者の世界の解釈の仕方がちがうのである。

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2012.02.12

悲報 ホイットニー・ヒューストン 急死!

3518今日正午前、悲しいニュースが飛び込んできた。アメリカの人気歌手ホイットニー・ヒューストンが亡くなったという。

まだ48歳の若さなのに、本当に残念、心をこめて合掌! 死因の情報は入ってこないが、薬物・アルコール依存症と関係があるのかもしれない。

最近ホイットニーがどんな歌を歌っているのかまったく疎くなってしまったが、この歌姫の歌声には200%魅了されている。

小さい頃からアメリカンポップスをよく聴いた。お気に入りの曲(拙ブログ07/11/29)は数かぎりなくあるが、そのなかにホイットニーの名曲も入っている。

‘オール・アット・ワンス’(1985年)と‘オールウエイズ・ラブ・ユー’(1992年)。この2曲を何回聴いたことやら。ホイットニーのそのすばらしい歌唱力はアメリカの歴代の女性歌手のなかで10指に入るのではないかと思う。

ほかの人気歌手ですぐでてくる名前は‘ラバーズ・コンチェルト’のサラ・ボーン、ホイットニーの親戚になるディオンヌ・ワーウィック、‘やさしく歌って’のロバータ・フラック、‘夜汽車よジョージアへ’のグラディス・ナイト、‘エンドレスラブ’のダイアナ・ロス、‘ユー・ガット・ア・フレンド’のキャロル・キング、そして‘タイタニック’のセリーヌ・ディオン(カナダ人だが)、、、

この中で人気、実力を兼ね備えた大スターというとダイアナ・ロスとホイットニー・ヒューストンではなかろうか。そのホイットニーが突然亡くなってしまった。世界中のファンはマイケル・ジャクソンのとき同様、悲しみにくれていることだろう。

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2012.02.11

いつか行きたい美術館! フィラデルフィア バーンズ財団美術館

3515    バーンズコレクション展(94年 西洋美)の図録

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08年アメリカにある美術館めぐりをして4年経つので、NYやワシントンもそろそろかなという気にはなっている。が、実行計画となるとヨーロッパへの思いのほうが上回り、お目当ての美術館の訪問はもうすこしかかりそう。

一番関心の高いのはまだ縁のないフィラデルフィア美、その次が新しい建物になってまだ行ってないNYのMoMAとホイットニー美。NYに4日くらい滞在する旅行プランだとNYを起点にして列車でフィラデルフィア、飛行機でワシントン、ボストンという日程が組める。

近代絵画の超一級のコレクションで有名なバーンズ財団美はフィラデルフィア近郊のメリオンからフィラデルフィアに今年の春移転するという情報が昨年どこからともなく入ってきた。移転先の詳しい場所とかはまだおさえてないが、フィラデルフィア美とセットで楽しめるのだからすごくいい話。予約日時のシステムとかは同じだろうが、バーンズ美がぐっと近くなる感じ。

コレクションを公開する場所は変わっても、館内で作品を展示する方法は同じだろう。TVの美術番組などでみるかぎり、部屋の壁に作品がびっしり飾られている。そして、おもしろいのは作品のタイトルや画家の名前、制作年を示すプレートがまったくないこと。この調子だと館がつくっている図録にもそれが書いてなかったりして?まあ、そんなことはないか。

上の画像に6点の絵が左右バランスよく配置されている。上段にあるのはスーラの‘ポーズする女たち’、そして下にあるのがセザンヌの‘カード遊びをする人たち’。どちらも
1994年西洋美で開催された‘バーンズ・コレクション展’に展示された。

この展覧会に出品された印象派やポスト印象派、そしてマチス、ピカソなどの作品の質の高さは半端ではなかった。こんなすごいコレクションに遭遇するのは一生に一度か二度くらいのことだろう。そのときの感動は今でも体のなかに残っているから、また対面してみたい。さらに未見の傑作もまだいっぱいある。だから、予約をする段になると気持ちが昂ぶるにちがいない。

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2012.02.10

いつか行きたい美術館! アルビ トゥルーズ=ロートレック美

3514_2

3511_2     ‘ムーラン街のサロンにて’(1894年)

3512_2          ‘ル・アーブルの「スター」のイギリス娘’(1899年)

3513_2       ‘ピアノを弾くマリー・ディオー嬢’(1890年)

ロートレック(1864~1901)の油彩と1点でも多く対面できることを願っているが、これを達成するのはなかなか大変。普通、印象派やポスト印象派、例えば、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンの傑作は全部ではないがパリのオルセーへ行けばかなりみることができる。

ところが、ロートレックの場合、オルセーはいい絵があるひとつの美術館にすぎず、傑作の数々はヨーロッパのほかの国やアメリカの美術館にバランスよく分散されている。このことは08年アメリカのシカゴ、ワシントンナショナルギャラリー、ボストン、メトロポリタンを訪問してよくわかった。

シカゴ美でみた‘ムーラン・ルージュにて’(拙ブログ08/4/6)は一生の思い出だが、もう3点みたくてたまらない絵が残っている。いずれもパリ、ロンドン、NYにある美術館のようにはさっと行けない美術館が所蔵している。

★‘ムーラン街のサロンにて’ (アルビ トゥールーズ=ロートレック美 10/8/26
★‘「シルペリック」のバレエを踊るマルセル・ランデ’ (ワシントンナショナルギャラリー)
★‘ムーラン・ルージュの女道化師’ (ヴィンタートゥール オスカー・ラインハルト・コレクション 11/5/2

さて、アルビにあるロートレック美、パリ以外の街にある美術館で今頭のなかにあるのはリヨン美とロートレック美とナンシー美の3館。このなかでロートレック美が一番遠い。観光ガイドブックによると、パリ・モンパルナス駅からTGVアトランティック線でトゥールーズまで約5時間、そのあと在来線に乗り換えて1時間かかるという。ううーん、遠い!

画家の生地にできた記念館は名作はあったとしても数が少ない資料館的なところが多いが、ロートレック美は例外で名画が沢山揃っている。その中で見たい度の大きいのはここにあげた3点。

娼婦の内面描写と構図にすごく惹かれる‘ムーラン街’、笑顔が魅力的な‘イギリス娘’、そしてドガが‘俺をまねるのはもういい加減にしてくれ!’と怒ったという‘マリー嬢’。いつか絵の前に立ちたい。

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2012.02.09

いつか行きたい美術館! リヨン美術館

3507_2      ドガの‘カフェ・コンセール ル・ザンバサドゥール’(1876~77年)

3508_2     レンブラントの‘聖ステパノの殉教’(1625年)

3509_2         ジェリコーの‘狂人女’(1822年)

3510_2            クールベの‘田舎の恋人たち’(1844年)

ヨーロッパにある美術館をめぐる旅はライフワークなので、訪問先のオプションだけはどんどんできていく。迷うのはその順番。昨年末オランダ・ベルギーへ出かけた流れで、今はヨーロッパを北上する旅へ気持ちが傾いている。

具体的な都市としてはミュンヘン、ベルリン、そしてオスロ。北欧へ行くのならオスロでムンクの絵をみるだけでなく、ストックホルムの国立美もみたいところだがこれはうまくいくかどうかわからない。そのあとはウィーン、スイス、フランスと下ってくる。

フランスで一度行ってみたいのがリヨン美術館。パリからリヨンまでの距離は西にあるモン・サン・ミッシェルよりはもう少し長い。TGVで2時間くらいで到着するらしい。日本だと横浜から名古屋ヘ新幹線で行くのと同じ時間だから気楽な感じ。この街には美味しい料理を食べさせるレストランが沢山あるというから、とても楽しめそう。

リヨン美で最もみたいのはドガ(1834~1917)の‘カフェ・コンセール ル・ザンバサドゥール’。この絵を知ってもう随分な時が流れるが、舞台で歌っている歌手の衣裳の鮮やかな赤が目に焼きついている。また生き生きとした舞台の一瞬を切り取る構成がじつに巧み。

ドガに次いで関心の高い作品はレンブラント(1606~1669)が20歳ころに描いた‘聖ステパノの殉教’。カラヴァッジョの明暗法の影響がみられるので、とても興味をそそられる。ロマン派の先駆けとなったジェリコー(1791~1824)の‘狂人女’はどこかジョルジョーネの‘老婆’を彷彿とさせる。女の兎のように赤い目が気になってしょうがない。

リヨン美はクールベ(1819~1877)のコレクションが充実しており、08年パリとNYで開催されたクールベ展に4点が展示された。とくに魅せられたのが‘田舎の恋人たち’と‘雪の中の鹿’。いつか再会したい。

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2012.02.08

美術に魅せられて! 欧米の美術ファンは図録を買わない

3506_3     プラド美の館内

3505_2     ロンドンナショナルギャラリーのガイドブック

展覧会をみおわると図録を購入するのは長年の習慣。だから、数はどんどん増えていく。これに海外の美術館へでかけたとき手に入れる本も加わる。でも、本棚のスペースや部屋の広さは決まっているから、こうした美術本を置いておく場所の確保について絶えず頭を使っている。

美術館にあるミュージアムショップは国内でも海外でも似たようなもの。絵葉書、ガイドブック、専門の美術本、人気の絵の図柄を使ったノートやホルダーなどの文房具類、カップ、Tシャツ、、いろいろ揃っている。海外のミュージアムショップをまわっていると、人々のある共通の購買行動に気づく。それはヨーロッパやアメリカの美術ファンは特別展の図録や美術館のガイドブックをあまり買わないこと。

日本で開かれる展覧会の場合、東博の空海展や故宮博物院展のように大勢の人を集めた展覧会ではあの重い図録を結構な数の人が手にして帰路についている。これと海外で行われる展覧会をくらべてみるとその違いがよくわかる。

10年にパリで大モネ展を体験した。興奮冷めやらぬなかミュージアムショップで図録を求める。値段が50ユーロ(5500円くらい)もするハードカバーのものと作品の解説がなく図版だけの簡易版(18.5ユーロ、およそ2000円)の2冊あり、両方購入した。展示会場は大賑わいだからレジに並ぶ人は多かったが、簡易版を買う人は10人に2人くらい。ほとんどの人が手にもっているのは絵葉書2,3枚。

これはパリの話だが、ローマで開かれた大人気のカラヴァッジョ展でも同じ。お宝のような図録なのに、これを買っている人は思った以上に少ない。ここでも皆絵葉書をいろいろ選んでいる。このように図録を一般の美術ファンが買わないのにはちゃんとした理由がある。

彼らは展覧会の図録は美術の専門家が買うものだと考えているのである。‘モネやカラヴァッジョが大好きだからここへ足を運んできたのよ、でも、こんな専門的に解説されている図録は私には必要ないは、私はそんな美術史家のお話はどうでもいいの、あの絵の前に立って、存分に楽しめればそれでいいのよ、ああー、この回顧展を体験できて最高に幸せ!’

欧米では一般の美術ファンは美術史家の議論にはあまり影響されず、自分流のアートライフをエンジョイしている。これに対して日本人は美術のお勉強が好きで知識をいったん頭に通さないと美術はわからないもの、楽しめないものだと思っている。ただ心で感じるだけでは何か軽くて本当に作品がわかってないのではとヘンに自分を縛っている。どうしても観念的にしか芸術をとらえられないのである。

アートはひろく生活の中に根づいており、宗教画でも肖像画でも風景画でもリンゴの絵でも、あるいは抽象画でも気楽にそして自分の感性や想像力をふくらまして自由に楽しむもの。美術史家の言葉で頭のなかを埋めつくすほどつまらないことはない。

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2012.02.07

福留 井川 ♪♪‘もどって来ーいよ’!

3504_2昨日のスポーツニュースでマリナーズへ入団した岩隈がキャンプ地で自主トレをはじめたことが報じられていた。

新たに大リーグへ挑戦する選手がいる一方で、まだどのチームでプレーするか決まらない選手もいる。福留と松井、そして井川。松井はちょっと横において福留、井川のことを少し。

もう2週間くらいすると大リーグもキャンプに入るから、福留の代理人も今最後の交渉をやっているだろうが、この時点でまとまらないのは福留にはレギュラーとしての契約はないということ。だったら、いっそのこと日本に帰ってプレーしたほうがいいのではないかと思う。

カブス、インディアンスでの4年間の実績は打率.260程度、たいした成績ではない。外野手としての守備力は平均を上回るが期待されたバッティングがこれではレギュラーの座は獲得できない。福留は今年35歳、もうこの歳なのである。だから、大リーガーとしては下り坂の選手とみられ、若手の有望選手と天秤にかけられたらどうしても不利。

毎試合グランドにでられず残り少ない選手寿命をさらに縮めるくらいなら、年俸はかなりダウンしてもチームの主力選手としてプレーできる日本のチームのほうがモチベーションがあがるのではないか。戻るところはもちろん中日。ソリの合わなかった落合はいないのだから、気持ちよくプレーができるはず。迷うことはない、中日で頑張れ!

ヤンキースとの契約が終了した井川についても同じことがいえる。大リーグのチームからはいくら待ってもオファーはこないのだがら、アメリカで野球をすることはもう諦めて日本に帰ってプレーするほうが賢明な選択。

チームとしては阪神に戻るのが一番。阪神ファンは熱狂的で浪花節のところがあるから、復帰は歓迎してくれる。阪神にとっても投手力の整備は大きな課題なので、左腕の井川は戦力になる。大リーグのマイナーで投げて何がプラスになったのかわからないが、井川は環境を変える時期にきている。

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2012.02.06

菅井さん ローザンヌ国際バレエコンクールで優勝!

3503若手ダンサーの登竜門としてして知られるローザンヌ国際バレエコンクールで日本の菅井円加(まどか)さんが見事優勝した。拍手々!菅井さんは厚木市在住の高校2年生。

バレエにはちっともくわしくないのに、若いころスイスのジュネーブに住んでいたので、レマン湖の北岸にあるローザンヌで開かれるこのバレエコンクールのことは昔から知っている。

過去には熊川哲也さんと吉田都さんが優勝していた。日本人はピアノやヴァイオリンのコンクールではよく栄冠を手にするが、歴史的にまだ差のあるバレエで才能が認められるというのはスゴイことではなかろうか。

このコンクールの上位入賞者は世界の有名バレエ学校へ1年間無料で入団できるらしいが、菅井さんはイギリスのバーミンガム・ロイヤル・バレエ団を希望しているようだ。

ところで、バレエの世界ではどこが最もいいのだろう?ロンドン・ロイヤル・バレエ団が一番?熊川さんはかつてここに所属していたはずだが。

現在は美術鑑賞に多くの時間を割いていて、クラシック音楽やオペラを楽しむことが少なくなっているが、以前は収録ビデオを頻繁に聴いていた。そのなかにはバレエも入っており、ベルリオーズの‘幻想交響曲’とかチャイコフスキーの‘くるみ割り人形’、‘眠れる森の美女’、‘白鳥の湖’をいい気持ちでみていた。

そのとき特別に魅了されたダンサーがいる。シルヴィ・ギエム、そのしなやかな体の動きと豊かな表現力はとにかく群を抜いていた。いつかこの人のバレエをみたいと思っていたのだが、美術のほうへの関心が強まったのでその思いはだんだん細くなってしまった。

毎日散歩をしているが、昨年の夏頃明らかにバレエをやっている中学生と小学5,6年生くらいの姉妹2人によく出会った。レッスンの帰りなのだろうが、体型や歩き方がいかにもバレリーナという感じ。お姉ちゃんがとくに可愛く素人目にもこの子の踊りは人の目を惹きつけるように思われた。この子たちも今菅井さんの快挙を目を輝かしてみているにちがいない。

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2012.02.05

岩佐又兵衛の‘山中常盤物語絵巻’ 3月MOAで全巻公開!

3500_2     ‘山中常盤物語絵巻’(重文)

3501_2     ‘浄瑠璃物語絵巻’(重文)

3502_2     ‘堀江物語絵巻’

今年前半に行われる日本および中国美術関連の展覧会には毎月とぎれることなくビッグな作品が登場する。1月は‘清明上河図’、2月は国芳の浮世絵。そして、今ワクワクしながら待っているのが3月の熱海のMOAで展示される岩佐又兵衛の‘山中常盤物語絵巻’。

今年が開館30周年となるMOAではこれを記念して所蔵する名品が1年かけてどどっとでてくる。なかでも特筆ものは岩佐又兵衛(1578~1650)の絵巻物。展示の内容は次のようになっている。
★‘山中常盤物語絵巻’ 3/3~4/4
★‘浄瑠璃物語絵巻’   4/6~5/9
★‘堀江物語絵巻’    5/11~6/5

‘山中常盤’は12巻全部が公開されるのは03年の秋以来のこと。長らく待ったがようやくみることができる。04年千葉市美であった‘岩佐又兵衛展’にこの絵巻もでてきたが、展示されたのは残念ながら第3巻のみ。この回顧展のあとみた映画やMOAが作った図録により物語がどのように絵画化されているかは頭に入ったのに、本物はなかなか姿をみせてくれなかった。

今回‘浄瑠璃‘と‘堀江’(ともに12巻)が連続して展示されるが、これは開館記念展以来30年ぶりのことだそうだ。こちらは鑑賞済みなのでパス。

3月~6月に開かれる展覧会でみられる作品で頭のなかを占領しているのは、
★曽我蕭白の‘雲龍図’:ボストン美 日本美術の至宝 (東博 3/20~6/10)
★雪舟の‘山水長巻’:毛利家の至宝 (サントリー美 4/14~5/27)
★尾形光琳の‘八橋図屏風’:KORIN展 (根津美 4/21~5/20)

対面を楽しみにして開幕を待ちたい。

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2012.02.04

プロ野球キャンプ 注目は日ハム斉藤祐樹の成長!

3499プロ野球はキャンプがはじまった。

一度はTVの報道ではなく現地でみてみたいと思うのだが、沖縄は遠いからなかなか実現しない。

今年は新監督が4人、セリーグの高木(中日)、和田(阪神)、中畑(横浜)、そしてパリーグの栗山(日ハム)。

元気がとりえの中畑がインフルエンザでダウンしたのでは様にならないが、これはチームの前途多難さを暗示しているかもしれない。

高田GMは肩書きだけはエラそうだがいい選手をどれだけ獲得したの?という感じ。
DeNAは新規にプロ野球に参入したというのに戦力補強費をケチり外人助っ人選手が下り坂のラミネスだけというのでは期待値を大きく下回る。地元だから応援したいが、この戦力では今年も最下位からの脱出は難しそう。

中日は往年の名選手高木守道(70歳)が二度目の指揮をとる。大リーグブレーブスにいた川上憲伸を復帰させ、楽天から山崎を入団させた。地元のファンが喜ぶ選手がいるのはいいこと。プロ野球は興行なのだから、毎年優勝しなくてもAクラスにいておもしろいゲームを精いっぱいやってくれればそれで充分。天邪鬼落合のようにファン感謝デーにもでてこない男が監督をやるよりはOBが指揮をとるほうがよっぽどいい。

今年注目している若手の投手は4人いる。3月に里田まいと結婚する田中マー君(楽天)、斉藤祐樹(日ハム)、ロッテの新人左腕藤岡(東洋大)、沢村(巨人)。

斉藤祐樹は昨年は6勝しかできなかったが、今年は10勝以上はすると思う。体力を強化していけば、メンタルは強いから二桁の勝ち星はあげられる。今はマー君が一歩も二歩もリードしているが、そのうち追いつく。沢村もすごい才能をもった投手。そしてロッテの藤岡も逸材。ダルビッシュはいなくなるが、投手ではこの4人がプロ野球を盛り上げるのではなかろうか。

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2012.02.03

日本の美 椿! 御舟 麦僊 古径 靫彦の共演

3495_3     速水御舟の‘名樹散椿’(重文 1924年 山種美)

3496_4     土田麦僊の‘春’(部分 1920年 講談社野間記念館)

3498_2     小林古径の‘椿’(1933年 敦井美)

3497_2         安田靫彦の‘紅白椿’(1964年 滋賀県近美)

‘日本の美’シリーズはこれまで季節にあわせて桜、紅葉、梅をとりあげてきた。4回目は今が見ごろの椿。

梅や桜は花が咲く頃には散歩の途中でも出くわすが、椿はあまり縁がない。10数年前当時住んでいた広島からクルマを走らせ萩へ行ったとき、椿の名所にも寄った。見ごろの時期としては終わりかけていたので花は半分くらい落ちていたが、赤や白の椿を楽しむことができた。が、それからあとの冬は生の椿をみたかな?という感じですごしている。

近代日本画で椿の絵というとすぐ思い浮かぶのは速水御舟(1894~1935)が描いた‘名樹散椿’。それまで御舟は徹底した写実で日本画に新風を送っていたが、この絵では一転して琳派にみられるような装飾性の強い描き方で椿の美しさを表現している。緑の草地に落ちている紅白の花びらをみていると、ボッティチェリの‘ヴィーナスの誕生’でゼフュロスが吹き散らす花々が目の前をよぎる。

東京の美術館では山種のほかにもうひとついい椿の絵がみられるところがある。それは目白の講談社野間記念館。ここに土田麦僊(1887~1936)の‘春’がある。この大きな絵に大変魅了されている。

画像は左端の扇を除く3扇だが、真ん中に描かれた母と女の子の右に印象深い椿が描かれている。花に囲まれた母子の表情はとても穏やかでまるで西洋画の聖母子像をみているよう。

小林古径(1883~1957)と安田靫彦(1884~1978)の椿の絵も心をとらえて離さない。余分なものを描き込まず濁りのない鮮やかな赤や白で椿の美しさを際立たせている。こういう絵が家にあったらどんなにか心が安らぐことだろう。

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2012.02.02

アートに乾杯! 文字がモチーフになった絵

3492_3               歌川広重の‘命’(1848~54年)

3491_2     歌川国芳の‘浮世よしづ久志’(1847~48年)

3493_2        歌川国芳の‘忠義重命軽’(1842年)

3494_2     クレーの‘死と浄化’(1940年 パウル・クレー・センター)

数多くでかける展覧会のなかにはときどきすごく新鮮な絵と遭遇することがある。昨年3月、府中市美で開催された‘江戸の人物画’展にそんな絵があった。

作者は風景画を得意とする歌川広重(1797~1858)。縦長の掛け軸に描かれているのは漢字の‘命’と二人の女。命という字は柱のように物体化され、女が鉋(かんな)と手斧(ちょうな)で削ったり、切ったりしている。浮世絵にこんな絵があったというのが驚き!絵の意味は世の男たちの女遊びにたいする警鐘、女にあまり入れ込みすぎると命を削ることになるよと戒めている。

この漢字がずっと胸に突き刺さっていたが、森アーツセンターで行われている‘歌川国芳展’でも同じような絵がでてきた。広重と同じ年に生まれた国芳(1797~1861)は‘よし’というひらがなを画面の中央に濃い墨で蛇のように描いている。長くのびた‘し’のところに腕組みをして座っている男をとても不思議な感覚でみてしまう。

ここに描かれているのは‘よし尽くし’、子どものいる右上は‘きげんがよし’と‘中がよし’、左下のそろばんをいれている男は’くら入よし’、その横で手をあげ笑っている男は‘うんがよし’

国芳にはもう一枚おもしろい絵がある。みたらすぐその意味がわかる‘忠義重命軽’。この絵は3年前太田記念美であった‘ベルギーロイヤルコレクション展’で公開された。‘忠’や‘義’はいかにも重いという感じなのに対し、‘命’のなんと軽いこと。義士は指でつまむようにしてもっている。

西洋絵画のモチーフとしての文字がでてくる絵ですぐ思いつくのはピカソの新聞コラージュとクレー(1879~1940)の絵。クレーの作品には‘R’とか‘E’がでてくるが、最晩年に描かれた‘死と浄化’の文字の描き方は国芳の‘忠義命’タイプ。死を意味するドイツ語‘TOD’が2回描かれている。左の‘T’‘O’と白い顔の形をした‘D’、そして顔のなかの目や口が‘TOD’になっている。

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2012.02.01

アートに乾杯! アーティストは文字で遊ぶ

3487_2     歌川国芳の‘猫の当字 ふぐ たこ’(1842年)

3489_2     朝鮮の民画‘文字絵 禮 孝’(19世紀 日本民藝館)

3490_2            朝鮮の民画‘文字絵 禮’(19世紀 倉敷民藝館)

3488_2       芹沢銈介の‘喜の字’(1950年代)

世の中には猫が大好きという人が沢山いる。歌川国芳(1797~1861)も筋金入りの猫好き。国芳は猫にかこまれて暮らしていたようで、家には猫の仏壇まであったという。

だから、国芳の戯画のなかには猫がいろいろでてくる。‘猫の当字’シリーズもそのひとつ。全部で5つある。‘ふぐ’‘たこ’‘かつを’‘うなぎ’‘なまず’。‘たこ’は8匹の猫の体で表されているが、‘ふぐ’はよくみると‘ふ’の真ん中には正面向きのふぐをもってきている。

猫の体はまるくなったりおもいっきりのばしたりとその姿は猫百態ブックをみている感じ。若冲の頭のなかに毎日観察していた鶏の動きがすべてインプットされていたように、猫をこよなく愛していた国芳の目にも柔らかい猫の体がやきついていたのだろう。

では、国芳はこの嵌め絵をどうやって思いついたのか?これは19世紀朝鮮で描かれた民画の文字絵を参考したのだと思う。別にもとは朝鮮のものでも全然かまわない。この猫の当字は国芳によって洗練された芸術のかたち。西洋画の技法でも朝鮮の絵でも貪欲に吸収して、国芳はみる者を楽しませる作品に仕上げる。国芳のアーティスト魂はかくも自由でエンターテイメントの精神にあふれている。

民画の文字絵‘禮 孝’は文字の一部に亀や魚が使われ、墨の太い線のなかにモチーフが装飾されている。もうひとつの‘禮’は文字を形づくっている線が画面になり、そこに人物や動物、草木、家、山々が描かれている。こうした文字絵を日本民藝館ではじめてみたときは思わず目が点になった。こんな発想があったのか!新鮮な刺激だった。

芹沢銈介(1895~1984)はこの文字絵にヒントをえて洒落た飾り文字をつくった。‘喜’のなかには縁起の良いもの、松竹梅、鶴、寿の文字、糸巻き、反物、市松文様などが描かれている。

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