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2012.01.06

一生の思い出 ‘清明上河図’!

3405_2     ‘清明上河図’(部分 北宋時代・12世紀)

3404_2     ‘水村図巻’(元時代 1302年)

3406_2            ‘出水芙蓉図冊’(南宋・13世紀)

3407_2     ‘乾隆帝大閲像軸’(清時代・18世紀)

東博で1/2からはじまった‘北京故宮博物院 200選’展(1/2~2/19)をみてきた。お目当ては誰しも心がはやる中国美術の至宝中の至宝、‘清明上河図’(せいめいじょうかず 展示は1/24まで)。

昨日、みどりがめさんからとても有難い情報が入ってきた。10:15の時点でこの‘清明上河図’の待ち時間が210分とのこと、開館直後の9:35では70分だったそうだから、40分の出足の差がこんな長い待ち時間になっている。今日出かけることは決めていたが、東博に着くのはみどりがめさんと同じくらいの時間をアバウト考えていた。

いい情報をもらったので9時東博着で出動した。ほぼ予定通り9:05に門の前、まあこれくらいの列だったら上出来という人数、それから10分経ち同じくらいの数のチケットを持っている人の列ができた。当日のチケットを買う人は発売所が9:30でないと開かないから、この列に入れない。

9:25に門が開き、誘導係りに先導されてゆっくり進む。平成館は9:30にオープン。
10分くらい待って入館できた。そして、早足で前の人に続いて‘清明上河図’が展示されているところへ。ここからは2列になって5mの図巻との対面を待つ。1列になり巻のはじめにたどりついたのは10:15ころ。

ざっと待ち時間を整理すると、
9:05着→45分(館がオープンしてから)
9:15着→90分
9:25着→135分

これは平日の話だが、開館の時間あたりで入っても2時間待ちというまったくスゴイことになっている。明日からは9日が休みだから連休。8日の日曜美術館でこの絵が取り上げられるとさらに大勢の人が押し寄せるだろう。待ち時間をすこしでも少なくするためにはやはり、朝早く開館前にチケットを握り締めて並ぶしかないかもしれない。

絵の前ではどんどん進んでくれといわれるので細部を単眼鏡で頻繁にみるというわけにはいかない。画面はところどころ木々の緑が残っているところはあるが、全体としては土褐色で細部はみずらい。しかも、時間があまりないからあそこもここも集中してみれないので、どこをしっかり見るかを事前に決めておくほうが後で記憶によく残る。

2列で待っているとき、右の壁に図巻がどういう構成になっているのかを解説した同じ大きさのコピーがある。だから、まずこれを頭に入れておく。そして左の4つある映像モニターから流れてくる図巻の具体的な場面を目にやきつける。しかし、モニターの画像は拡大されているので、絵の前にくるとひとつかふたつが目にとまればいいほう。

‘清明上河図’の有名な場面は真ん中あたりの‘虹橋’。橋にいる大勢の人をみて浮世絵に描かれた‘両国橋の花火見物’を思い出した。橋にさしかかる船の上で水夫たちが大声で叫んでいるのが聞こえてくるよう。動きのある構図で人々の喧騒ぶりを見事にとらえている。この絵をみれたのは一生の思い出になる。

ほかの絵画で魅せられたのは静寂さが漂う情景が日本人の心情に合う‘水村図巻’、最後にでてくる波頭の描写が光琳や抱一の絵を思い出させる‘長江万里図巻’、精緻な筆使いが心を打つ図冊の‘出水芙蓉’、‘蛛網擒猿’、そして‘乾隆帝大閲図軸’。‘乾隆帝’の肖像画は1992年東京都美でみたのだが、絵の大きさはすっかり忘れていた。見てのお楽しみ!

この度はすべての美術品をしっかりみるのには相当なエネルギーがいる。絵画のほかにも書、陶磁器、彫刻、工芸など盛り沢山。でも、30年に一度の大展覧会だから目に気合をいれてがんばった。中国美術のすばらしさを再認識したので、いつか北京の故宮博物院を訪問してみたい。

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コメント

いづつやさん、こんにちは。

もう行かれたんですね!
タイミング良く お知らせ出来たので、嬉しいです。

自分も度胸を決めて、早く見に行きたいです。

投稿: みどりがめ。 | 2012.01.08 00:37

to みどりがめさん
現場レポート、大変助かりました。お陰さまで
45分の待ち時間でみることができました。
本当にありがとうございました。

9:05に列に並んで10分経つともう同じ
くらいの列ができたのにはびっくりしました。
みどりがめさんが行かれた前日より混んできた
感じです。今日の日曜美術館で取り上げられま
したから、早めの出動のほうがよさそうですね。

絵の前では立ち止まることができませんので、
目の力の入れ方に強弱をつけられたほうがいい
かもしれません。

クライマックスの真ん中の虹橋、その下の船の
水夫の勇ましい姿、水面のうねりをがっとみて、
つぎは最後の城門前後の人の賑わいを神経を
集中させてみる。洛中洛外図をみる楽しみに似
てます。

もし、単眼鏡をお持ちでしたらせかされても数回
ならOKでしょう。

投稿: いづつや | 2012.01.08 12:24

これはいつ行くかですね。
夜間開館日でも混雑しているでしょうね。
何しろ中国人や外国人が多いと聞きますけどいかがですか?
外国の人は急かされても馬耳東風ではないですか?
因みにみおわるまで、全ての展示をですね、どのくらい時間見ておけばいいですかね。

投稿: oki | 2012.01.08 22:46

to okiさん
館内では中国語をよく耳にします。いつもの特別展
とは明らかに入館者の構成はちがいます。

清明上河図以外の美術品は私の場合一時間で充分
です。ズバリいっちゃうと、やきものは期待はずれです。
92年のとき出品されたものとくらべると数は少なく
、驚くほどの名品はありません。92年を10点とすると
今回は3点です。

絵画は‘水村図巻’と‘乾隆帝’は一見の価値はあり
ますが、ほかの水墨画はそれほど惹きこまれません。
このくらいの作品なら東博のコレクションにもあります
。青銅器も根津美にあるほうが断然いいです。

清明上河図を出品するのでほかはこれで我慢して、と
いう感じですね。‘ラミューズ 世界の美術館 北京
故宮博物院’(93年)に載っている自慢のお宝41点
のうち今回出品されているのは2点しかありません。
このことはチラシでわかってましたから、清明上河図
をみたあとはすいすいと進みました。

ですから、この展覧会は清明上河図がすべてです。でも、
この5mの図巻は全体が土褐色ですから、日曜美術館が
拡大図でみせていた人々の生活風景は実際にはみずらい
です。しかもゆっくりみれませんから全部を目に焼きつ
けるのは無理です。

このため、本文でご案内したように全神経を集中して
みるところをきめておいたほうがいいと思います。それは
虹橋のところです。こんなチャンスは滅多にないことです
ので、心の準備をして対面したほうが絶対いいです。
どうかお楽しみ下さい。

投稿: いづつや | 2012.01.09 20:48

いづつやさん、こんにちは。

「清明上河図」見て来ました!

木曜夕方4時、先に他の展示を見ました。ソワソワして、集中出来ませんでした。(笑)

それから並ぶこと2時間。

中腰で蟹歩きしながら、目に力を入れて見ました。いづつやさんのアドバイスが役立ちました。

個人的に橋の下の魚が見たかったんです。しかし、その部分がチラシを見ても分からず。。

直前のパネル紹介で、場所が分かりました。
虹橋だと思っていたら、最後の方でした。

予想以上に細かくて、現代の作品と言ってもいい程 綺麗で驚きました。

並んだことも含めて、自分も一生の思い出になりました。

投稿: みどりがめ。 | 2012.01.20 06:35

to みどりがめさん
清明上河図、昨日は2時間待ちでしたか。
実際の画面は小さかったというのが実感では
ないでしょうか。

そこにまあ、何人描かれているの?という
ぐらいいっぱいいますね。この細かな描写に
感激しますね。こんな生き生きとした風俗画
が12世紀のはじめに描かれていたというの
がスゴイです。

じつは今日二度目の鑑賞に行ってきました。
1/6のときより30分早く出動し8時半に
並びました。この作戦がうまくいき、絵の前
に立ったのは前回と同じ10時15分ころで
した。

見終わった10時30分の時点での待ち時間は
なんと240分。やはりスゴイことになって
ます。

投稿: いづつや | 2012.01.20 17:05

いづつやさん
2度目行ったなんてさすがですね。
私は18日(水)に行ってきました。
8時に正門前に並んだ時には既に35-6人並んでました。
ご対面は開場から15分くらい待ち9:45くらいでした。
友人も含めみなさんのご報告でわりとスムースに見れました。≪清明上河図≫の他に印象に残ったのは黄庭堅の≪草書諸上座帖巻≫ です。
いづつやさんこんどは北京へとおっしゃっていたけれど、台北の故宮博物院が未だでしたらぜひいらしてください。
私はずいぶん前に北京、そしてそのあと3回ほど台北に行きましたが台北の文物のほうが断然すばらしいです。1年に1回くらいは行きたいと思っているくらいです。青銅器、陶磁器、玉器(玉壁も今回のものより遥かに美しいものがあります)そして硯などどれもこれも見ごたえがあります。

投稿: Joyce | 2012.01.21 00:02

to Joyceさん
清明上河図のような情報が詰まった作品を
じっくりみれないのは心残りなので、再度
みてきました。隣に並んでいた40代の女性
は岩手の八戸の方でした。全国からこの絵を
みるためにやってきているのですね。

昨日は寒かったですから外に1時間も立って
いるのはキツかったですが、前回よくみれな
かったところを目の中にしっかり入れました
から、満ち足りた気分です。

台北の故宮は一度時間をかけてじっくりみま
した。仰るようにやきもの、玉、珍玩など感動
の度合いは北京より圧倒的に大きいですね。

Joyceさんと思いは一緒で毎年でかけたい
くらいですが、今は西洋美術のほうをひとつ々
仕上げていこうという作戦なので、ヨーロッパ
の美術館を優先してまわってます。

新しい故宮はまだ行ってないので、そろそろ
かなとも思ってます。

投稿: いづつや | 2012.01.21 11:03

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