ベルギー王立美術館の忘れもの!
ルーベンスの‘エレーヌ・フールマンの肖像’(1630年代)
デルヴィルの‘悪魔の宝物’(1895年)
海外の美術館を訪問するときはお決まりのルーチンとして、画集や美術館本(例えば、図録や週間世界の美術館など)をもとに必見作品リストを入念につくることにしている。お目当ての美術館へそう何度も行けるわけではないから、あとでこんないい絵があったのか!ということがないようにするためである。
そしていざ現地へ出向くとこのリストに載っている作品が上手い具合に姿を現してくれることもあれば、部屋が工事でクローズ中とか他館へ貸し出されていて残念な思いをすることも多々ある。11月に訪問したオランダとベルギーの美術館でまったく予定が狂ったのがベルギー王立美。こんなはずではなかったという絵がいくつもある。
古典絵画で痛かったのはルーベンス(1577~1640)の‘エレーヌ・フールマンの肖像’。05年のときふられ、今回も展示室が工事中で会えなかった。そのショックを12月中ひきづっていたが、年が明けてルーベンスに関して嬉しいニュースがはいってきた。
国立新美でこの秋‘リヒテンシュタイン美展’(10/3~12/23)が開催されるというのである。公開されるコレクションのなかには‘いつか行きたい美術館’シリーズでとりあげたルーベンスの‘クララ・セレナの肖像’(拙ブログ10/7/23)が入っている!この美術館の一番のお宝であるルーベンスの作品を十数点展示するのだからスゴイ。国立新美は今年も快調、本当にすばらしい。
近代絵画でダリの‘聖アントニウスの誘惑’とともに◎をつけていたのがデルヴィル
(1867~1953)の‘悪魔の宝物’。これは息をひそめてみたくなる絵、クリムトの金魚の絵同様心がザワザワする。ダリの絵とこの絵はあきらめるわけにはいかない。いつかリカバリーしたい。
クノップフ(1858~1921)は‘見捨てられた町’と‘マルグリット・クノップフの肖像’に期待していたがダメだった。クノップフの静謐な画面は6歳まで住んでいたブルージュの寂れた光景が影響しているといわれているから、‘見捨てられた町’をみたかったのだが、でもブルージュのグルーニング美で救われる絵があった。それは‘秘密・反映’。下の部分にクノップフの心に死都として刻みこまれたブルージュが描かれている。
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