« 西洋画・日本画比較シリーズ! フェルメール VS 喜多川歌麿 | トップページ | アートに乾杯! アーティストは文字で遊ぶ »

2012.01.31

アートに乾杯! 芦雪と国芳がみせる大小対比の妙

3483_2     

3484_2     長澤芦雪の‘白象黒牛図屏風’(1789~99年)

3486_2     歌川国芳の‘宮本武蔵と巨鯨’(1848~54年)

3485_2     歌川国芳の‘朝比奈小人嶋遊’(1847~52年)

画家の才能についてよくいわれることがある。‘デッサン力は鍛錬をつめばそこそこ腕はあがるが、色彩感覚と構図はもって生まれた才能、努力して上手くなるものではない’ やはり天はごく限られた人間にしか芸術の才能は授けない。

現在、森アーツセンターで行われている‘歌川国芳展’(2/12まで)は後期も大勢の人を集めているようだ。国芳(1797~1861)の展覧会が楽しいのはいろんなタイプの絵がみられるから。人物画は密度の濃い武者絵があり、役者絵や美人画も揃っている。そして北斎や広重とは違った魅力のある風景画。さらに楽しいのは戯画の数々。

大半の浮世絵はそれほど大きくない画面に描かれたものだが、なかには3枚続のワイドスクリーンがある。国芳のワイド画面が見ごたえがあるのは3枚全部を使って対象がドーンと描かれているから。大きな生き物の代表格、鯨が現れ、巨大な鯉や骸骨が画面を占領する。

こうした圧倒的な迫力をもつ構図を生み出しているのが国芳の類希な想像力。‘宮本武蔵と鯨’のように大きな鯨をより大きくみせるために小さな存在である宮本武蔵を背中に描くという発想は並みの絵師の頭からはでてこない。

国芳以外でこの大小の対比の妙をみせてくれるのは長澤芦雪(1754~1799)の‘白象黒牛図’(プライスコレクション)しかない。時期的には芦雪のほうが早い。白象も黒牛も背中の一部が屏風をはみ出しており、黒カラスと可愛い子犬はその大きさを印象づけている。芦雪と国芳の頭のなかでは視線は同じような動き方をしていたのだろう。

そして究極の大小対比は国芳のガリバー画、‘朝比奈小人嶋遊’。頬杖をつき横たわる巨人朝比奈の前を小人の大名行列が珍しいものをみるような顔をして進んでいる。貪欲に西洋画の技法を吸収した国芳は皆があっと驚くような日本版ガリバーを創作してみせた。まったくスケールの大きな絵師である。

|

« 西洋画・日本画比較シリーズ! フェルメール VS 喜多川歌麿 | トップページ | アートに乾杯! アーティストは文字で遊ぶ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アートに乾杯! 芦雪と国芳がみせる大小対比の妙:

« 西洋画・日本画比較シリーズ! フェルメール VS 喜多川歌麿 | トップページ | アートに乾杯! アーティストは文字で遊ぶ »