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2011.12.24

アントワープの収穫 ブリューゲル作‘悪女フリート’!

3350_3     ブリューゲルの‘悪女フリート’(1562年)

3349_3     ‘悪女フリート’(部分)

3347_3        ノートルダム大聖堂を背にして立つルーベンス像

3348_3       ルーベンスの‘キリスト降架’(1612年)

ブリューゲルの3点あるボス風の絵を全部みるのが長年の夢。‘反逆天使の転落’(ベルギー王立美)、‘死の勝利’(プラド美)をこれまで鑑賞し、最後に残っていたのがアントワープのマイヤー・ファン・デン・ベルフ美にある‘悪女フリート’。

ボス、ブリューゲルの絵の全点鑑賞を夢見ているから、‘悪女フリート’は古典絵画ではファン・エイクの‘ファン・デル・パーレの聖母子’同様最も心を寄せていた絵。でも、アントワープにいるのは2時間、名所観光をパスして美術館へ向かったとしても予定の時間に皆さんがいる昼食のレストランに無事合流できるかどうか、一抹の不安はある。

それを優しいミューズがうまく段取りしてくれた。レストランは川沿いの駐車場からすぐのところにあったから、迷う心配がなくなった。で、早足でマイヤー・ファン・デン・ベルフ美をめざした。この美術館がある場所については‘るるぶ情報版 オランダ・ベルギー’(JTBパブリッシング 10年2月)に載っているが、名所案内とししては取り上げられてない。

ノートルダム大聖堂から東南方向に600mくらいのところだから、10分くらいで着いた。開館は10時からなので、すこし待って入館。ここは邸宅美術館、作品が展示されている4つ部屋をまわるとそれで終わり。ブリューゲル(1526~1569)と息子たちの絵がある部屋だけで充分といった感じ。

ブリューゲルの絵はお目当ての‘悪女フルート’と‘12の諺’の2点。‘悪女フリート’で最も目に焼きつくのは左の人間の顔からつくられている地獄の入り口(拡大図で)。眉毛はよくみると取っ手のついた壺、そして睫が板、これは笑える。額のほうへ目をやると城壁になっている。ブリューゲルの怪奇ワールドもボスに劣らずとても刺激的。

また、悪女フリートの斜め上のところにいる奇妙な組み合わせになっている横向きの人物にも目がすーっと寄っていく。足をのばして腰をおろし、背中に舟を乗せている。画像ではみえにくいが、卵のような形をしたお尻から大きなしゃもじで金をかき出している。

さて、画面中央を大またで横切る主役のフリートは一体何者?この老婆は亭主を亭主とも思わない強持て女房。口やかましい悪妻の象徴として描かれている。その格好がおもしろい。鉄兜をかぶり手には剣をもち、金銀の容器やありふれた日用品をもちじゃらじゃらさせている。時間があればもっとみていたいが、次は今年開館したMASミュージアムが待っているので、きりのいいところで館を後にした。

途中、フルン広場に立つルーベンス像の横を通りすぎ、今頃皆さんはノートルダム大聖堂のなかでルーベンス(1577~1640)の最高傑作‘キリスト降架’をながめておられるだろうなと思いながら、雨の中MASミュージアムへ急いだ。

今日はクリスマスイブ、‘フランダースの犬’の主人公ネロ少年もこの聖堂で月の光に照らし出された‘キリスト降架’を目に涙をいっぱいためてみた。そして、愛犬パトラッシュとともに天に召された。

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