ゴッホ美ではプラスαが見逃せない!
ゴッホ美のお楽しみパート2は4階にあるゴーギャンやロートレック、モネ、ルドンらの絵。そのなかのお気に入りの絵をいくつか。
ここのゴーギャンコレクションは何点あるか正確には知らないが、今回は初見の2点を含めて4点展示されていた。ゴーギャン(1848~1903)がアルルで描いた‘ひまわりを描くゴッホ’はなぜかこれまで縁がなかった。貸し出しの時期にぶちあたったか、ローテーションが合わなかったかどちらかだろう。
理由がわからないのだが、この絵だけガラスケースに入っている。花瓶のひまわりとそのむこうのキャンバスとゴッホの体がちょうどV字となっており、絵筆を持った右腕の背景は下からうす青、黄色、緑の色面で構成されている。奥行きのないこの平面的な画面構成がゴーギャンの絵の特徴。ほかの絵にみられる赤がないので、色彩的にはおとなしい。そして、ゴッホの表情はどこかどろんとした感じ、この絵をみたゴッホは激昂し‘これはたしかに私だ、しかし気が狂った私だ’といったという。
ゴッホより10歳年下のロートレック(1863~1935)は2点。ゴッホを横向きに描いたものと22歳のころつきあっていたヴァラドンがモデルの‘テーブルのそばの若い女性’。ロートレックの油彩人物画に魅せられているが、娼婦たちを描いたものだけでなくカルメンやこのヴァラドンを描いたものもなかなかいい。
クレラー=ミュラー美もゴッホ美もどういうわけかルドン(1840~1916)の絵をいくつも所蔵している。展示してあったのは‘目を閉じて’や‘仏陀’など6点。必見リストに載せていたのは前回みれなかった‘輪光の聖母’だったが、運悪く姿をみせてくれなかった。
ルドンは50歳のころそれまでの黒色の怪奇な世界と決別し、目を閉じた女性というモチーフをくりかえし描き静けさのあふれる瞑想的な世界を表現するようになる。モデルは妻のカミーユ。
04年、ここを訪れたときサプライズの絵に遭遇した。それがドンゲン(1877~1968)の‘画家の妻の肖像’、以来この画家の作品をみるのが楽しみになった。ドンゲンがゴッホの色彩に大きな影響を受けたことはこの絵をみればよくわかる。背景の目の覚めるような赤と衣服の青の鮮烈な対比が目に焼きつく。
この絵の隣にも初見のいい女性画があった。これは大収穫。その感動を記憶にとどめるためミュージアムショップで絵葉書を買い求めようとしたが、用意されてなかった。
残念!手に入ったら紹介できたのに。
クレラー=ミュラー美とアムステルダム国立美については、1/2から書きます。
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