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2011.12.19

詩的で不思議なマグリットワールドに魅せられて!

3330_3     ‘シェヘラザード’(1948年)

3327_3     ‘帰還’(1940年)

3328_4     ‘宝島’(1942年)

3329_3         ‘グラスの浴槽’(1949年)

シュルレアリストのなかで生涯つきあおうと思っているのはダリ、ミロ、マグリット、デルヴォー。とにかくこの4人の作品をみるのがこのうえない楽しみなのである。だから、09年にオープンしたマグリット美を体験したことは夢見気分。

マグリットはダリとは違って描いているものはどれも現実の日常生活でみかけるもの。背景には青い空とそこに浮かぶ白い雲がよくでてくる。‘シェヘラザード’では上から垂れ下がった朱色の大きな布の合間にお馴染みの空がみえる。これを背にして中央にガラスのコップ、左端には鈴。ここまでは心はザワザワしない。

マジックは二つの間に描かれた荒くれ王に千一夜の物語を話して聞かせる王妃シェヘラザード。宝飾品で飾られたその顔は目と口だけ。右の切られた太い木の幹に視線を移すと、王妃のイメージをより印象づける演出のためか小さな鳥を無数に宙に舞わせている。

‘帰還’は02年Bunkamuraで開催されたマグリットの回顧展にやって来た。この絵は‘光の帝国’と同様、気持ちよくみられる。確かに切り絵のような鳥をみていると空の中に鳥がいるのか、鳥の中に空があるのか、だまし絵をみている感覚になる。でも、この大きくはばたく鳥とその真下にある巣の中の卵の組み合わせは違和感を感じようがないから心地よくながめていられる。おもしろいもので真昼の空と夕刻の空が同居していることがかえって郷愁をそそる。

葉っぱと鳥の羽や胴体がダブルイメージになっているシリーズは3点あった。この‘宝島’は初見の作品。マグリットのダブルイメージはダリの描くものにくらべると骨太で濃密な感じがする。この絵の隣にフクロウが5羽描かれたものがあったが、強いイメージで迫ってきた。

足をとめてしばらくみていたのが‘グラスの浴槽’。誰しもどうしてあの大きなキリンがグラスの中に入って水を浴びているの?と感じるはず。キリンは川で水浴びをするものなのに、浴槽に入る。それも普通の浴槽ではなく、大きなグラス。キリンの足の長さを考えると縦長のグラスはいいアイデアだが、これは後知恵。普通の頭ではこんな組み合わせは思いつかない。

マグリットは‘私の絵には想像したものは何もありません。現実の世界以外の何ものでもないのです。つまり、ナゾのある世界、ナゾをつつみこんだ現実の世界です’という。マグリットにはなにかの拍子に現実世界の不思議な断面がみえるのだろう。それを豊かな詩心で表現した。不思議な絵だけれど、どこか心が安らぐ。マグリット美に誘ってくれたミューズに感謝!

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