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2011.12.17

バウツの追っかけ画に釘づけ!

3322_3     ボスの‘聖アントニウスの誘惑’(1500~10年 中央パネル)

3319_2     バウツの‘オットー皇帝の裁判’(1470~75年)

3321_2         レンブラントの‘ニコラス・ファン・バンベーク’(1641年)

3320_2        ダヴィッドの‘暗殺されたマラー’(1793年)

ベルギー王立美の見学は1時間ちょっとなので1点々ゆっくりみる余裕はない。で、前回みたものはお気に入りだけに絞ってみた。2点あるボス(1450~1516)は‘キリスト磔刑’がリカバリーだったのにまたもや姿を現してくれなかった。どうも相性が悪い。

画像は三連祭壇画‘聖アントニウスの誘惑’の中央パネル。この絵はリスボン国立美が所蔵する原画のレプリカ。この絵は需要が多かったとみえてボスは12点レプリカ(工房作を含む)を制作している。中央でガウンの女性の傍らに跪きこちらに顔を向けているのが聖アントニウス。

その下の水のところにいる奇怪な様相をした魔物たちに自然に目が寄っていく(拡大図で)。最も惹きつけられるのがへんてこな舟。舟首が魚の頭で尻尾あたりが舟になっている。その右ではゴンドラのような魚の中に閉じ込められた男が手を側面から出している。そして、そこから上のほうに目を移動させると巨大な鼠の背中に赤ん坊を抱いた女がみえる。この女は枯木の幹が胴体と腕になっている。興味はつきないが、時間がないのでほどほどでひきあげた。

今回古典絵画のお目当てはバウツ(1410~1475)の絵。この絵を知ったのは2ヶ月前BS朝日で放送された‘世界の名画 ベルギー王立美’。鑑賞シミュレーションのつもりで注意深くみていたら、このショッキングな絵が登場した。前回はブリューゲルとボスに心が占領されていたから、名前の知らない画家の絵はまったく記憶に残ってない。

だから、この絵と現地でみる前に遭遇したのはミューズのお導きかもしれない。これは縦3mの大作で、誤審の物語が描かれている。誤審をしたのはオットー皇帝、その妃が悪る女。伯爵が不義を強要したと皇帝に告げるものだから、伯爵は即首を跳ねられた。ムムムーと怒りをこらえるのが伯爵の妻。この場面が左のパネル。時間の経過を表すため異時同図の手法が使われている。

右のパネルは‘火の試練’のタイトルがついている。目が点になるのが右手に夫の首をもち、左手で真っ赤に焼けた鉄の棒を握る伯爵の妻の姿。夫の無実を証明するためには鉄が熱いなんていっておれない。神はみておられる。‘皇帝さん、私の夫はあなたの妻に言い寄ってなんかいませんよ’と無言で圧力をかける。‘わかった、わかった、おい、すぐに妃を捕えて処刑しろ!’と皇帝は非を認める。画面上部では妃が火あぶりにされている。

レンブラント(1606~1669)が描いた豪商の肖像画に強く魅せられている。一緒に描かれた妻の肖像のほうは現在イギリスの王室コレクションとなっている。昨年、ロンドンのクイーンズギャラリーで対面できるかと期待したが、展示されてなかった。

画集に載っている絵で近代絵画を別にするとベルギー王立美の名前がインプットされているのはブリューゲルの絵とダヴィッド(1748~1825)の‘暗殺されたマラー’かもしれない。6年前はじめてこの美術館へ来たとき、このマラーの絵に大きな衝撃を受けた。悲惨な歴史的な事件を強烈なインパクトをもつ絵にして世に問うた画家というとドラクロアをすぐ思い浮かべるが、浴槽で王党派の女に刺殺されたマラーの姿にも息がつまり、緊張感が走る。

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コメント

クノップフの婦人群像‘記憶’と ローテンバックの小説になってるらしい‘死都ブルージュ’の本物が見たいと思いあの広いベルギー王立美術館内を必死でさがしました。会話はできないので写真をみせて‘この絵はどこにあるか?’と数人にききました。エレベーターを昇ったり降りたりの大行脚・・・。結果はむなしくとうとう出会えませんでした・・・。保存のためでしょうか、おそらく一般公開してなかったのでしょう・・・。(むなしい記憶デス・・・)

投稿: Baroque | 2011.12.23 00:37

to Baroqueさん
近代絵画部門が閉鎖中なので、クノップフや
デルヴィルのリカバリーが叶いませんでした。

‘記憶’は前回みれたのですが、‘死都ブル
ージュ’と妹のマルゲリーテの肖像がまたも
ダメでした。なかなか思い通りにいきません。
仰るように常設展示してないのかもしれま
せんね。

ダリ、クノップフ、デルヴィルは諦めきれませ
んので、ベルギーはもう一度行くつもりです。

投稿: いづつや | 2011.12.23 11:04

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