« サントリー美 南蛮美術全開! | トップページ | 明治神宮に近代日本画の名品が集結! »

2011.11.07

ニューオータニ美の‘池大雅展’に感激!

3239_2     ‘瀟湘勝概図屏風’(重文 右隻)

3241_2     ‘東山清音帖・洞庭秋月’(重文)

3242_2     ‘曲江行楽図巻’(部分)

3240_2     ‘洞庭赤壁図巻’(重文 部分)

ニューオータニ美(ホテル内)で行われている‘池大雅展’(10/18~11/20)に大変感激した。作品の数は12点と小規模の回顧展なのだが、このなかには重文が4点あり名品が揃っている。この文人画家の回顧展がみたいみたいと言いつづけているから、ミューズが微笑んでくれたのかもしれない。

今年の後半はここ数年重点鑑賞絵師にしている池大雅(1723~1776)の当たり年。9月、板橋区美の‘実況中継 EDO’展で‘比叡山真景図’(練馬区美 拙ブログ10/9/16)と‘児島湾真景図’(細見美)に出会い、つい先だっても出光美で‘秋社之図屏風’(10/16)など10点が目を楽しませてくれた。

今回は9点が横長あるいは四角の画面。掛軸より屏風や図巻のほうがやはり大雅のあこがれた中国の山々や川の情景をゆったり、そしてしみじみ感じることができる。いずれも墨の調子は穏やかでところどころ薄い色で着色された画面にはやわらかな雰囲気が漂っている。‘瀟湘勝概図’は3年前の‘対決 巨匠たちの日本美術’でもみたが、うす黄色や藍の点描をじっくりながめていた。

‘瀟湘八景’がとてもシンプルに表現された‘東山清音帖’に魅了された。これまで数点みたことがあるが、全部みるのははじめて。お気に入りは‘洞庭秋月’。細い横線で表されたさざ波のなか体を横に倒して笛を吹く男に心が強く揺すぶられる。また、どこか長沢芦雪の絵のような抽象性を感じさせる‘江天暮雪’にも足がとまる。

‘曲江行楽図巻’はペン画風の絵。ここでは俯瞰の視点から四方にながれていく川の景観と川岸を進む旅人や釣り人が描かれている。対象を多く描き込まず空間を大きくとるおおらかな筆使いがなんともいい。

大谷コレクションの目玉のひとつ‘洞庭赤壁図巻’は過去2回みたが、07年に解体修理されたのは知らなかった。久しぶりの対面と思ったら、修理後の初披露だった。左部分の横に広がる緑や青のまるっこい木々とそれに囲まれるようにして建つ家々や楼閣の壁の朱色が目を虜にする。単眼鏡で楼閣の周りを行き交う人々や馬を発見、こんなに小さくよく描けるものである。これほど腹の底から楽しめる風景画はそうない。

|

« サントリー美 南蛮美術全開! | トップページ | 明治神宮に近代日本画の名品が集結! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ニューオータニ美の‘池大雅展’に感激!:

« サントリー美 南蛮美術全開! | トップページ | 明治神宮に近代日本画の名品が集結! »