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2011.11.06

サントリー美 南蛮美術全開!

3235_2     ‘南蛮人渡来図屏風’(左隻 桃山時代 17世紀前期 三の丸尚蔵館)

3236_2     ‘南蛮人渡来図屏風’(右隻部分)

3238_2     ‘泰西王侯騎馬図屏風’(重文 17世紀初期 神戸市博)

3237_2     ‘元和八年 長崎大殉教図’(部分 1626~32年 ローマ・ジェズ教会)

サントリー美では現在、‘南蛮美術の光と影’展(10/26~12/4)が開かれている。じつはこの展覧会はパスの予定だった。それが急遽でかけることになったのは三の丸尚蔵館にある‘南蛮人渡来図屏風’が出品されることがわかったから。

07年ここで‘BIOMBO 屏風 日本の美’展があり、サントリー自慢の‘泰西王侯騎馬図’(重文 通期)や伝狩野山楽の‘南蛮屏風’(重文 10/26~11/14)をはじめ‘レパント戦闘図・世界地図’(重文 香雪美 11/23~12/4)、‘洋人奏楽図’(重文 永青文庫)など有名な南蛮絵画が展示された。だから、この手の絵のヴァリエーションはもういいかなという気分があり、また長いこと追っかけている‘南蛮人渡来図’は今回もでてこないだろうと思っているから開幕していても完全にパスモード。

ところが、ミューズのお告げなのかもしれないがなにかの拍子でHPの出品作リストをクリックしたら、なんと‘南蛮人渡来図’がでていた! 展示は11/14までだから、あやうく見逃すところ。入館するとすぐあった。この屏風の存在を知ったのは99年。この年に出版された‘週間朝日百科 皇室の名宝’に載っていた。以来対面を待ち望んでいたが、やっとみることができた。

この南蛮屏風はほかの例えば、サントリー美にあるものとくらべると人物の描写がずいぶん違う。右隻左隻に何人いるか数えてないが、全体的に胴体と足がやたらと長く顔がとても小さい。この長身がまずインプットされたあと、顔の表情に目をやるとこれがまたおもしろい。

左隻の入港してきた南蛮船の甲板上で生糸の取引しているポルトガル人や日本人の顔はまるっこく穏やかな表情なのに対して、右隻に描かれている上陸したカピタン(総司令官、先頭で日傘をさしかけられている)は威厳をたもつためかしかめっ面をして南蛮寺(教会)に向かっている。

長年の夢が叶ったのでほかの作品は気楽にみた。10何年ぶりにみたのが神戸市博蔵の‘泰西王侯騎馬図’。今回サントリーのものと一緒に展示してある(通期展示)。これは圧巻!この絵の見所は王侯の姿より馬の迫力あるメンチ切り。二つの絵をよく見比べてみると、サントリーの馬のほうが鋭い。

特筆ものの絵が3点あった。それはローマのジェズ教会からやってきた長崎大殉教図(通期)。こんな貴重な絵がみれるとは思ってもみなかった。流石、サントリー。描かれているのは1622年イエズス会士をはじめとするキリシタン55人が処刑される場面。切り落とされた首を息を呑んでみていた。

最後にこのほか有名な絵(いずれも重文)の展示期間をまとめておきたい。
★狩野内膳の‘南蛮屏風’(神戸市博) 11/9~11/21
★‘四都図・万国人物図屏風’(神戸市博) 10/26~11/14
★‘洋人奏楽図屏風’(MOA) 10/26~11/7
★‘泰西風俗図屏風’(福岡市美) 11/16~12/4
★‘聖フランシスコ・ザヴィエル像’(神戸市博) 通期

サントリー開館50周年を記念する特別展だから、南蛮美術に関するものを全部みせますという感じ。南蛮屏風、王侯騎馬図、泰西風俗画、殉教図、世界地図、蒔絵螺鈿の聖餅箱、十字架、踏絵、南蛮胴具足、、、こういう豪華なラインナップの南蛮展はこの先20年はないだろう。

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コメント

こんにちは。「BIOMBO屏風」展を見逃したので、楽しみにしていました。

終わり頃に行くつもりでしたが、こちらを読んだら三の丸尚蔵館の屏風が気になって、友人と出掛けました。(笑)

見られて良かったです!もう1回行くのも楽しみです。

それから目白の学習院大学史料館「是(これ)!」展に行きました。
12月3日(土)まで(正午から午後5時。土曜10時から)
横山大観の「霊峰不二」が展示されていました。
見たことがない作品だったので、思いがけず嬉しかったです。

あと浅草寺で「大絵馬寺宝展と庭園拝観」を12月5日(月)まで開催しています。300円。
(10時から4時。4:30閉館。)
また柴田是真の大きな板絵が展示されていました。
(長々とスイマセン。汗)

投稿: みどりがめ。 | 2011.11.18 02:40

to みどりがめさん
三の丸尚蔵館の南蛮屏風は99年と09年に
あった‘皇室の名宝展’のどちらにも展示さ
れませんでした。

ですから、公開されるのは十何年ぶりだと
思います。三の丸尚蔵館の展示をずっと定点
観測してましたが、ここではなくてサントリー
に登場しました。危く見逃すところで、本当
によかったです。

大観の霊峰不二や柴田是真の板絵もみたいで
すね。情報ありがとうございます。

投稿: いづつや | 2011.11.18 23:57

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