いつか行きたい美術館! サウサンプトン美
バーン=ジョーンズの‘連作ペルセウス 悪魔の頭’(1885年)
バーン=ジョーンズの‘連作ペルセウス ペルセウスとグライアイ’(1877~80年)
バーン=ジョーンズの‘連作ペルセウス 成就した運命’(1884~85年)
バーン=ジョーンズの‘ランスロットの夢’(1895~96年)
サウサンプトンというのはバーミンガムやマンチャスターと比べるほとんど馴染みのない街。海に面しロンドンの南西約100kmのところに位置しているから、ロンドンから特急列車に乗れば1時間半くらいで到着する感じ。
08年、テート・ブリテンのミュージアムショップで手に入れたバーン=ジョーンズ本(テート出版 04年)にここにあげた4点が載っていた。それからというものサウサンプトン美が強く心のなかに刻まれた。バーン=ジョーンズ(1833~1898)はロッセティ同様、その作品に一点でも多く遭遇できることを願っている画家。
1875年、バーン=ジョーンズは政治家バルフォアから自宅の音楽室の装飾を依頼された。そのテーマに選んだのが‘ペルセウスの伝説’。バーン=ジョーンズに魅せられているのはこうしたギリシャ神話や古典文学を題材にして描かれた装飾性豊かな物語絵。
描かれる人物は女性でも男性でもスリム系で目元にはちょっとマニエリスムの匂いがする。そして、その姿は体をひねったり横に曲げたりするポーズや下向きの顔で描かれることが多い。
‘悪魔の頭’は不気味で幻想的な絵、ペルセウス、アンドロメダ姫がみつめる水面にはメドューサの顔が映っている。‘成就した運命’は龍の人身御供として海辺の岩に縛りつけられているアンドロメダ姫をペルセウスが救い出す場面。龍のフォルムがなんとも異様。最初みたとき現代彫刻家がつくるオブジェを連想した。
グライアイはペルセウスが退治にでかけるゴルゴンの姉妹。生まれつき醜い老婆で3人で1個の眼と1本の歯しかもたず、それをかわるがわる使いまわしていた。ペルセウスはこの眼と歯を取り上げ、3人を脅してゴルゴン3姉妹の棲み家へ行く道を聞き出し、一気にそこへ飛んでいく。そして、石のならないようこっそりメデューサに近づき、ヘルメスから借りた剣で首を切り落とす。
ランスロットはご存知、円卓の騎士。サウサンプトンはロンドンから近くバーン=ジョーンズが4点もみれるのだから、時間をやりくりして出かけたい。
| 固定リンク
コメント