好きな食べ物の絵! 葡萄
秋真っ盛りなので、食後に葡萄を食べることが多い。葡萄を食べるときの口の忙しさは蟹を食べるときと似ている。リンゴや梨とはちがって、葡萄はまず皮を剥がさなくてならない、そして食べたあとは種の始末がある。一つの皿に葡萄はのっかっているので、隣の方と分担して平らげる。この間あまりしゃべらない。
広島に住んでいたときは岡山が近かったから秋になるとピオーネが身近な果物になる。甘くて大きいからこれが食後にでてくると幸せ気分。といっても値段が高いから、いつもこればかりというわけにはいかない。普通の葡萄との組み合わせで美味しくいただいた。最近は種無しピオーネの割合が多くなってきたので、食べるペースが少し速くなってきた。
高校生のころジュースというとコカコーラのファンタグレープが定番だった。それが成長するにつれ、このグレープの味の濃さが重たくなってきた。コーラは大学生のころまでは飲んでいたが、グレープジュースはこれより前に嗜好が停止した。今、冷蔵庫に常時あるのはオレンジジュース。
ぶどう狩りは一度山梨県の勝沼で体験した。このときほうとう鍋を食べたりワインを試飲したりしたのも楽しい思い出。果物狩りはやはり、ぶどうとサクランボが一番いい。実が小さいので調度いいくらいに腹が満腹になる。
葡萄の絵で心に響くのは伊藤若冲(1716~1800)。鹿苑寺大書院障壁画に描かれた‘葡萄小禽図’は07年‘動植綵絵’が全点展示されたとき、念願の対面を果たした。若冲はほかにもプライスコレクションに入っている絵など葡萄を4,5点描いている。
柴田是真(1807~1891)の蒔絵額には秋の実りがいっぱい。南瓜、葡萄、梨、柿、そして栗。こういう額が自分の部屋にあったらどんなに心が豊かになることか。
西洋絵画の静物画をみているような錯覚を覚えるのが速水御舟(1894~1935)の葡萄。これは個人蔵、いつかお目にかかりたい。古九谷の鉢にもられた葡萄の絵にとても魅せられる。105歳まで生きた小倉遊亀(1895~2000)がこの絵を描いたのは80歳のとき。惚れ惚れする葡萄の絵である。
| 固定リンク
コメント