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2011.10.02

夢の‘日本美術里帰り展’! 絵巻・風俗画

3133_2     ‘天神縁起絵巻’(13世紀後半 メトロポリタン美)

3132_2     土佐広周の‘天雅彦草紙絵巻’(15世紀中頃 ベルリン国立アジア美)

3131_2     ‘遊楽人物図屏風’(17世紀 ワシントン・フリーア美)

3130_2     ‘文使い図屏風’(17世紀後半 プリンストン大美)

海外に流失した日本美術のなかで日本にあったら即国宝に登録されるお宝が来春日本にやってくる。それはボストン美が所蔵する‘平治物語絵巻・三条殿夜討巻’と‘吉備大臣入唐絵巻’、二つが一緒に里帰りしてくれるのだから盆と正月が一度にやってくるようなもの。最高に嬉しい。

美術本に載っている絵巻でいつか遭遇したいと願っているのはこのビッグな二点のほかにもう二点ある。‘天神縁起絵巻’はメトロポリタン美の図録に入っているが、まだ日本美術コーナーで実際に対面する幸運に巡りあわせてない。常時展示されないのは日本の美術館と同じ。だから、現地を訪れたとしても必ずみれるとは限らない。

これは鎌倉時代にいくつもつくられた天神縁起絵巻の一つで、高僧の日蔵(にちぞう)が地獄の洞窟に入ろうとする場面が描かれている。日蔵は吉野の金峯山(きんぷせん)で修行中に突然亡くなるが、菅原道真の霊に案内されて冥界(六道)めぐりをする。この絵の前に立つ機会があるだろうか。

‘天雅彦草紙絵巻’をはじめてみたとき目が点になった。右では赤鬼が赤い衣装に身とつつんだ娘と話をしている。そして左にも同じ娘が描かれている。その間になにやら虫の大群が斜めに垂れた帯のように地面を動めいている。目を画面に近づけるとこの虫の正体がわかる(拡大図で)。そう、蟻!

蟻たちは何をしているのか?この図版ではでてこないが左端に米倉があり、その米を一粒々上の別の倉に運んでいるのである。この絵巻は長者の美しい娘と天に住む貴公子、天雅彦が結ばれるという七夕伝説を題材にしたもの。天雅彦の父は怖い鬼。この鬼が意地悪をする。二人は一年に一回しか会えないというのに、娘に難題をふっかける。

‘千石の米を一粒残さず別の倉に運んでくれたら、息子との再会を許してやる’。娘を助けたのが蟻、‘さあー、皆で米を運ぶか、こんなの俺たちにとっちゃー朝飯前さ’、やさしい蟻たちだねぇー、エライ。この絵は08年郡山市美で開催された‘ベルリン国立アジア美蔵 日本美術名品展’で里帰りしていた!うかつにもこの展覧会はNOタッチ。惜しいことをした。

海外には気をひく風俗画がいくつかあるが、一度みてみたいのはプリンストン大美とフリーア美にあるもの。フリーアの‘遊楽人物図’は京都の細見美でみたものの別ヴァージョン。登場する人物はともに同じポーズで描かれているが、着物の柄や色とグルーピングされた人物の配置の仕方が異なっている。

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