個人コレクション 夢の傑作選!(19)
可翁の‘寒山図’(国宝 14世紀)
狩野山楽の‘山水図屏風’
国宝に指定されている絵画のうち個人が所蔵しているものは5点。3点みたが、あと2点はなかなか縁がない。ひとつは中国で描かれた徽宗の‘桃鳩図’、もう一点は南北朝時代に生きた可翁(かおう)の‘寒山図’。
長いこと国宝の絵を追っかけているが、幸運なことにリストに残っているのは5点だけになった。その中で見たい度の強いのが中国絵画2点、‘桃鳩図’と‘孔雀明王像’(北宋時代 11世紀)。‘孔雀明王像’は仁和寺にあるので、春秋に開催される特別展をじっと待っておればいつかはみれる可能性がある。
これに対し、個人が所蔵する‘桃鳩図’は80%くらいは夢の絵画。一度この絵にかすったことがある。それは7年前根津美で開かれた‘南宋絵画展’。たしか5日くらい展示されたが、残念ながら日程があわず(当時は広島にいた)対面が叶わなかった。
風流天子といわれた北宋最後の皇帝、徽宗(1082~1135)がこの絵を描いたのは
26歳のとき。桃の枝にとまる鳩の安定感がじつにいい。この傑作の前に立つことを念じ続けている。あと3年経つと前回登場してから10年、そろそろでてきてもいい頃だが。‘寒山図’の展覧会出品情報はまったくない。遠い存在のままで終わりそう。
狩野派の始祖正信(1434~1530)の絵はこれまで国宝の‘周茂叔愛蓮図’(九博)など2,3点くらいしかみたことがない。‘山水図’は画集によく載っている絵だが、個人蔵なので果たしてみる機会があるか。
狩野山楽(1559~1635)は息子の山雪とセットで大きな回顧展が開催されないかとひそかに期待している。妙心寺にある古代中国の人物を画題にした作品などはみているが、とても気になる六曲一双の‘山水図屏風’はまだ遭遇してない。図版だとコンディションはどうかなというき気もするが、一度お目にかかりたい。
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コメント
いづつやさん、こんにちは。
サンリツ服部美術館で幻の国宝、可翁『寒山図』が公開されますね。ニュースを聞いてビックリしました。切手にデザインされているので、親しみがあります。東京でも巡回して欲しいです。
投稿: みどりがめ。 | 2016.06.13 01:34
to みどりがめさん
‘寒山図’は服部コレクションだったのですね!
展示の情報いつもありがとうございます。
展示される7/10~8/2に諏訪湖へクルマを
走らせたくなりました。
投稿: いづつや | 2016.06.13 16:00