夢の‘日本美術里帰り展’! 伊藤若冲
‘葡萄図’(フィラデルフィア美)
昨年末、千葉市美でみた‘ギッター・コレクション展’(拙ブログ10/12/30)は心を大きく揺すぶった。ボストンやフリーア、メトロポリタンのほかにアメリカにこんな質の高い江戸絵画があったとは!アメリカには日本美術に対し深い思い入れをもったコレクターが沢山いることを再認識させられた。
そのなかで一際目を惹いたのが伊藤若冲(1716~1800)。‘白象図’や一度みたことのある‘達磨図’など8点が里帰りしてくれた。一度にこれほど多くの若冲作品が日本にやってきたのは06年東博で公開されたプライス・コレクション(18点)以来のこと。
次にアメリカにある若冲が日本のファンの前に登場するのはいつのことだろうか?ひとつの可能性として頭にあるのは2016年。この年は若冲生誕300年にあたる。おそらく東博、京博あたりが大回顧展を準備しているにちがいない。そのとき里帰りして欲しい作品はもう勝手に決めてある。
ボストン美を08年訪問したときは‘松に鸚鵡図’(08/4/20)が出迎えてくれた。ここには若冲が5,6点ある。気になっているのは初期の作品‘旭日鳳凰図’と墨の人物画‘十六羅漢図’。来年3月、東博で開催される‘ボストン美 日本美術の至宝展’に展示される若冲の情報がまだ明らかでない。どちらかが入っていることを今ミューズに祈っているところ。果たして?
葡萄を描いた絵はこれまでプライスコレクションなど数点みたが、フィラデルフィア美が所蔵するものも是非お目にかかりたい。デンバー美蔵の戯画チックな‘三十六歌仙図’は六曲一双の屏風だが、一枚の絵としては以前愛知県美の木村定三コレクションをみたことがある。
若冲に関して今年いい話が入ってきた。メモしていたものがどこかへ消えたので正確さを欠くかもしれないが、来年(?だったと思うが)、ワシントンのナショナルギャラリーで若冲の最高傑作‘動植綵絵’(三十幅 三の丸尚蔵館)が全点公開される。大日本美術展の目玉として展示されるようだ。これをきっかけにJAKUCHUがアメリカで大ブレイクするかもしれない。
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