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2011.09.30

夢の‘日本美術里帰り展’! 伊藤若冲

3122_2                ‘旭日鳳凰図’(ボストン美)

3123_2                 ‘葡萄図’(フィラデルフィア美)

3124_2     ‘十六羅漢図’(ボストン美)

3125_2     ‘三十六歌仙図貼絵貼屏風’(デンバー美)

昨年末、千葉市美でみた‘ギッター・コレクション展’(拙ブログ10/12/30)は心を大きく揺すぶった。ボストンやフリーア、メトロポリタンのほかにアメリカにこんな質の高い江戸絵画があったとは!アメリカには日本美術に対し深い思い入れをもったコレクターが沢山いることを再認識させられた。

そのなかで一際目を惹いたのが伊藤若冲(1716~1800)。‘白象図’や一度みたことのある‘達磨図’など8点が里帰りしてくれた。一度にこれほど多くの若冲作品が日本にやってきたのは06年東博で公開されたプライス・コレクション(18点)以来のこと。

次にアメリカにある若冲が日本のファンの前に登場するのはいつのことだろうか?ひとつの可能性として頭にあるのは2016年。この年は若冲生誕300年にあたる。おそらく東博、京博あたりが大回顧展を準備しているにちがいない。そのとき里帰りして欲しい作品はもう勝手に決めてある。

ボストン美を08年訪問したときは‘松に鸚鵡図’(08/4/20)が出迎えてくれた。ここには若冲が5,6点ある。気になっているのは初期の作品‘旭日鳳凰図’と墨の人物画‘十六羅漢図’。来年3月、東博で開催される‘ボストン美 日本美術の至宝展’に展示される若冲の情報がまだ明らかでない。どちらかが入っていることを今ミューズに祈っているところ。果たして?

葡萄を描いた絵はこれまでプライスコレクションなど数点みたが、フィラデルフィア美が所蔵するものも是非お目にかかりたい。デンバー美蔵の戯画チックな‘三十六歌仙図’は六曲一双の屏風だが、一枚の絵としては以前愛知県美の木村定三コレクションをみたことがある。

若冲に関して今年いい話が入ってきた。メモしていたものがどこかへ消えたので正確さを欠くかもしれないが、来年(?だったと思うが)、ワシントンのナショナルギャラリーで若冲の最高傑作‘動植綵絵’(三十幅 三の丸尚蔵館)が全点公開される。大日本美術展の目玉として展示されるようだ。これをきっかけにJAKUCHUがアメリカで大ブレイクするかもしれない。

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2011.09.29

夢の‘日本美術里帰り展’! 江戸絵画

3120_2       円山応挙の‘龍虎図’(1774年 ボストン美)

3119_2     曽我蕭白の‘商山四晧図屏風’(1768年 ボストン美)

3121_2           岩佐又兵衛の‘王昭君図’(17世紀 サンフランシスコ・アジア美)

3118_2        英一蝶の‘田園風俗図屏風’(18世紀初め ワシントン・フリーア美)

来春の‘ボストン美 日本美術の至宝展’には仏像、仏画、絵巻、江戸絵画など90点が展示されるという。今わかっている情報ではこのなかに龍の絵が2点ある。期待の曽我蕭白の‘雲龍図’と長谷川等伯の‘龍虎図屏風’。

となると、前々からみたいと思っている円山応挙(1733~1795)の‘龍虎図’はお休み組?まだ3点の揃い踏みを諦めたわけではないが、可能性は20%くらいか。

ボストン美は曽我蕭白(1730~1781)の宝庫。至宝展にやってくるのはチラシに載っている‘雲龍図’と‘虎渓三笑図屏風’の2点。度迫力の‘雲龍図’で腹一杯になると思うが、プラスαがあるにこしたことはない。未見の3点のどれかが加わっていると嬉しいが、、ちょっと無理かな。

美術本によく載っている‘商山四皓図’はその存在を知ってからもう20年になる。
05年京博であった大回顧展にも姿をみせず、来年も里帰りをしてくれそうにない。対面にはまだまだ時間がかかりそう。辛抱強く待つことにした。

海外にある岩佐又兵衛(1578~1650)の絵に関する情報は‘王昭君図’の1点のみ。これはまだ訪問したことのないサンフランシスコにある。サンフランシスコ美でマティスの追っかけ画をみることに意を決したときは、アジア美にも是非寄ってみたい。

英一蝶(1652~1724)のとても気になる絵がアメリカの美術館にある。ワシントンのフリーア美が所蔵する‘田園風俗図屏風’、ボストン美蔵の大作‘涅槃図’、そしてメトロポリタンにある‘地蔵菩薩図’。回顧展でもないかぎりお目にかかれそうにない。いつか日本に里帰りしてくれることを心から祈っている。

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2011.09.28

夢の‘日本美術里帰り展’! 琳派

3114_2     俵屋宗達の‘松島図屏風’(17世紀 ワシントン・フリーア美)

3115_2     俵屋宗達の‘雲龍図屏風’(17世紀前半 フリーア美)

3116_2     尾形乾山の‘蔦紅葉図’(メトロポリタン美)

3117_2     鈴木其一の‘白椿図’(19世紀前半 フリーア美)

来年の3月、東博でボストン美が誇る日本美術の傑作が大公開される(3/20~
6/10、拙ブログ8/8)。あと半年待てば浮き浮きするするような展覧会場に身をおくことができる。今年前半に行われた‘写楽展’(東博)のように一級の浮世絵や絵画、彫刻などがずらっと揃う里帰り展ほど心が躍ることはない。

だから、いつも勝手にお好みの里帰り展を夢見ている。夢のままで終わるか、一部でも実現するか、それはミューズのお心次第。海外にある日本美術や中国美術の名品の中からまだお目にかかってないものを集めてみた。

3年前、東博で多くの人が足を運んだ‘大琳派展’があった。作品はこれ以上望めないくらい極上のものばかり。琳派はやはり日本美術のなかで不動の人気を誇っている。この展覧会にはアメリカからメトロポリタン美とファインバーグコレクションが所蔵する酒井抱一の‘柿図屏風’や‘十二ヶ月花鳥図’などが里帰りした。

そして、来年になるとまたすばらしい琳派の絵が戻ってくる。東日本大震災のため根津美での展示が延期になったメトロポリタン美自慢の名品、尾形光琳の‘八橋図屏風’。根津美にある国宝の‘燕子花図屏風’と響きあう華麗な装飾美を前にすると倒れるかもしれない。

メトロポリタンにある光琳の‘波濤図’も‘八橋図’も里帰りするのに、ワシントンのフリーア美にある俵屋宗達(生没年不詳)の‘松島図’と‘雲龍図’だけはどんなに待ち望んでも日本にはやってこない。08年ここを訪れたとき(08/4/18)、この二点との対面をかすかに期待していたがダメだった。琳派狂としては宗達の最高傑作‘松島図’をみないでは死ねないので、いつか現地で夢を叶えたい。

フリーアには鈴木其一(1796~1858)の‘白椿・薄野図屏風’もある。右隻が‘白椿図’。緑の映える小山のむこうで金地を背に描かれた白椿はお茶目で可愛いらしい感じがする。

尾形乾山(1663~1743)はやきものだけでなく、絵も魅せられるものが多い。ざざっと描いた感じなのだが画面には味わい深い雰囲気をただよっている。メトロポリタンにある‘蔦紅葉図’もいつかお目にかかりたい絵の一枚。里帰りしてくれるだろうか?

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2011.09.27

ダ・ヴィンチの‘ほつれ髪の女’が来春Bunkamuraにやってくる!

3113_2     ダ・ヴィンチの‘ほつれ髪の女’(1505~08年 パルマ国立絵画館)

3111_2            ダ・ヴィンチの‘サルバトール・ムンディ(救世主)’(1500年頃)

3112_2        ダ・ヴィンチの‘モナ・リザ’(復元想像画)

昨日とても興味深い美術関連ニュースがとびこんできた。来春、Bukamuraで開催される‘レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想’展(3/31~6/10)にダ・ヴィンチが1505年から08年のころに描いた‘ほつれ髪の女’が展示されるというのである。

現在改装中のBunkamuraは12/23から‘フェルメールからのラブレター展’をやり、そのあとこのダ・ヴィンチ展。美術ファンの心を半年もとらえ続けようというのだから、はりきりモード全開で突っ走る感じ。すばらしい!

ダ・ヴィンチ展は11月からはじまる。まず、静岡市美で11/3~12/25に行われ、年が明けると福岡市美へいく、1/5~3/4。最後がBunkamura。春には東京都美が新装開館し、ハーグのマウリッツハイス美所蔵の名品展が行われる。その目玉がフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’。春爛漫の上野と渋谷で美女の競演、楽しくなりそう。

今年は7月にダ・ヴィンチに関するビッグニュースがあった。新聞記事によると長年行方不明だった‘サルバトール・ムンディ(救世主)’がNYで見つかった。その価値は2億ドル(約160億円)という。11月からロンドンのナショナルギャラリーで展示されることになっているが、今回は残念ながら無理。

この絵は個人が所蔵しているのだろうが、今水面下で美術館が争奪合戦をしている?NYで見つかったのであれば、メトロポリタンにおさまればいいと思うが。美術館は欲しくてたまらないだろう。

下の図版は昨年12月日比谷公園であったイベント風ダ・ヴィンチ展で披露された‘モナ・リザ’の‘復元想像画’。この絵が描かれた当時の色や形、質感を最新の科学分析によって再現している。‘なるほど、モナ・リザは実際はこんな絵だったのか!’と息を呑んでみていた。

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2011.09.26

個人コレクション 夢の傑作選!(19)

3108_2     徽宗の‘桃鳩図’(国宝 北宋時代 1107年)

3107_4               可翁の‘寒山図’(国宝 14世紀)

3109_2                狩野正信の‘山水図’(15世紀後半)

3110_2      狩野山楽の‘山水図屏風’

国宝に指定されている絵画のうち個人が所蔵しているものは5点。3点みたが、あと2点はなかなか縁がない。ひとつは中国で描かれた徽宗の‘桃鳩図’、もう一点は南北朝時代に生きた可翁(かおう)の‘寒山図’。

長いこと国宝の絵を追っかけているが、幸運なことにリストに残っているのは5点だけになった。その中で見たい度の強いのが中国絵画2点、‘桃鳩図’と‘孔雀明王像’(北宋時代 11世紀)。‘孔雀明王像’は仁和寺にあるので、春秋に開催される特別展をじっと待っておればいつかはみれる可能性がある。

これに対し、個人が所蔵する‘桃鳩図’は80%くらいは夢の絵画。一度この絵にかすったことがある。それは7年前根津美で開かれた‘南宋絵画展’。たしか5日くらい展示されたが、残念ながら日程があわず(当時は広島にいた)対面が叶わなかった。

風流天子といわれた北宋最後の皇帝、徽宗(1082~1135)がこの絵を描いたのは
26歳のとき。桃の枝にとまる鳩の安定感がじつにいい。この傑作の前に立つことを念じ続けている。あと3年経つと前回登場してから10年、そろそろでてきてもいい頃だが。‘寒山図’の展覧会出品情報はまったくない。遠い存在のままで終わりそう。

狩野派の始祖正信(1434~1530)の絵はこれまで国宝の‘周茂叔愛蓮図’(九博)など2,3点くらいしかみたことがない。‘山水図’は画集によく載っている絵だが、個人蔵なので果たしてみる機会があるか。

狩野山楽(1559~1635)は息子の山雪とセットで大きな回顧展が開催されないかとひそかに期待している。妙心寺にある古代中国の人物を画題にした作品などはみているが、とても気になる六曲一双の‘山水図屏風’はまだ遭遇してない。図版だとコンディションはどうかなというき気もするが、一度お目にかかりたい。

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2011.09.25

個人コレクション 夢の傑作選!(18)

3106_2                 与謝蕪村の‘竹渓防隠図’(重文)

3105_2     長沢芦雪の‘白象唐子遊戯図屏風’(右隻 18世紀)

3104_2       長沢芦雪の‘童子・猫・雀図’(18世紀)

3103_2     久隅守景の‘鍋冠祭図押絵貼屏風’(17世紀後半)

信楽のMIHO MUSEUMはここ4年のうちに江戸絵画のビッグな回顧展を3回実施した。08年‘与謝蕪村’、09年‘若冲ワンダーランド’、そして今年は‘長沢芦雪’。

若冲と芦雪は複数回クルマを走らせ思いの丈を叶えられたが、与謝蕪村(1716~
1783)のときは1回のみ。だから、展示替えで見逃したのがいくつもでた。最大のお目当てだった‘夜色楼台図’(国宝)と‘鳶・鴉図’(重文 北村美)がみれたので満ち足りた気分だったのだが、対面できなかった重文クラスの絵にはやはり未練が残る。

そのなかの1点は出光美でまもなくリカバリーできる。それは‘大雅・蕪村・玉堂と仙厓’展(9/10~10/23)に展示されている‘山水図屏風’(重文)。出光には随分通っているのに、この絵とは相性が悪かったが漸く会えそう。これに続きたいのが個人コレクションの‘竹渓防隠図’と‘寒林孤亭図’。果たして遭遇できるだろうか?

今年の大きな収穫は長沢芦雪(1754~1799)。06年の‘応挙と芦雪’(奈良県美)も体験したから、芦雪は済みマークがつけられる。残った未見の作品でこれだけはお目にかかりたいと思っているのは5点くらい。その筆頭が唐子の赤の衣裳に惹きつけられる‘白象唐子遊戯図’。所蔵している鐵斎堂は?展覧会に貸し出したことがあるのだろうか。

真ん中に右手に鼠をのせた童子、左右に猫と雀を描いた絵も楽しい絵。もう一点長いこと待っているのが逸翁美にある‘降雪狗児図’。回顧展には2回とも出品されなかった。こういう絵は現地を訪ねるしかないのだろうか。

久隅守景(寛永~元禄頃)のユーモラスな‘鍋冠祭図’は15年くらい前、サントリー美であった展覧会に出たのだが、展示替えで会えなかった。それからもうだいぶ経っているのにまだ姿を現してくれない。画集に載っている個人蔵の名画は一度見逃すと鑑賞の機会が永遠に遠のくような気がする。

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2011.09.24

個人コレクション 夢の傑作選!(17)

3101_2     谷文晁の‘山水図屏風’(1812年)

3100_2            宋紫石の‘仙蓮図’(1751~64年)

3099_2               佐竹曙山の‘松の唐鳥図’(18世紀後半)

3102_2            田能村竹田の‘歳寒三友双鶴図’(重文 1831年)

日本絵画の追っかけは思い入れの強い絵をおおよそ目のなかに入れたので、今はリラックスモード。で、リストを定期的に眺めまだ残っているものとの遭遇を念じている。

仕事でも遊びでも目標を実現するという意識が薄れると、とたんに運が逃げていく。やはり‘求めよ、さらば与えられん’である。だから、見たい絵が美術館にあろうと個人の所蔵であろうと、いつか見るぞ!という気持ちを切らさないことにしている。

先般、板橋区美の展覧会で念願だった円山応挙の‘群獣図屏風’(三の丸尚蔵館)の象と対面したが、これで満ち足りた気分だったのに思いもよらぬオマケがついていた。それはずっと待っていた歌川広重の‘武相名所手鑑’(平木浮世絵財団)。三の丸尚蔵館蔵の絵で残るはあと2点。なかなか姿を現してくれない‘南蛮屏風’と海北友松の‘網干図屏風’。

画集をみていて個人コレクターの所蔵になっているのが多いのが江戸絵画。ここにあげた作品と運良く対面することができるだろうか?

谷文晁(1763~1840)の回顧展は板橋区美で4年前体験したが、数が少なかったので東博がどーんと開催してくれないかなと期待している。そうしたらこの‘山水図’に会えるかもしれない。

3点の掛け軸もいつかこの目でという思いが強い。宋紫石(1715~1786、本名は
橋本幸八郎)の花の絵で魅せられるのは精緻な描写と鮮やかな赤と白。この絵では胡粉の白が輝いているが、目の覚める鳥の赤と大きな松を大胆に配した構図が気を引く佐竹曙山(1748~85)の‘松の唐鳥図’もいつかみてみたい。

田能村竹田(1777~1835)の回顧展はまだ縁がない。期待しているのは重文の‘梅花書屋図’をはじめいい絵を沢山所蔵している出光美。一度はまとまった形で竹田をみたい。

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2011.09.23

琴奨菊 白鵬を破り大関昇進はほぼ確実!

3098大相撲は関脇琴奨菊が横綱白鵬を敗り11勝とした。これで大関昇進がほぼ確実。

この一勝は大きい。先場所白鵬に勝っているから今日はダメだろうと思っていたが、出足がよく下手をとってぐいぐい出ていった。

白鵬は昨日苦手の稀勢の里にまたも敗れ平常心がぐらついてたとはいえ、琴奨菊は持ち前の馬力を発揮し横綱を力で圧倒した。まさに会心の一番だった。

残り2日、大関の日馬富士、把瑠都のどちらかに勝てば大関に昇進できる。もう大丈夫だろう。ひょっとすると白鵬との優勝決定戦になるかもしれない。

琴奨菊はこの1年でぐっと強くなった。まわしをとると大きな体を生かしどんどん前へでていくのがいい。多少強引な攻めでも圧力が強いから、相手はそれをかわしきれない。どうでもいいことだが、師匠の琴乃若はちょんまげをつけているとき体は図抜けてデカかったのに相撲が遅かった。

これで来場所は引退した魁皇に替わって日本人大関が誕生する。現在いる大関3人を琴奨菊は一気に抜くかもしれない。そして、今場所調子のいい稀勢の里も次の場所で大関取りを実現させるような気がする。

そうなると、体力はあるが相撲の技にちっとも磨きがかからない把瑠都と琴欧州に代わってこのフレッシュコンビが白鵬とともに大相撲の主役になる。まだまだ精神面、技ともに白鵬にはおよばないが、精進を重ねれば優勝も夢ではない。2人にはおおいに頑張ってもらいたい。

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2011.09.22

プロ野球 終盤戦!

3097終盤に入ったプロ野球の関心の的はセパともにクライマックスシリーズ(以下CS)に残れる3位争い。

セリーグは現在3位の巨人とこれを2ゲーム差で追う阪神のどちらか、パリーグは3位オリックスと3ゲーム離されている4位西武と4ゲーム差の5位楽天の3チームの争い。

今の阪神の力では巨人は追い越せないだろう。真弓はもう監督やめたほうがいい。パリーグは最後の最後までもつれるような気がする。

勢いのでてきた西武が追い込みをみせてオリックスをとらえるか。オリックスも好調だから残りの試合数を考えると3ゲーム差はきついことはきつい、でも西武は底力があるから逆転する可能性はまだある。オリックスが逃げ切るような気もするが果たして?

アホ星野の楽天にはまったく可能性がない。このチームは昨年からどこも変わっておらず、結局5位で終わり。三木谷オーナーはまったく人を見る目がない。こういう終盤になるとチームが一丸となって進む雰囲気がないと勝利は呼び込めない。オリックスの岡田、西武の渡辺の両監督はいい雰囲気でチームを統率しているし、選手は勝利にむかって価値あるプレーをしている。

ところが、アホ星野は監督然として選手に恐怖心を与えるばかりだから、選手はいつもピリピリしておりいい状態が長続きしない。今のプロ野球ではこんな威張りくさった人間が監督をやっていたらチームは強くならないということがオーナーにはわからないのだから、どうしようもない。来年もBクラスで両者は喧嘩別れすることは目にみえている。

CSを制するのはどこか、セリーグは現在首位を走るヤクルトがそのまま日本シリーズへ進む確率は7割くらい、残り3割は中日。パリーグはどこからみてもソフトバンク、チーム力は群を抜いており、首位打者の内川、安定したピッチングをみせる左腕和田を軸に勝利に突き進むだろう。

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2011.09.21

‘名曲探偵 アマデウス’ こんな音楽番組を待っていた!

3095_2      ピアニスト中村紘子さんの実演

3096     玉川大学 野本準教授の解説

今月初めBSプレミアムでいい音楽番組に出くわした。それは毎週土曜午後1時に放送される‘名曲探偵 アマデウス’。番組表で3ヶ月くらい前からこの番組は知ってはいたが、チャンネルをまわすことはなかった。

9/3のタイトルは‘ラフマニノフのピアノ協奏曲2番’。これは大好きなピアノ協奏曲なので久しぶりに聴いてみようとTVの前にいた。番組が進行していくうちに、とても嬉しくなった。こういう音楽番組を待っていたのである。まだ、このときと翌週の‘ドヴォルザークの交響曲・新世界’の2回しかみてないが、完全に嵌った。

クラシックやオペラはN響アワーや以前のBS2の番組でもうかれこれ30年近く楽しみ、これをビデオ収録したものを相当数もっている。でも、音楽教育というのは学校の授業だけ。だから、名曲といわれるものはだいたい知っているのに楽譜の読み方はきれいさっぱり忘れているし、音楽理論は体系的に頭に入ってない。

一時期、昔新日本フィルのホルン奏者だった友人にクラシックに関する知識を教えてくれるプロの音楽家に個人レッスンを斡旋してもらおうかと考えたこともある。これは実現することなく今に至っているが、クラシック音楽の理論や演奏のことを基礎から習得したいという思いはいつもあった。この‘名曲探偵 アマデウス’はまさにその思いに200%応えてくれる願ったり叶ったりの番組。

例えば、N響と共演したピアニスト中村紘子さんが自宅のピアノの前でラフマニノフの難曲ぶりを実際に弾いてみせてくれる。こういうこと知りたかったのである。また、玉川大学 芸術学部の準教授 野本由紀夫さんが楽譜を使って曲の流れを解説してくれる。楽譜がじつに新鮮。耳慣れた音と音符がひとつ々くっついていく。

最後にコンサートでの演奏が通しで流されるが‘ここから第一主題が、、、ここで第二主題’といったテロップが挿入されるから、心と頭でこの名曲を楽しむことができる。番組の魅力は演奏上のテクニックや音楽理論への理解が進むことだけではない。名曲が生まれた作曲家の心の内や時代背景をバラエティ風に切り込んでみせるので、クラシックが身近に感じられる。この番組をつくった人は本当にいいセンスをしている。

楽しみがまたひとつ増えた。クラシックの世界に再びフェイズイン!

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2011.09.20

大リーグ ぱっとしない成績に終わった日本人選手!

3094_2大リーグはレギュラーシーズンが終わりに近づいている。

本来ならこれからワールドチャンピオンが決まるときまでTVの前でおおいに盛り上がるのだが、今年は日本人選手の成績がイチローも含めてぱっとしなかったから、大リーグそのものへの興味がしぼんでいる。

これからはじまるポストシーズン(PS)に進出するチーム(一部予想も含む)は


アリーグではヤンキース(東地区)、タイガース(中)、レンジャーズ(西)、レッドソックス(ワイルドカード)、ナリーグはフィリーズ(東)、ブリュワーズ(中)、ダイヤモンドバックス(西)、ブレーブス(ワイルドカード)

このなかで日本人選手がいるのはレンジャーズ(上原、建山)とブリュワーズ(斉藤)。3人ともチームではセットアッパー。上原は8月にレンジャーズから求められてオリオールズから移籍した。PSはリーグチャンピオンを決める戦い(7戦)あたりからみるつもり。

今年は日本人選手はドジャースの黒田を除いて目立った活躍をしなかった。イチローは現在打率0.273、安打数175本。天才イチローだって打てないシーズンがあってもおかしくないが、今シーズンは最後まで調子が上がらなかった。6月の時点で年間200本安打は無理だろうと予想したが、その通りになった。春先元気だったマリナースも終わってみれば定位置の最下位。イチローにとっては例年以上に気分の滅入るシーズンとなった。

夏場猛打を放った松井(アスレチックス)の成績も平凡なもの。打率は0.255、ホームランは12本どまり。打点も71。いずれも昨年エンゼルスで残した数字、0.274、21本、84打点を下回った。松井は来年38歳、成績が下降するのは仕方がない。でも、引退はまだ早い。イチローだって来年は巻き返しをはかるだろうから、松井も現役を続けてもらいたい。

投手で頑張ったのがドジャースの黒田。勝ち星はオーナーの変更というチーム事情の悪さもあって12勝にとどまったが(16敗)、防御率はここ4年間で最もいい3.19。ドジャースのGMは黒田と契約を更新したい意向のようだから、来年もドジャースで投手陣の柱の一人として投げると思うが。それとも強いチームへ移籍する?

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2011.09.19

テレビ朝日‘砂の器’ ショート考!

3093     浪速東区役所で話を聞く今西、吉村刑事と女性新聞記者山下

3092_2     和賀英良を取り調べる吉村刑事

9/10、11に放送されたテレビ朝日の‘砂の器’(拙ブログ9/12)の余韻がつづいている。最近は映画やTVのドラマをみることがほとんどないので、このTV映画が新鮮なのかもしれない。元々事件物の映画が好きで、しかもその極め付きの名作‘砂の器’とくればどうしてものめりこんでしまう。

で、ビデオをみなおし、さらには映画版(1974年)までひっぱりだし二つの作品の比較に時間をかける始末。好きだからしょうがないのだが、これにはちょっとした事情がある。

事件の手がかりとなったのが東北なまりの‘かめだ’。この‘かめだ’は島根県仁多町亀嵩(かめだけ)のことだった。じつは広島で仕事をしていたとき会社の若い社員にこの町の出身者がいた。だから、お酒を飲んだりするとこの映画の話になる、ロケがどこで行われたとか、ずーずー弁は実際どうなのか、じつに楽しかった。また、島根へ出張した際はよくクルマで亀嵩駅の前を感慨深く通りすぎた。

そんな思い入れのある映画だから、テレビ朝日版にも心は動く。にわか映画評論家になり、映画版との比較からみえてきたTV版‘砂の器’の特長とおもしろさについて少し述べてみたい。

★今西刑事はオールマイティではない!推理のヒントは第三者から

映画では丹波哲郎が演じる警視庁捜査一課の刑事、今西栄太郎は鋭い勘で事件解決の糸口を次々と思いつく。‘かめだ’は人の名前ではなく、秋田県の羽後亀田に気づくのも今西だし、ずーずー弁が使われている地域を調べに国語研究所を訪ねて行くのも今西。そして、今西は伊勢の映画館で和賀英良が写った写真を発見し、大阪の浪速東区役所で戸籍再製手続きのことを知り、本浦秀夫が戸籍を詐称して和賀英良になりすましたことも暴いてみせる。とまあ、こんな具合に今西は最強の刑事。

ところが、TV版だと今西(小林薫)が貢献したのはずーずー弁が使われる出雲地方にある‘かめだ’、すなわち亀嵩をつきとめただけ。羽後亀田も戸籍詐称のことも女性新聞記者山下洋子(中谷美紀)に教えてもらう。また、伊勢の映画館に飾ってあった写真は若い吉村刑事(玉木宏)に映画館の支配人が情報を提供してくれたおかげでたどりつく。

★事件の捜査に関わる刑事たちの人間模様がおもしろい

野村芳太郎監督が脚本家の橋本忍と組んで映画をつくった1974年のころと、今とでは事件の捜査にあたる刑事たちの描き方がかなりちがう。アメリカの映画の事件物では捜査にあたってFBIとNY市警が反目するのがお決まりとなっているが、こうした警察組織絡みの反発心や功名心にはやる刑事の個性をストレートにだし、犯人検挙の体制は一枚岩ではないことを示すほうが見ている者にはおもしろい。だから、日本の映画でも刑事たちをこういう風に描くことが多くなっている。

ニヤニヤしながらみていたのは威張り屋の田島刑事(西村雅彦)がバーの聞き込みに後からやってきた今西と吉村に‘今西ー、ここは俺たちがやるからいい!’と大声を張り上げる場面。合同捜査会議でも組織独自の思惑がでてくる。西成城署の刑事たちはもう一つ起きた殺人事件を管轄内という縄張り意識から参考人の事情聴取を単独で行い、それをこの会議で報告しない。そのことを山下から教えてもらった田島は烈火のごとく怒り、西成城署の連中をなじり状況を問いただす。

★主役吉村刑事の成長物語

この映画の主役はベテランの今西とコンビを組む吉村刑事。玉木宏の演じるこの若手刑事は性格がよくて仕事熱心。尊敬している今西に口癖のように‘勉強になります’と言う。お手柄は今西のモットー‘しつこくやる’を実行して和賀英良の愛人が汽車の窓からばら撒いた‘紙吹雪’(じつは和賀が三木謙一を殺害したときにあびた血痕のついたシャツを切り刻んだもの)を中央線の線路沿いで発見したこと。

吉村は逮捕状の出た和賀英良(佐々木蔵之介)を取り調べる。和賀はしぶとく三木謙一(橋爪功)を殺害したことをなかなか自供しない。が、和賀英良こと本浦秀夫の心をぐさっとえぐるものを吉村は最後に見せる。それは父、本浦千代吉(山本学)が病院で死ぬ間際に描いた風景画、そのなかにお遍路姿の千代吉、秀夫が描かれていた。そして、絵の裏には千代吉の秀夫へ宛てた言葉が書かれていた。それをみて秀夫は泣き崩れる。吉村はいい刑事になった。

★音楽がすばらしい!

和賀英良が作曲したのは‘寂滅’と‘永遠’、‘永遠’は琴線にふれる名曲。また、捜査の節目々でバックに流れる音楽がとてもいい。‘永遠’の発表会で吉村がこれを聴き自分の空襲体験を思い出し涙を流すシーンは映画の最後、合同捜査会議の席上で涙をぬぐう今西刑事の姿とダブってきた。演出家はこの丹波哲郎の名演技を意識したのではなかろうか。

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2011.09.18

こんなはずではなかった‘ドニ展’!

3088_3     ‘家族の肖像’(1902年)

3091_3              ‘子どもの身づくろい’(1899年)

3089_3            ‘ボクシング’(1918年)

3090_2            ‘バルコニーの子どもたち’(1907年)

損保ジャパン美で行われている‘モーリス・ドニ展’(9/10~11/13)をみてきた。損保ジャパンの西洋画展はこれと‘セガンティーニ展’(11/23~12/27)に○印をつけていたのだが、ドニ展は当てがはずれた。

フランス象徴派のドニ(1870~1943)の回顧展を体験するのははじめて。だから、ドニの画業を通観できるものがベスト。ところが今回は子どもや家族が描かれた作品にスポットを当てている。昨年あったオルセー展にやってきたドニの絵は7点(拙ブログ10/6/13)、抽象画風のもの、平板で装飾的なドニらしい絵、そして女性の肖像画。

オルセーにある一級の作品をみてしまったので、回顧展もこういう作品で構成されるものと期待していた。ここに集まった作品の質が低いというのではない。ただ、赤ん坊や子どもの絵、そして聖母子のような絵がこれだけ並ぶとちょっと飽きちゃうのである。ドニは象徴派の画家だから、その装飾的ですっきりした画面構成の絵が出品作の7割占めないと印象が薄くなる。

足がとまったいい絵が3点はあるから、展覧会の満足度は○と◎の間。長くみていたのはチラシに使われている‘家族の肖像’。お母さんのやさしいまなざしとテーブルにある果物をとろうとしている女の子の愛くるしい笑顔にとても惹かれる。また、子どもに眩しいほど強い光があった‘子どもの身づくろい’と‘バルコニーの子どもたち’にも思わず頬がゆるむ。

‘家族の肖像’とともに大きな収穫だったのが鮮やかな色調が目にとびこんでくる‘ボクシング’。一見するとアンリ・ルソーの手前に人物が大きく描かれた絵を連想させるが、ここには動きがありお兄ちゃんと妹は元気いっぱいにボクシングで遊んでいる。

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2011.09.17

酔いしれる根津美の‘名物刀剣’展!

3084_2     国宝‘刀 金象嵌銘光忠’(鎌倉時代 13世紀)

3085_2     国宝‘太刀 銘長光(名物遠江長光)’(鎌倉時代 13世紀 徳川美)

3086_2     国宝‘短刀 銘左/築州住’(南北朝時代 14世紀 ふくやま美)

3087_2     国宝‘短刀 無銘 貞宗’(南北朝時代 14世紀 文化庁)

刀剣の展覧会をみるのは4年前の‘備前一文字展’(佐野美 拙ブログ07/11/23)に次いで二度目。根津美でこの特別展(8/27~9/25)が開催されるのを知ったとき、気持ちが昂ぶった。

根津美は以前正宗展を開催したそうだから、今回もHPで国宝の数(9点)を数えながら期待していたが、実際すごいものがでていた。まだ刀全体をみれるほど目が慣れてないので、東博で追っかけの国宝をみるときは刃文ばかりをみている。

刃文の種類が一通り目の中に入ってくると、その刃文の細やかさとか輝きに視線が集中してくる。長船派の創始者、光忠の‘金象嵌銘光忠’の大丁子乱れ、蛙子丁子交じりを息を呑んでみていた。これは織田信長の愛刀。本当にいいものをみた。

丁子乱れの華やかな刃文が心を揺すぶる長光(光忠の子)の太刀の前にも長くいた。これは一度と所蔵している徳川美でみたことがある。東博にある‘大般若長光’(国宝)とともに名刀である。これも信長がもっていた。

5点ある国宝の短刀を3回ぐるっとまわって見比べてみた。最も惹かれたのが短刀の先のほうに夢幻的な雰囲気が漂う‘銘左/築州住’。広島にいたときふくやま美へは2、3回でかけたが、残念ながらこれをみる機会はなかった。この短刀は一生の思い出になる。もう一点、再会した貞宗の穏やかな刃文にも大変魅了された。

佐野美と根津美ですばらしい刀剣展を体験できたことを心から喜んでいる。一歩々刀の世界に近づいていきたい。

尚、この展覧会はこのあと次の3館でも行われる。
富山県水墨美:9/30~10/16
佐野美:10/22~12/18
徳川美:12/1/4~2/5

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2011.09.16

心の安まる‘浅川兄弟の心と眼ー朝鮮時代の美’展!

3082_2            ‘青花辰砂蓮花文壺’(朝鮮時代 18世紀後半)

3081_2       ‘青花窓絵草花文面取壺’(朝鮮時代 18世紀前半)

3080_2        ‘白磁壺’(朝鮮時代 17世紀後半~18世紀前半)

3083_2        ‘粉青面象嵌牡丹文瓶’(朝鮮時代 15世紀前半)

朝鮮陶磁の名品をみる機会がまたやってきた。2年前が日本民藝館で今度は千葉市美。やきもの展を千葉市美でみるとは思わなかったが、いつもの道順で‘浅川兄弟の心と眼ー朝鮮時代の美’展(8/9~10/2)をめざした。

山梨県出身の浅川伯教(のりたか 1884~1964)と巧(たくみ 1891~1931)の名前は柳宗悦の民藝運動に接したときインプットされた。柳は李氏朝鮮王朝(1392~1910)の陶磁の美しさを世界に知らしめた浅川兄弟から大きな影響を受け朝鮮陶磁のとりこになる。

この展覧回は日本にある朝鮮陶磁の名品をみる絶好の機会。大阪市立東洋陶磁美と日本民藝館の所蔵品を中心に個人蔵の優品も加わり120点くらい出品されているのだからまことに贅沢なラインナップ。

浅川伯教がコレクションした‘青花辰砂蓮花文壺’は4年前三井記念美で開催された‘安宅コレクション展’(拙ブログ07/10/24)ではじめてみた。この素朴で温かみのある青花の壺をまたみれた喜びを噛み締めている。弟の巧がもっていたのが‘青花窓絵草花文面取壺’。東洋陶磁美の安宅コレクションにはこの面取壺が2点あるが、今回はこちらのほうがでた。

一番の収穫は東洋陶磁美が所蔵する白磁の大きな壺(高さ46.6cm)。巨大な算盤球が目の前にどんとある感じ。これくらい大きいとやはり心が揺すぶられる。存在感いっぱいの大きな壺はもう2点ある。どちらも青花でひとつは龍、もうひとつは葡萄が描かれている。

安宅コレクション展のとき東京にやってこなかった作品が一点あった。どっしりした器形が印象深い‘粉青面象嵌牡丹文瓶’。また、とても惹かれる形をした白磁の熊川(こもがい)茶碗や粉青鉄絵の俵壺の前にも長くいた。

尚、この展覧会は千葉のあと次の会場を巡回する。
山梨県美:11/19~12/25
栃木県美:12/1/14~3/20

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2011.09.15

東博浮世絵エンターテイメント! ‘木曾街道六捨九次’(後半)

3079_2     歌川広重の‘木曾街道六捨九次之内 上ヶ松’

3078_2     歌川広重の‘木曾街道六捨九次之内 須原’

3076_2     歌川広重の‘木曾街道六捨九次之内 大井’

3077_2     渓斎英泉の‘木曾街道六捨九次之内 河渡(ごうど)’

英泉・広重合作の‘木曾街道六捨九次’の後半の35枚(薮原から大津まで)が現在、東博の浮世絵コーナーで展示されている(8/23~9/19)。

街道物のような揃い物は‘東海道五捨三次’でも第二弾の‘木曾街道六捨九次’でも全部を一堂に会してみると、単発でみるよりずっと大きな感動が得られる。35枚はそれぞれ旅の趣がありとても味わい深い。前半(拙ブログ8/18)同様、足がとまったのをいくつか。

歌川広重(1797~1858)の‘上ヶ松’は画面の左、垂直に落ちる滝の光景を橋の上にいる旅人と一緒に眺めているような気になる。川の水流の描き方はモザイク的だが、その刺刺しいフォルムは渓斎英泉(1791~1848)が描いた‘野尻’(06/9/19)にでてくる伊奈川とよく似ている。

この木曾街道シリーズには対象がシルエットで描かれたものが6点ある。‘須原’は‘宮ノ越’(6/1)とともにいつもシンミリさせられる。巧みなのが斜めの雨の線と中景の人物と馬のシルエット。突然の夕立のあわただしさをよく伝えている。

雪一色の画面が心をとらえて離さない‘大井’は広重の全作品のなかでお気に入りの上位にあげている絵。ほかの絵とはちがい旅人の顔はなく、人物、馬、松、背後の山が意匠化され雪の情景が装飾的に表現されている。

後半で英泉の描いたのは5枚。長良川の鵜飼は一度体験したことがあるから、‘河渡’に見入ってしまう。川は青のグラデーションをきかせており、鵜が水面にもぐり魚をとる様子がじつにリアル。漁は順調のようで篝火を焚き鵜を操る鵜匠も満足そうな顔をしている。

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2011.09.14

二度目の‘空海と密教美術展’!

3074_2     国宝‘両界曼荼羅図・金剛界’(平安時代 9世紀 東寺)

3073_2     国宝‘海賦蒔絵袈裟箱’(平安時代 10世紀 東寺)

3072_2     国宝 空海筆‘風信帖’(平安時代 9世紀前半 東寺)

3075_2     国宝‘金剛法菩薩坐像’(平安時代 839年 東寺)

人気の‘空海と密教美術展’(東博 7/20~9/25)の後半をみてきた。国宝、重文がドドッと集結したこの展覧会は二度出かけると数点を残しておおよそみることができる。これほど質の高い仏教展はこの先10年はないだろうから、暑いなかでの30分待ちも我慢できる。でも、残り10日くらいになったので今週と来週の土日は大混雑にちがいない。

まず、大勢の人の列をかいくぐってお目当ての‘両界曼荼羅図’の‘金剛界’をめざした。‘胎蔵界’の場合、視線は中央の‘中台八葉院’からスタートしてそのまわりをぐるっと回るが、この‘金剛界’では目は上段の真ん中に描かれた大日如来に長くとどまる。この仏像が最も大きくこのほかは単眼鏡の助けを借りないとよくみえない。

最初のコーナーのところにある‘海賦蒔絵袈裟箱’をじっくりみた。これは初見。惹きこまれるのが金銀の研出蒔絵で表現された大海原。その波はじつにリズミカルで波間に海獣、魚、亀が見え隠れし、その上を無数の鳥が勢いよく飛んでいる。この装飾箱は一生の思い出になる。

空海(774~835)が最澄に宛てた書状のひとつ‘風信帖’をみるのはこれで3度目。最初の‘風信雲書’のところをじっとみて、残りは全体の書の雰囲気をあじわって終わり。書を頻繁にみるようになると、この前にも長くとどまるようになるだろうが、今は気持ちがそこまでいってない。

展示替えの作品だけの鑑賞だからあまり時間はかからない。最後に一回目のとき魅了された仏像のところへ行った。‘蓮華虚空菩薩坐像’(神護寺、拙ブログ8/13)、‘薬師如来坐像’(獅子窟寺)、‘薬師如来’(醍醐寺)、そしてハイライトの東寺の立体曼荼羅。

五菩薩のうちの二体はプレートに記されている名前が同じにみえる。どこが違うの?ちゃんとみると‘金剛法’と‘金剛業’となっている。まったく似たような姿だが、左手が異なる。お気に入りは‘金剛法’のほう。胸のあたりの茶褐色の輝きが目に焼きついている。

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2011.09.13

板橋区美の‘実況中継EDO’は何のこと?

3068_2     円山応挙の‘群獣図屏風’(左隻 三の丸尚蔵館)

3069_2              小田野直武の‘鷺図’

3071_2     宋紫石の‘富士山図’(東博)

3070_2     谷文晁の‘西遊画紀行帖’(板橋区美)

板橋区美のへんてこなタイトルのついた展覧会をみるため、池袋から東武東上線に乗った。急行だと最初にとまるのが成増駅、ここから美術館行きのバスがでている。いいタイミングでバスが来たからひょいと乗った。ところが、途中からいつもと違うことに気がついた。運転手から‘このバスは美術館へは行きません’、えっー?

西高島平駅で下車してまた15分くらい歩いた。はじめてこの美術館行ったときはこのルートだったので、どうにかたどり着けた。成増駅からのバスは全部美術館行きと勘違いしたのがいけなかった。次回はバスの行き先に要注意。

‘実況中継EDO’展(9/3~10/10)は作品の数はいつものように全部で43点と少ない。だから、鑑賞に要する時間はそうかからない。入館料は600円。この美術館を定期的に訪問しているのは期待値以上の作品がでてくるから。江戸絵画に長いことフォーカスし、展覧会のタイトルは遊び心にあふれている。

‘実況中継EDO’って何?はじめEDOと江戸がリンクしなかった。E・D・Oは何の略かな?は入館してわかった。でも‘実況中継’の?はしばらく消えなかった。でもそのうちに、そういうことネで納得。

今回は1点買い鑑賞。それは長年追っかけていた円山応挙(1733~1795)の‘群獣図屏風’。やっと象が登場する左隻をみることができた。昨年8月、三の丸尚蔵館であった‘虎 獅子 ライオン’では虎が描かれた右隻のみの展示(拙ブログ10/8/1)。象さんがまた遠のいたと気落ちしたが、意外に早く目の前に現れてくれた。

象が他の動物とは体の大きさがちがう格別な存在なのに、ここではその扱いを受けてない。胴体の後ろの部分は太い幹の木に隠れてみえない。図版をながめて、虎とくらべると存在感があまりないなと思っていたが、本物をみてその感を強くした。で、象のキングは若冲の‘象と鯨図屏風’に決定!

応挙の象をみたのであとは軽くみた。そのなかで足が止まったのは小田野直武
(1749~1786)の鷺の絵。この絵は府中市美の動物展にも出品された。手前の鷺はバックに描かれたものと比べるとびっくりするほど大きいのにぱっとみるとそう感じない。これは精緻な描写によって視線が鷺ばかりに集中するから。

風景画では宋紫石(1715~1786)の富士山と谷文晁(1763~1840)の滝が印象深い。また、1点すばらしい絵がある。見てのお楽しみ。

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2011.09.12

テレビ朝日 ‘砂の器’を2夜連続でみた!

3067_2

土日に放映されたテレビ朝日の‘砂の器’をみた。半年前この番組をみるのを楽しみにしていたのに前日東日本大震災が発生、このため急遽延期になった。その後記憶から消えかけていたが、復活してきた。この物語は04年TBSで日曜シリーズという形をとり放送されたが、こういう大傑作では物語のあらすじがよく頭に入り、テーマにも深く沈潜できる連続放送のほうがいい。

大方のひとは映画の‘砂の器’(1974年、拙ブログ4/13)で目に焼きついている名場面を思い出しながらこの番組をみていたのではなかろうか。どんな音楽が流れてくるのだろうか、犯人和賀英良が作曲した‘宿命’がまた使われるのだろうか、‘紙吹雪の女’は誰が演じるのか、本浦千代吉の罹ったハンセン病は別の設定になるのか。

配役がなかなかいい。今西刑事には小林薫、相棒の若手刑事吉村弘は玉木宏、そして和賀英良は佐々木蔵之介。今回オリジナルでつくられた女性新聞記者は中谷美紀。ふだんTVのドラマはほとんどみないので、玉木と佐々木の名前がこの番組で顔とむすびついた。

ふたりとも顔は知っていたが、この俳優が玉木宏、佐々木蔵之介か!という感じ。最後の吉村刑事が本浦秀夫に自供させる場面は迫真の演技だった。役者の個性が演じる人物にぴたっとはまっている。TBSのものより出来栄えはこちらのほうずっとよかった。

今西刑事役の小林薫はテレビ東京の人気番組‘美の巨人たち’で毎週その声を聞いているから、どう今西刑事を演じるか興味深々だったが、勘がするどく人間味のあるベテラン刑事役を好演していた。映画で印象深かったのが今西と吉村がお店でお酒を飲んだり食事をするシーン。どんな職業についていたってウマの合う人と飲んだり食べたりするときが一番楽しい。この番組でも2人はうちとけた雰囲気で食事をしていた。

玉木宏はイケメンだから人気の俳優だと思うが、最後の取調べ室では目に力がありその演技力はなかなかのもの。また、好きな俳優西村が演じる威張り屋刑事と一緒に伊勢の旅館へ出張する場面がとても笑えた。西村はこういう役をやらせると本当に上手い。

テレビ界でドラマをつくっている人たちも自分たちの想像力とアイデアで心に残る‘砂の器’を生み出した。名作の誕生に拍手!

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2011.09.11

個人コレクション 夢の傑作選!(16)

3066_2             ミロの‘避難ばしご’(1939年)

3065_2     オキーフの‘ふたつのチョウセンアサガオ’(1938年)

3064_2     ポロックの‘ナンバーⅠ、1952’(1952年)

3063_2     ロスコの‘サフラン色’(1957年)

お気に入りの画家は美術館で開かれる展覧会へいそいそと足を運ぶし、画集や図録を何度も何度もみて感動の再生産をする。バルセロナ生まれのミロ(1893~1983)もそんな画家のひとり。

ミロの当面のターゲットはNYのMoMAにある作品。前回ここを訪れたのは1993年だから、ずいぶんご無沙汰している。画集にある絵の一部はみたかどうか怪しいところがあり、そうした絵をあらためてみようという作戦。そのあとは個人コレクション。

でも、これは夢の世界。粗いジュートの布に描かれた‘避難ばしご’はいつかこの目でという気にさせる絵だが、縁があるだろうか。画集で判然としないのが○○ギャラリーというやつ。例えば、NYにあるピエール・マティス・ギャラリーはミロの絵を所蔵している。ギャラリーの一角にこの絵を展示しているのだろうか。一度NYでギャラリーめぐりをしてみたい。

ニューメキシコ州のサンタフェにはオキーフ(1887~1986)の絵が沢山みれる美術館(1997年開館)がある。行ってみたい気持ちは20%、 サンタフェはやはり遠い。ここも夢の美術館。画面いっぱいに巨大なチョウセンアサガオが描かれた絵はサンタフェ在住のコレクターが所蔵している。

抽象表現主義のポロックとロスコはアメリカの画家では特別な存在だから、その作品はできるだけ多くみたい。ロスコの作品が画集に載っているものの半分くらいが個人蔵なのに対して、ポロックは意外にも美術館におさまっているものが多い。

ポロック(1912~1956)が表出する感情のうごめきは地底でぐらぐら揺らめくマグマをイメージさせる。黄土色の地の画面に端から端まで太く力強い線がうねる‘ナンバーⅠ、1952’は大爆発の前の予兆の段階。いずれ暴れまくるのだろう。

ロスコ(1903~1970)の個人コレクションにはみたいのがいくつもある。ポロックが地底なら、ロスコは宇宙のイメージ。サフラン色の大きな面は境界がぼやけており、音の無い大宇宙をオーロラにように揺れ動いている感じ。その神秘的な雰囲気にとても魅せられる。

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2011.09.10

個人コレクション 夢の傑作選!(15)

3059_2     ‘座っているズワーヴ兵’(1888年)

3060_2     ‘パシアンス・エスカリエの肖像’(1888年)

3061_2       ‘パイプをくわえる包帯の自画像’(1889年)

3062_2     ‘医師ガシェの肖像’(1890年)

本日の個人コレクションはオールゴッホ(1853~1890)。手元にある印象派の画集や図録で最も多いのがゴッホとモネ。そのゴッホ本の中から魅了され続けているものを選んだ。

美術館にあるものでも個人がもっているものでも、とにかくゴッホの絵は一点でも多くみたい。美術館で狙いを定めているのはオッテルローのクレラー=ミュラー、アムステルダム市立美、そしてモスクワのプーシキン。

今年は横浜美にプーシキンの5,6点あるコレクションから‘医師フェリックス・レーの肖像’がやってくることになっていたが、残念なことに東日本大震災の影響で展覧会自体が消えてしまった。こうなったら、もう現地に乗り込むほかない。

さて、個人コレクションのゴッホの絵。ゴッホは身近にいた人の肖像を沢山描いているが、ぐっと惹きこまれる傑作のうちかなりの数がコレクターの手のなかにある。ここにとりあげたのはみたくてしょうがない絵ばかり。

赤の衣裳が目にとびこんでくる‘座っているズワーブ兵’ははじめてみたとき、まだこんなすばらしい絵があったのかと興奮した。これはアルゼンチンにある。そして、写楽の大首役者絵のような‘パシアンス・エスカリエの肖像’にもKOされた。これはアテネのニアルコス・コレクションの一枚。ほかにも画集によく載っている‘タンギー爺さん’をもっている。

このニアルコス・コレクションはアテネの街中にギャラリーのようなものがあり、作品を展示しているのだろうか。アテネは再訪する予定があるので、一般公開されているのなら是非寄ってみたい。関連する情報をいろいろ当たってみようと思う。

‘パイプをくわえる包帯の自画像’は長いこと図版でおつきあいしているが、本物はシカゴにある。ロンドンのコートールド蔵の‘耳を切った自画像’(拙ブログ10/12/20)と比べると、こちらのほうが元気そう。いつかみてみたい。

オルセーにあるポール・ガシェ医師の肖像画(08/2/19)はお気に入りの絵。ゴッホはほぼ同じポーズでもう一枚描いている。こちらは現在個人の所蔵。1990年、日本人コレクターが125億円で落札し話題になった絵だが、今は誰の手に?みる機会があるだろうか。

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2011.09.09

個人コレクション 夢の傑作選!(14)

3057_2     セザンヌの‘収穫’(1876~77年)

3055_2     スーラの‘グランキャンの舟’(1885年)

3058_2     モリゾの‘かくれんぼ’(1873年)

3056_2     ロートレックの‘娼家の女’(1894年)

セザンヌ(1839~1906)の作品を好きな順番からならべると、まず静物画、次がカード遊びをする男たち、そのあとにサント=ヴィクトワール山、人物画、風景画、水浴画が続く。追っかけ画に対するのめり込み度もこの順番で濃淡がついている。

個人蔵の‘収穫’は人物が登場する珍しい風景画。もとはゴーギャンがもっていた。両サイドの垂直の木々と収穫物を手前から奥にむかって平行線を引くように置いていく構成が画面に安定感を与えている。目の前に広々とした空間があり、視線は眠っている農夫から鎌をいれる男、そして遠方の丘の上の建物に移っていく。

点描画家、スーラ(1859~1891)の全点制覇を夢見ている。最も有名な絵はもちろんシカゴ美にある‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’。これを3年前みたので、なんだか大仕事をしたような気分。思い入れの深い絵との対面を果たすと誰しもこんな気持ちになるかもしれない

でも、未見の作品がまだ残っているからここで気を抜くわけにはいかない。美しい点描画のヴァリエーションが1点でもふえることをミューズに祈るばかり。ヨットが何隻も浮かぶ静かな海の風景を描いた‘グランキャンの舟’はNYのコレクターの所蔵。

モリゾ(1841~95)の絵もロートレック(1864~1901)の絵もNYの個人がもっている。4,5年前損保ジャパンで美貌の女流画家モリゾの回顧展があったが、この浮世絵の構図を思い起こさせる‘かくれんぼ’は展示されなかった。モリゾの画集をもってなく、その作品情報は回顧展の図録だけだが、この絵は完成度からすると上位に位置づけられる名画ではなかろうか。

ロートレックの画面の大部分を使って描かれたこの横向きの娼婦にとても惹かれている。ロートレックの追っかけ画はこの絵を含めてあと5点くらい。これからは1点々に長い時間を要しついには見れずじまいになるかもしれないが、希望の火だけは絶やさないようにしたい。

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2011.09.08

個人コレクション 夢の傑作選!(13)

3054_2     モネの‘ベレー帽をかぶった自画像’(1886年)

3050_2           ルノワールの‘パラソルをもった少女’(1883年)

3052_2     ホッパーの‘チェア・カー’(1965年)

3053_2     ワイエスの‘オルソン嬢’(1952年)

印象派・ポスト印象派とは一生つきあうことにしているから、モネにしてもルノワールにしても画集に載っている名画は体のなかに沁み込んでおり、次のターゲットとそれを鑑賞する段取りはおおよそのイメージができている。

モネ(1840~1926)は昨年パリで大回顧展を体験したお陰で心からみたいものは片手くらいになった。モスクワのプーシキンの2点、シカゴ美の前回みれなかった積み藁
1点、そしてマルモッタンの2点。ほかにもあることはあるが、所蔵する美術館を実際に訪問する可能性を考えるとこんなところに落ち着く。

モネが若い頃に描いた自画像はなかなかいいので見たい度は強いが、これは個人のコレクションだからこの先も縁がなさそう。一体どこの誰がもっているの? 過去展覧会に出品されたかどうかについてはまったく知らない。

ルノワール(1841~1919)が描く女性像との遭遇はここ数年いいことが続いている。今年は年初マドリードでクラーク美蔵の2点が突然目の前に現れてくれた。年内にお目当ての絵ともう1点会うことになっている。数冊の画集に載っている女性画のなかで、なんとしてもこの目でと思っているのはあと3点くらい。そのひとつが‘パラソルをもった少女’。ミューズが微笑んでくれるか?

ホッパー(1882~1967)の絵をみる機会がもうすぐやってくる。それは国立新美で
9/28から開催される‘モダン・アート、アメリカ’展、日本で初公開されるワシントンのフィリップスコレクションのなかにホッパーが2点入っている。これをみたあとはNYのホイットニー美。数年のうちに再訪問して沢山あるホッパーの絵との対面という流れだが、予定通りにいくか。

また、日本の美術館に対しても少しだけ期待している。こういうときすぐ頭に浮かぶのはBunkamura。この画家の回顧展を企画してくれそのなかに個人蔵の‘チェア・カー’が入っていたりして、過大な妄想をしてもいけないが帆だけは高くかかげておきたい。

2年前に亡くなったワイエス(1917~2009)の‘オルソン嬢’を所蔵しているのはロックフェラー家。ワイエスはクリスチーナの姿をいろいろ描いているが、猫を抱くこの絵にはとても魅了される。

クリスチーナは親しかったワイエスの妻に宛てた手紙にこんなことを書いている。‘私と私の猫の絵が大富豪の邸宅に掛けられているなんて、とても想像できません。アンディー(ワイエスの愛称)は絵を売るとき、なんて無頓着なのでしょう’

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2011.09.07

個人コレクション 夢の傑作選!(12)

3047_2            ピカソの‘夢’(1932年)

3048_2     ブラックの‘イーゼルの前の女’(1936年)

3049_3        シャガールの‘青色の恋人たち’(1914年)

3046_2     バルテュスの‘コメルス・サンタンドレ小路’(1952~54年)

ピカソ(1881~1973)は超ビッグな画家だから、日本でもしばしば展覧会が開かれる。国立新美とサントリー美の共同企画による回顧展があったのは3年前。アバウト
3,4年に1度くらいのペースでピカソ展が行われている感じ。だから、来年あたりまたどこかの美術館が準備しているかもしれない。

ピカソの追っかけ画は2点、どちらも個人が所有する‘夢’と‘アルジェの女たち(ドラクロアによる)’。これをみたらピカソは済みマークがつけられるのだが、個人コレクションとあってはいかんともしがたく、鑑賞の可能性はかぎりなく小さい。

以前にもとりあげた‘夢’(拙ブログ09/2/28)にぞっこん惚れているが文字通り夢の絵。これはNYのガンツ夫妻の所蔵、過去NYやパリで回顧展があったときにはこれほどの絵だから出品されたと思うが、実際はどうなのだろう。本当にこの絵はみたい。

ピカソの回顧展は何度も体験しているのに、キュビスムの盟友ブラック(1882~
1963)の回顧展にはまったく縁がない。一度くらいは開かれているだろうが、ここ十年のスパンではお目にかかってない。‘イーゼルの前に立つ女’はMoMAで見逃した‘マンドリンを持つ女’同様とても魅せられる絵。国内でも海外でも一回はブラック展を体験したい。

シャガール(1887~1985)はポンピドーにある作品はかなりみたから、今は一息いれてるところ。あとはプラスαをどのくらい積み上げられるか。鮮やかな青が目に沁みる‘青色の恋人たち’はとても気になる絵なので、ミューズにお願いしている。姿を現わしてくれるか?

今から10年前92歳で亡くなったバルテュス(1908~2001)の絵をまとまった形でみる機会に恵まれないかと願っているが、まだ実現してない。この画家の回顧展は過去に日本で開かれた?これまでみた絵はメトロポリタン、MoMA、そしてポンピドーで片手くらい。

代表作の‘コメルス・サンタンドレ小路’は長いこと画集でみている。もう24年のつきあい。この大作は01年ヴェネツィアで開かれた大規模な回顧展に出品されている。所蔵しているのはリヒテンシュタインのコレクター。

バルテュスが生涯に描いた350点の多くは個人が秘蔵している。この展覧会にはバルテュスが生前直接申し入れたこともあり、230点が出品されたという。‘コメルス・サンタドレ小路’はこの先当分でてこないだろう。夢でみるしかない。

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2011.09.06

個人コレクション 夢の傑作選!(11)

3042_2        マティスの‘帽子の女’(1905年)

3044_2           クリムトの‘アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ’(1912年)

3045_2     シーレの‘ヌードの少女’(1917年)

3043_2     ボッチョーニの‘現代のアイドル’(1911年)

マティス(1869~1954)が35歳の頃描いた‘帽子の女’は画集でもう何年もお付き合いしているから、目に焼きついている。コペンハーゲン国立美にある‘緑の筋のある女:マティス夫人の肖像’同様死ぬまでには一度みてみたいのだが、果たして縁があるだろうか。

固有の肌色はどこへやらといった感じの‘帽子の女’はサンフランシスコ在住の個人の所蔵。サンフランシスコ美でみれるという情報もあるので、この街を旅行する機会があれば対面できるかもしれない。じつはアメリカの西海岸はまだ行ったことがない。隣の方の話だとLAはビッグシティでサンフランシスコはシーフードが美味しいらしい。アメリカでこの2都市をはずすわけにはいかないから、なんとかしたい。

クリムト(1862~1918)の‘アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ’は6年前まではウィーンのヴェルベデーレ宮殿にあったが、現在は個人が所有している。同じくウィーンにあった‘肖像Ⅰ’(拙ブログ09/6/28)はNYのノイエ・ギャラリーにおさまった。このギャラリーはメトロポリタン美のすぐ近くにあり、この絵はみれるらしい。

肖像Ⅰは運良く03年ベルヴェデーレで遭遇したが、Ⅱのほうは縁がなかった。所蔵先が逆、つまりⅡがノイエにあれば鑑賞の機会もあったのだが、Ⅱとの距離はこの先も縮まりそうもない。今はBunkamuraあたりがこの絵をクリムト展に展示してくれることをかすかに夢見ている。

不健康で毒を含んだ人物画を描く画家というイメージが出来上がっているシーレ
(1890~1918)はいい作品を個人コレクターがかなりもっている。内面がよくでている‘ヌードの少女’はその鋭い眼差しに圧倒される。

シーレの描く女性よりさらに強いインパクトをもっているのがボッチョーニ(1882~
1916)の‘現代のアイドル’。未来派の絵は画面に光があふれスピード感を感じるのが特徴。この絵をはじめてみたとき、大きなイベント会場でミュージカル‘キャッツ’が近未来的な演出で上演されているのかと思った。

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2011.09.05

個人コレクション 夢の傑作選!(10)

3040_2             ルオーの‘最後のロマン主義者’(1937年)

3041_2         ブラマンクの‘酒場の女’(1900年)

3038_2          アンリ・ルソーの‘ジョゼフ・ブリュメルの肖像’(1909年)

3039_2     レジェの‘オレンジ色の人物’(1949年)

ルオー(1871~1958)の絵は出光美と汐留ミュージアムへ定期的に出かけているので、西洋画家のなかでは慣れ親しんでいる画家といえる。でも、手元の画集に載っている油彩でこれまでみたのは2割しかない。だから、代表作の見たい度はほかの画家の倍以上ある。

昨年パリのポンピドーセンターを訪問したとき、追っかけ画の‘見習い職人’や‘鏡の前の女’はまたしても姿をみせてくれなかった。また、08年のアメリカ美術館めぐりでも、必見リストに載せていたシカゴ美とボストン美蔵の作品にも会えずじまい。パリあたりでどーんと大ルオー展があればこれまでの状況を一気に変えられるのだが、今のところそういう情報は入ってない。

横顔の人物像に深い精神性がうかがえる‘最後のロマン主義者’は同じ構図で描かれた‘老いた王’(ピッツバーグ カーネギー協会蔵)とともに大変魅せられている。この2点は夢の絵で終わりそうだが、ボストン美にある横向きの‘ピエロの頭部’は望みがあるので、鑑賞の時をを静かに待ちたい。

ドイツ表現主義の画家グロスの絵を連想させるブラマンク(1876~1958)の‘酒場の女’は強いインパクトをもっている。映画の酒場のシーンではこういうふてぶてしい顔をした女が必ずいる。ブラマンクの風景画はあまり惹かれないのだが、この人物画は昔から気になっている。

アンリ・ルソー(1844~1910)の作品で惹かれているのは幻想的な熱帯風景を緑いっぱいに描いたものと正面向きの人物が手前にどんといる絵。‘ジョゼフ・ブリュメルの肖像’はルソー最晩年の作品。背景の草木の描写はジャングルの一部をもってきた感じ。

レジェ(1881~1955)の‘オレンジ色の人物’は一度みてみたい絵。レジェというと人間をオブジェ化し、キューブのような形で表現するというイメージがあるが、この絵ではそれがやわらぎ、マティスがのびやかな線で描いた女性の素描画をみているような気がする。

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2011.09.04

ウィーン美術史美でチェッリーニの‘金の塩入れ’がみたい!

3037_2           ウィーン美術史美の中央階段

3035_2            チェッリーニの‘サリエラ・塩入れ’(1543年)

3034_2          ‘アウグストゥスの至宝’(古代ローマ 10年頃)

3036_3       ‘エウトロピウスの像’(ビザンチン 5世紀後半)

ウィーンを旅行したのは8年前だから、また出かけてもいいなと思っている。次回も名所観光は最小限のお付き合いにとどめ、再度美術館を駆けずり回ることになりそう。

めざすところはウィーン美術史美、クリムトとシーレ関連の美術館、そして04年に開館したリヒテンシュタイン美。1日の自由行動ではこれくらいがいいところ。美術館ごとにお目当てのものがある。

クリムトの絵がとても気に入ってるので、心は全点制覇にむかっている。実現するかどうかは別にして一点でも多く接することができれば幸せ。未見のクリムト作品が3点残っているヴェルベデーレ宮殿では一気に済みマークをつけたいがうまくいくか。また、壁面装飾の傑作がある応用美術館にも是非足を運びたい。

最も期待しているのがリヒテンシュタイン美。ルーベンスの傑作‘クララ・セレナの肖像’との対面をとても楽しみにしている。室の高いコレクションで有名だから、ルーベンスのほかにもサプライズがあるにちがいない。

さて、メインディッシュの美術史美。お目当てはもう決まっている。絵画ではブリューゲルのまだみてない作品2点。そして1階の展示室にあるチェッリーニ(1500~1571)の金の塩入れ。‘彫刻のモナリザ’ともよばれこの傑作は03年10月に訪問したときはなかった(拙ブログ05/1/14)。5ヶ月前に盗まれていたのである。

これが幸運にも発見されたのは06年の1月。このニュースが新聞で報じられたときはわがことのように嬉しかった。これで鑑賞は仕切り直しになった。が、まだそれが実現してない。大げさにいうとウィーンヘ行きたいのはこの金細工があるから。ラフには数年以内なのだが、オスロでムンクの‘叫び’をみたいし、ロシア旅行でプーシキン美を訪問したいし、、順番を決めるのにいつも悩む。

美術史美の1階の展示室は彫刻や工芸品のある東ウイング(入って左手)しかみてなく、古代エジプト、ギリシャ・ローマ美術などが展示してある西ウイング(右手)はまったく足を踏み入れてない。だから、次はカメオの‘アウグストゥスの至宝’やビザンチンの肖像彫刻などをしっかりみるつもり。

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2011.09.03

もう一度行きたいエルミタージュ美術館!

3032_2     ‘鹿形楯装飾’(前7~6世紀)
  
3030_2     ‘アンフォラ形リュトン’(前4世紀)

3031_2     ‘ライオンと闘うヘラクレス’(ローマ時代のコピー 原作は前330年代)

3033_2         ‘ゴンザーガのカメオ’(前3世紀)

これまで出かけた海外の美術館のうち感動の大きさで1,2位を争うのはサンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美(拙ブログ05/9/6)。1999年に訪問し、館内に5時間いた。

このときは絵画鑑賞に多くの時間を割き、あとは頭がクラクラするほどすばらしい宝飾品、工芸品、室内装飾の部屋を興奮状態でまわった。なにしろ膨大なコレクションだから、5時間あってもこれくらいが精一杯。で、スキタイ文化の黄金の工芸品や古代ギリシャ・ローマの彫刻などはパスせざるをえなかった。

だから、次にここを訪問する機会があったら、遊牧民族スキタイの遺物が展示してある‘黄金の宝物庫’へイの一番に足を運ぼうと思っている。そのなかで最もみたいのが鹿の意匠を用いた装飾品。こうした動物意匠はほかにも猛獣や体をひねった動物のものなどがある。本物の前では夢中になりそう。

‘アンフォラ形リュトン’はスキタイの終盤につくられた銀製鍍金の酒の容器でギリシャの影響がみられる。黒海北岸にある古墳から出土。図版をみているだけでもその凝った図柄に魅せられる。早くみてみたい。

ギリシャ彫刻では前330年代の彫刻家リュシッポスの作とされる‘ライオンと闘うヘラクレス’がよさそう。また、紅縞瑪瑙でつくられたカメオも美術館自慢のお宝だろう。これは美術の本によく載っているから、カメオの傑作にちがいない。

こうした名品を一点々じっくり見たらツアーで予定されている2、3時間はあっというまにすぎてしまいそう、そうするとリカバリーをもくろんでいる絵画がみれるか心配。うまく時間配分をして思いの丈をとげたい。

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2011.09.02

芸術心に火とつけるベルリン美術館!

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3026_2          ‘王妃ネフェルティティ胸像’(前1340年頃 新博物館)

3027_2        ‘祈る少年’(前300年頃 旧博物館)

3028_2     ‘ペルガモンの大祭壇・アテナ群像’(前2世紀中期 ペルガモン博物館)

ベルリンにある美術館群は2年前‘週間 世界の美術館’(2冊)を手に入れたので、そのロケーションや所蔵作品がだいぶわかってきた。

これまで期待の絵画について2回(拙ブログ09/4/1010/8/22)とりあげたので、今回は彫刻の話。対面を心待ちにしているのが一度紹介したことのあるアマルナ美術の最高傑作‘王妃ネフェルティティ胸像’。今から3350年前にこれほど生感覚で美しい女性の彫像があったとは、恐るべし古代エジプト!とにかくこの胸像をみないとエジプト美術は済みにならない。

エジプトの遺物が展示されているのは博物館島の新博物館(拡大地図で)。ヘレニズム時代の初期につくられた‘祈る少年’が展示されているのはすぐ隣の旧博物館。これはブロンズ像、現存するブロンズは数が少ないから鑑賞意欲を掻き立てられる。

05年東博で‘ベルリンの至宝展’があり、新博物館、旧博物館、ペルガモン博物館が所蔵する古代エジプト、ギリシャ・ローマ、オリエントの美術を楽しんだ。そのとき出品されたものが‘世界の美術館’にいくつか載っている。頁が限られているこの美術本に出ているものは間違いなく美術館自慢のお玉。だから、古代遺物に関しては日本で一ラウンドをこなしたようなもの。

ペルガモン博の見所はなんといっても35m四方の大祭壇。周囲は神々と巨人族の戦いを描いた浮彫で飾られている。画像は東フリーズの‘アテナ群像’、蛇に噛まれ苦悩する男の姿が目に焼きついている。またここに立ちたい。

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2011.09.01

ミュンヘン古代彫刻美術館のお宝!

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3022_3                 ‘テネアのクーロス’(前560~550年頃)

3023_2     ‘瀕死の戦士’(前500~480年頃)

3024_3     ‘バルベリーニのファウヌス’(前220年頃)

西洋彫刻の鑑賞に力をいれようと2年前、分厚い彫刻の本‘世界の彫刻 1000の偉業’(二玄社 09年11月)を購入した。これと以前から手元にある‘岩波 世界の美術 ギリシャ美術’(00年12月)などに載っているものの中から狙いの作品を定めている。

ミュンヘンにある古代彫刻美に是非行ってみたくなったのはこうした本にとても惹かれるギリシャ彫像がいくつも載ってたから。市内の地図をみるとこの美術館は現在工事中のレンバッハハウスやアルテ・ピナコテークからはすぐ近くのところにある(拡大地図で)。

絵画や古代彫刻など見所いっぱいの美術館がこのような狭い範囲に集中する芸術エリアに身をおくと、芸術心がいやおうなく刺激され気分が高揚するにちがいない。28年前このことに気づいていたら、もっと豊かな美術体験ができたのに、、

肩幅が広くて髪が長くのびアルカイックスマイルをうかべるクーロス(若者)はNYのメトロポリタン美にあるものより5,60年後につくられた。作品の見栄えはこの2体が群をぬいていい。

アルカイック時代(前600~480年)の最後のころに制作された‘瀕死の戦士’は強い衝撃度をもった作品。地面にはいつくばり、今にも命が絶えようとしている兵士の姿には悲壮感が漂っている。ぐるっとまわりながらいろいろな角度からながめてみたい。

そして、紀元前3世紀頃つくられた‘バルベリーニのファウヌス’も美術館自慢のお宝だろう。こういうすばらしい彫刻をみないわけには行かない。来年のミュンヘン旅行が楽しみ。

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