古代ギリシャ彫刻の傑作が揃うナポリ国立考古学博!
‘美しいお尻のヴィーナス’(ローマ時代のコピー 原作は前1世紀頃)
‘瀕死のアマゾン’(ローマ時代のコピー 原作は前160年頃)
‘僭主殺害者群像’(ローマ時代のコピー 原作は前477年頃)
‘ファルネーゼのヘラクレス’(ローマ時代の改作 原作は前334~323年)
昨年ローマで国立博物館やカピトリーニ美をはじめて訪問し、念願だったギリシャ彫刻の傑作との対面を果たした。やはりローマは本場ギリシャのアテネなどとともに古代彫刻の宝庫。一生の思い出になった。思いの丈が叶ったので、ローマはしばらくお休み。心は次の目標、ナポリとフィレンツェに向かっている。
ナポリはこれまで2回訪れた。最初は今から28年前、そして2度目は06年。はじめてのときナポリ国立考古学博へ足を運んだ。ずいぶん前のことだから、何をみたかはほとんど忘れている。が、一つだけよく覚えている。それはポンペイから出土したモザイク画‘アレキサンダーとダリウスの戦い’。大王のまるまるした目が深く胸に刻まれている。
当時は‘週間 世界の博物館’のような気の利いた美術本はなかったから、まったくの観光客気分での鑑賞。だから、ここにとりあげた有名な彫刻も猫に小判になってしまう。今は作品の情報が前よりはあるので、みるべきところがしっかりみなくてはという気になっている。
ここには気を惹くヴィーナス像が3点ある。‘美しいお尻のヴィーナス’と‘カプアのヴィーナス’、そして頭部が欠けている‘シヌエッサのヴィーナス’。彫像の前に立つと脈拍数があがるかもしれない。また、珍しいポーズで描かれている‘瀕死のアマゾン’もとても気になる。
‘僭主殺害者群像’の原作は前477年頃つくられた青銅。この彫像は2人の英雄を主題にしたギリシャ美術における最初の公的な肖像。動きのある力強い姿に魅せられる。
ギリシャ神話を題材にした彫刻として一度紹介した‘ファルネーゼのヘラクレス’は是非お目にかかりたい作品。これはマケドニアの王、アレキサンダー(王位前334~323年)のお抱え彫刻家リュシッポスがつくったものを形をすこし変えたローマ時代のヴァージョン。
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