ゆったり鑑賞!東博総合文化展 雪舟・探幽・紫紅
‘後三年合戦絵巻 巻中’(重文 南北朝時代 1347年)
東博の総合文化展は平成館の空海展をみたあと、ものはついでだから寄ってみた。事前のHPチェックをしてないため、気楽な鑑賞。
本館2階の右手の部屋でじっくり見たのは‘後三年合戦絵巻’(展示は9/19まで)。この合戦絵はコンディションがすこし悪いので、戦っている人物の輪郭はつかみずらいところがある。でも、これがいいかもしれない。というのも、ここに描かれている戦いの場面は凄惨きわまりない。
首は刎ねられ刀の先に突き刺され、血潮がふきだす死体の側には切り取られた手首が転がっていたりする。このくらい戦慄が走り緊張感を強いられる絵はほかには岩佐又兵衛の絵くらいしかない。
東博には雪舟(1420~1506)の絵は6点あるが、‘四季花鳥図’はその一枚。これは鶴と竹が描かれた右隻のほう(部分)。前回みたのは2年くらい前だったような気がする。岩や竹の配置が絶妙で、視線は中央の横向きの鶴に釘付けになる。9/19までの展示。
2階左手の書画のコーナーには狩野派の絵がずらっと展示されている。そのなかでお気に入りは狩野探幽(1602~1674)の‘牛若丸図’(8/21まで)。背景には何も描かれてなく、牛若丸は左手を広げ見得を切ったようなしぐさをしている。歌舞伎をみているようで、客席から掛け声がかかりそう。
1階に降りるとちょうど書画の部屋の真下に近代日本画が展示してある。8/28までは横山大観の‘緑蔭’と‘長江之巻’、河鍋暁斎の‘地獄極楽図’、今村紫紅(1880~
1916)の‘近江八景’の4点。明る色調に惹きつけられる‘近江八景’は2年前にもとりあげた(拙ブログ09/8/28)。
名勝近江八景が画題として描かれるときは、画像の右から‘勢田夕照’、‘堅田落雁’、‘石山秋月’、‘矢走帰帆’となる。でも、紫紅は昔からお決まりの描き方に縛られてなく、石山には月が描かれてない。
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