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2011.08.31

イタリアにまだある追っかけ彫刻!

3020_2     ‘狩をするアレキサンダー’(前300~250年 ローマ ヴィラ・ジュリア博)

3018_2  ドナテッロの‘ガッタメラータ騎馬像’(1447~53年 パドヴァ イル・サント広場)

3021_3ベルニーニの‘コスタンツァ・ボナレッリの肖像’(1635年 フィレンツェ バルジェロ博)

3019_2 マデルノの‘聖チェチリア’(1600年 サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂)

ヨーロッパの美術館や教会で絵画や彫刻をみてまわる場合、お目当ての作品がすんなりみれるときもあれば、運悪く美術館が工事のため閉まっていたり、どこかへ貸し出し中だったりで思いの丈をはたすことができないときもある。

絵画に比べると彫刻の展覧会はそう度々は開かれないから、ほかの美術館へ貸し出し中ということはあまりなく、作品の修復といった特別な期間にぶち当たらなければ期待通りに対面できることが多い。

ローマでまた美術めぐりをするときはこれまでの訪問で見逃したもののリカバリーが中心、だから、ひとつひとつの美術館や教会にいる時間は短いかもしれない。

06年のとき出かけたヴィラ・ジュリア博ではいまひとつ釈然としないことがあった。お目当てのエトルリア彫刻‘夫婦の陶棺’(拙ブログ06/5/26)はしっかりみたのだが、館を出て図録をみたときそこにみたかどうかはっきりしないものが載っていた。図版だけでも心が揺すぶられるリュシッポス作‘狩をするアレキサンダー’。

はじめての美術館の場合、展示のレイアウトがわからないため、あっちへ行ったりこっちへ行ったりで全部の部屋をみたかどうかはあやふや。これだけダイナミックな動きをしたブロンズなら足がとまるだろうと思ったりもするが、忙しくまわったので見落とした可能性もある。残念な思いが募っているので、なんとかリカバリーしたい。

ローマにはもう一点とても興味を惹かれる作品がある。それはブログ‘イタリア黒猫日記’を書いておられるAyumiさんに教えてもらった‘聖チェチリア’。これをつくった彫刻家はマデルノ(1576~1636)。

サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂の地下に3世紀のころキリスト教徒迫害をうけ殉教したチェチリアの墓があり、この彫像が飾られている。聖女の顔がベールにおおわれてみえない。インパクトのありすぎる彫刻なので、図版をみた瞬間この聖堂へ行こうと思った。

前回展示室が工事中でみれなかったベルニーニ(1598~1680)の愛人の肖像彫刻もなんとかしたい作品。また、パドヴァへ出かけスクロヴェーニ礼拝堂に描かれたジョットの壁画をみたあとは、ルネサンス時代になりドナテッロ(1387~1466)がはじめて制作した騎馬像の前に立ちたい。

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2011.08.30

フィレンツェの忘れもの ドナテッロ!

3014_2             ‘ハバクク’(1427~35年 ドゥーモ付属美)

3016_2         ‘聖マルコ’(1411~13年 オルサンミケーレ聖堂)

3015_2     ‘聖歌壇’(1433~39年 ドゥーモ付属美)

3017_2     ‘12使徒’(1433~43年 サン・ロレンツォ聖堂)

フィレンツェは昨年行ったばかりなので次はすこし間があくかもしれないが、どこを中心にまわるかはもう決めてある。そのひとつがドゥーモの裏のところにある付属美術館。前回は生憎工事のため閉まっていた。

ここは最初の訪問のとき入館し、ミケランジェロの‘ピエタ’を目に焼き付けた。彫刻でもう一点よく覚えているのは髪がびっくりするほど長い‘マグダラのマリア’。これはとてもインパクトのある作品だから忘れようがないが、これをつくった彫刻家ドナテッロ(1387~1466)の印象はミケランジェロと比べると分が悪いのは否めない。だから、ほかの作品の記憶はまったくとんでいる。

で、27年前のリカバリーを果たそうと意気込んでドゥーモへ。ところが開いてなくガックリ。どうしてもみたいのは異様な頭部をした‘ハバクク’。強烈な印象を与える顔である。この彫像は当時市民からはズッコーネ(かぼちゃ頭)の愛称で親しまれていたという。

付属美にはもうひとつ見逃せないものがある。それはドゥーモ内に設置されていた装飾彫刻の‘聖歌壇’。長い大理石から彫り出されたプットーの生き生きとした踊りをじっくりみてみたい。

ドナテッロのリアリズムを極めた作品のすばらしさはバルジェロ国立博物館で体験した‘ダヴィデ’や‘聖ゲオルギウス’(拙ブログ10/2/17)で腹の底から実感した。何人かの彫刻家によってつくられた聖人像のあるオルサンミケーレ聖堂へ行ったかどうかは記憶があいまい。建物の四方に穿たれたくぼみに置かれた‘聖マルコ’(現在はレプリカ、本物は聖堂の中に展示)はドナテッロが制作したもの。これもみごたえがありそう。

昨年11月、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美でみたドナテッロの浅浮彫に大変魅了された。で、サン・ロレンツォ聖堂の聖具室にある浅浮彫のブロンズの小扉もみたくなった。ドナテッロは二つ制作し、‘12使徒’と‘殉教者’が表されている。これらと対面するのがとても楽しみ。

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2011.08.29

古代ギリシャ彫刻の傑作が揃うナポリ国立考古学博!

3010_2      ‘美しいお尻のヴィーナス’(ローマ時代のコピー 原作は前1世紀頃)

3011_2     ‘瀕死のアマゾン’(ローマ時代のコピー 原作は前160年頃)

3012_3       ‘僭主殺害者群像’(ローマ時代のコピー 原作は前477年頃)

3013_2       ‘ファルネーゼのヘラクレス’(ローマ時代の改作 原作は前334~323年)

昨年ローマで国立博物館やカピトリーニ美をはじめて訪問し、念願だったギリシャ彫刻の傑作との対面を果たした。やはりローマは本場ギリシャのアテネなどとともに古代彫刻の宝庫。一生の思い出になった。思いの丈が叶ったので、ローマはしばらくお休み。心は次の目標、ナポリとフィレンツェに向かっている。

ナポリはこれまで2回訪れた。最初は今から28年前、そして2度目は06年。はじめてのときナポリ国立考古学博へ足を運んだ。ずいぶん前のことだから、何をみたかはほとんど忘れている。が、一つだけよく覚えている。それはポンペイから出土したモザイク画‘アレキサンダーとダリウスの戦い’。大王のまるまるした目が深く胸に刻まれている。

当時は‘週間 世界の博物館’のような気の利いた美術本はなかったから、まったくの観光客気分での鑑賞。だから、ここにとりあげた有名な彫刻も猫に小判になってしまう。今は作品の情報が前よりはあるので、みるべきところがしっかりみなくてはという気になっている。

ここには気を惹くヴィーナス像が3点ある。‘美しいお尻のヴィーナス’と‘カプアのヴィーナス’、そして頭部が欠けている‘シヌエッサのヴィーナス’。彫像の前に立つと脈拍数があがるかもしれない。また、珍しいポーズで描かれている‘瀕死のアマゾン’もとても気になる。

‘僭主殺害者群像’の原作は前477年頃つくられた青銅。この彫像は2人の英雄を主題にしたギリシャ美術における最初の公的な肖像。動きのある力強い姿に魅せられる。

ギリシャ神話を題材にした彫刻として一度紹介した‘ファルネーゼのヘラクレス’は是非お目にかかりたい作品。これはマケドニアの王、アレキサンダー(王位前334~323年)のお抱え彫刻家リュシッポスがつくったものを形をすこし変えたローマ時代のヴァージョン。

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2011.08.28

メトロポリタン美のお楽しみ彫刻!

3009_2     ‘竪琴を弾く人’(前3000年)

3008_3              ‘クーロス(若者の像)’(前7世紀末)

3005_2          ベルニーニの‘バッコス祭 子どもたちがじゃれつくファウヌス’

3006_2     カノーヴァの‘メドゥーサの頭をもつペルセウス’(1806年)

メトロポリタン美の絵画部門は08年のときお目当ての絵とだいたい対面したから、今はリラックスモード。で、次の訪問では、大半の時間を絵画以外の美術品の鑑賞にあてようと思っている。

ここの美術館の収蔵品も多岐にわたっているから、限られた時間を目いっぱい楽しむためにはやはりどこの部屋を集中的にみるかを事前に決めておく必要がある。エジプトは済んだので、いの一番にめざすことにしているのはギリシャ彫刻。

素朴な味わいのあるキュクラデス石像に大変魅了されている。女性の像が多いが、これは音楽を奏でる男性。古代ギリシャの大理石像のなかで◎はクーロス。ここにあるのは最古のもので、その姿はエジプト彫刻の影響を受け随分縦長。有名な彫像だからじっくりみてみたい。

以前館内をざあーっとみてまわったときはベルニーニ(1598~1680)に開眼してなかったから、あの神業的な感情表現のみられる彫刻作品がここにあることは知る由もなかった。美術本に載っているベルニーニ作品で残っているのは片手くらい、これからは時間がかかるのでみれる可能性のあるものは着実にみておきたい。

ベルニーニの彫刻の次に心のなかを占領しているのがカノーヴァ(1767~1822)。昨年ローマでカノーヴァの新古典派様式の作品をいくつかみて、その高い芸術性にすごく感銘をうけた。このペルセウスもこの目でという思いが強い。カノーヴァはこの彫刻を二体つくっている。ナポレオン軍によってフランスに運ばれたヴァティカンの‘ベェルヴェデーレのアポロン’に替わって置かれたのが一作目で、これは二作目。

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2011.08.27

ルーヴル美の追っかけ彫刻!

3004_3     ‘サンダルの紐を結ぶヘルメス’(ローマ時代、オリジナルは紀元前4世紀)

3001_3        ‘戦う戦士(ボルゲーゼの剣闘士)’(紀元前100年頃)

3002_3  ‘眠るヘルマプロディトス’(ローマ時代、オリジナルは紀元前150~100年頃)

3003_2     チェッリーニの‘フォンテンヌブローのニンフ’(1543年)

次のパリがいつになるかは確定してないが、どこの美術館を回るかはおおよそ決めてある。まず足を運びたいのは展示スペースを増やし見せ方を一新したオルセー。どんなスタイルで印象派やポスト印象派、そして象徴派の作品はみることになるのか、とても楽しみ。

主要作品をだいたい目に入れたオルセーは気楽にまわれるのに対し、ルーヴルはまた忙しい鑑賞になりそう。そのときのお目当ては絵画ではなく、彫刻や工芸品。昨年ローマでギリシャの古代彫刻の傑作を沢山みて、心は彫刻の世界へ突き進んでいる。

彫刻関連の本を手にすると、大英博とルーヴルの彫刻群には見逃せない作品がぞろぞろでてくる。とくにルーヴルはみてないものが多い。だから、旅行の日程も決まってないのに必見リストだけは大方できあがっている。あとはでかけるきっかけをつくるだけ。

ギリシャでつくられたオリジナルのものをローマ時代にコピーした作品で目をひくのは動きのある彫像の‘サンダルの紐を結ぶヘルメス’とか‘アルテミスと雌鹿’。また、美しい背中やお尻に見蕩れてしまう‘眠るヘルマプロディスト’も気になってしょうがない。

見たい度の一番は紀元前100年頃につくられた‘ボルゲーゼの剣闘士’。この闘う剣闘士の姿はローマ国立博や大英博にある‘円盤投げ’と同じくらい強く惹きつけられる。いまにも動き出しそうな人物像はかぎりない魅力をひめている。

チェッリーニ(1500~71)のマニエリスム彫刻‘フォンテンヌブローのニンフ’は大きなブロンズ高浮彫。ルネサンス以降の彫刻で有名なのはミケランジェロの二体の‘奴隷像’、これは以前館全体を急ぎ足でみたときはエジプトの石像同様しっかりみた。でも、当時はチェッリーニって誰?という感じだから、その作品にはまったく縁がない。次は目に気合をいれてみるつもり。

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2011.08.26

大英博物館 気になるお宝はこれ!

2998_3      グレート・コート

2999_2     ‘狩猟の図’(紀元前1400年頃)

3000_2     ‘死ぬ雌ライオン’(紀元前645年頃)

2997_2     ‘サットン・フーの鉄製兜’(7世紀頃)

‘週間一度は行きたい 世界の博物館’(朝日新聞出版)の創刊号と2号は大英博物館、2冊とも買ったがもう1冊(18号)でるようだ。ルーヴル(2冊)とともに別格扱いなのも、その収蔵品の多さ(現在800万点以上)を知れば合点がいく。

前回ここを訪問したのは1990年。だから、館内がどうなっていたかはアバウトにしかわからなくなっている。この本に興味深々のものがあった。それは2000年にできた新たなシンボル、グレート・コート。正面入り口を入ったところにでーんとできていた!完成してからだいぶ経っているのにこの情報がインプットされず、08年と昨年ロンドンへ行きながら大英博は2回ともパス。なんとも間が抜けていた。

大英博でこれまで熱心にみたのはエジプトとギリシャ、アッシリアのコーナー。でも、見落としがいくつかある。エジプトではロゼッタストーンや厚い唇をしたエジプト王の頭像、そしてミイラばかりに気をとられ、すばらしい壁画‘狩猟の図’の記憶がない。次回はいの一番にこれをみるつもり。

古代アッシリアの遺物で惹かれているのは巨大な‘人面有翼守護像’と石板のレリーフ。夢中になってみたレリーフのなかで今でも目に焼きついているのが‘死ぬ雌ライオン’と‘ライオン狩り’。エジプトのカイロへ出かけピラミッドやスフィンクスを体験したから、イランのペルセポリスにも行ってみたいのだが、治安の関係で今はしり込みしている。

これから開拓したいところの一つがケルト、アングロサクソンのコレクション。そのなかでとくに気になっているのが‘サットン・フーの鉄製兜’。これはアングロサクソンの巨大な船葬墓から出土したもの。じつにカッコいい兜で、目の穴がとても精悍にみえる。はやくこの兜の前に立ちたい。

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2011.08.25

もっと見たいやきものの名品!

2996_2     ‘志野水指 銘古岸’(重文 16~17世紀 畠山記念館)

2993_2     ‘織部松皮菱手鉢’(重文 17世紀 北村美)

2994_2     ‘絵唐津松文大皿’(重文 16~17世紀 梅澤記念館)

2995_2     ‘色絵獅子牡丹文銚子’(重文 17世紀 文化庁)

やきものの展覧会は年に5,6回くらいみる機会がある。今年の予定は新しい情報が出てこなければあと2回。現在千葉市美で行われている浅川兄弟の朝鮮陶磁コレクション展と10月からはじまる静嘉堂文庫の朝鮮陶磁名品展。

毎年せっせとやきものの名品をもとめて美術館にでかけているが、追っかけリストに載せているものとめぐり会うペースはまことにのろい。対面を待ち望んでいるのは中国のものも含めて17点。そのなかに国宝が1点、重文が7点ある。今日とりあげるのは全部重文。

畠山記念館へは5年くらい通い、図録に載っている名画ややきものの優品はだいたい見終わった。で、今は残りの‘志野水指 銘古岸’の展示をじっと待っているところ。これは益田鈍翁が所蔵していたもの。美術館はどこも名品は出したがらないが、この志野は7年も待っているのにまだでてこない。

京都にある北村美は与謝蕪村の傑作‘鳶鴉図’を所蔵している美術館として以前からインプットされているが、訪問したことはない。ここにある織部の名品(これも益田鈍翁旧蔵)は94年愛知県陶磁資料館で開催された‘東洋陶磁名品展’でみたことになっている。

図録にあるのだからみてるはず。ところが、これをみたという記憶がない。ほかの作品に関心がいっていたためと思うが、美術鑑賞の体験が浅いときはこういう猫に小判状態がよくおこる。展覧会のあと、美術本によってその作品の価値を知らされるのだが、そのリカバリーに長い時が流れることになる。次回京都へ行ったとき訪問してみるつもり。

‘絵唐津松文大皿’と古九谷様式の‘色絵獅子牡丹文銚子’も同じく陶磁資料館に出品されたもの。‘絵唐津松文大皿’はよほど絵唐津に縁がないのか、96年有田にある九州陶磁文化館であった‘文明とやきもの展’でも見逃した。以来、ずっとこの名品をみる機会がない。

これを所蔵する梅澤記念館はJR中央線の水道橋駅と御茶ノ水駅のちょうど中間あたりにあるはずなのだが、いろいろ調べてみると美術館としては存在してない。だから、今はやきもの作家とか美術評論家、ごく一部のやきもの愛好家などにしか公開してないのかもしれない。果たして、目の前に現れてくれるだろうか?

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2011.08.24

‘週間一度は行きたい 世界の博物館’で博物館情報をゲット!

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8月から発行がはじまった‘週間一度は行きたい 世界の博物館’(全50冊 朝日新聞出版)を早速購入した。価格は創刊号‘大英博物館Ⅰ’は390円で、2冊目からは580円。

50冊でとりあげる博物館は海外が40館、国内が東博など5館(拡大で)。この週間の美術館シリーズは海外の美術館めぐりをするとき大変役に立つ。手元にあるのは、
★ラミューズ 世界の美術館(全50冊 講談社 92~93年)
★週間 世界の美術館(全80冊 講談社 08~10年)

ラミューズは全冊揃えたが、08年からスタートした新シリーズはラミューズになかったものやお気に入りの美術館など20冊ばかり。さて、この博物館シリーズはどのくらい購入することになるか。

ここ数年間に訪問した海外の美術館では絵画を中心にみてきたので、ルーヴルでも彫刻や古代の遺品などはパスが続き、大英博物館にいたっては長いことを足が遠ざかっている。彫刻に熱が入りだしたのは昨年のイタリア旅行から。ローマの国立博やカピトリーニ美を体験し、心は次の目標に向かっている。

このシリーズには嬉しいことにお目当ての博物館が入っている。例えば、ナポリ国立考古学博、フィレンツェ国立考古学博、ドイツ博&ベルリン美、新アクロポリス博。再訪を検討しているところではアテネ国立考古学博、エルミタージュ美、クレムリン博、ウィーン美術史博。

こうした週間の美術雑誌シリーズでは展示品のビジュアルなみせ方と館内展示のレイアウト、そして頁の終わりについている‘博物館周辺ガイド’とか‘パリの美術スポット’が重宝する。また1年くらい本屋にちょくちょく寄ることになりそう。

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2011.08.23

岡田三郎助の花の絵にびっくり仰天!

2987_2         ‘西洋婦人像’(1900年)

2988_2          ‘支那絹の前’(1920年)

2989_2          ‘野菊と薔薇’(1924年)

2990_2     ‘伊豆山風景’(1935年)

佐賀県に生まれた岡田三郎助(1867~1939)の作品をまとまった形でみるのは今回がはじめて。この洋画家ついては作品より名前のほうが先行。贔屓の竹久夢二の師匠として岡田三郎助の名前がインプットされた。これが15年くらい前のこと。そして、作品に遭遇したのは06年新橋の東京美術倶楽部で開催され多くの観客を集めた‘大いなる遺産 美の伝統展’。

このときの絵は今回の回顧展に出品されている‘あやめの衣’。この絵は同じ年東近美の‘揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに’展にも登場した。コレクター福富太郎が所蔵していたものだが、現在は箱根のポーラ美におさまっている。女性画で顔の見えない絵はロートレックの‘赤毛の女’を除いて心を動かされないので、これは拙ブログではとりあげない。

岡田三郎助の絵をみる機会はもう数回あった。07年の‘日展100年’展(国立新美)でみた‘萩’(兵庫県美)やなにかの展覧会にでていた‘西洋婦人像’(佐賀県美)、‘支那絹の前’(高島屋)、そしてブリジストン美の平常展に飾ってあった‘婦人像’。で、これまでみたのはわずか4点。

この展覧会にでているのは女性画、風景画など40点あまり。これで岡田三郎助の画業がおおよそつかめた。美術本に載っている作品がかなり集まっているので、藤島武二同様、質の高い回顧展であることはまちがいない。

女性画は一通りみたあともう一度少し離れてみたが、やはり惹かれたのはフランスに留学していたときに描かれた‘西洋婦人像’と衣裳の緻密な描写が群を抜いている‘支那絹の前’。

展示の最後のほうに驚愕の絵があった。それは‘野菊と薔薇’(鉄道博物館)。一瞬、昨年のグランパレにでていたモネの花の絵(拙ブログ10/12/3)をみているのではないかと錯覚した。また、あの輝くような色彩で描かれたルドンの花をも連想させる。しばらく立ち尽くしてみていた。この絵は摂政宮(のちの昭和天皇)の御料車に飾られていた絵。そういう特別の絵だから、岡田三郎助は渾身の力で描きあげたのだろう。これは一生の思い出になる。

風景画にも魅せられるものが多い。‘ローマの古橋’は小品だが印象派の絵のように画面に光が満ちあふれているし、岩が海に向かって手前から遠くまで連続的にせりだす雄大な‘伊豆山風景’にも惹きこまれる。

この2人展で関心の的は藤島武二だった。ところが出かけてみると大きな感動をもらったのはあまり期待してなかった岡田三郎助のほう。この画家がこれほどの画力をもっていたとは。これまでいだいていた洋画家の序列がいっぺんに変わった。

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2011.08.22

そごう美の‘藤島武二・岡田三郎助展’! 藤島武二

2985_2     ‘婦人と朝顔’(1904年)

2986_2          ‘西洋婦人像’(1908~09年)

2983_2     ‘港の朝陽’(1935年)

2984_2         ‘室戸遠望’(1935年)

現在、横浜そごうでは‘藤島武二・岡田三郎助展’(7/28~9/4)が開催されている。まず、鹿児島出身の藤島武二(1867~1943)から。

この二人展の情報を得たとき、心がときめいた。ひょっとして藤島武二の待ち焦がれている絵‘芳蕙(ほうけい)’と‘チョチャラ’(拙ブログ09/12/24)がみれるのではないかと。しかし、チラシには2点とも載ってなかった。図録には石橋美蔵の‘チョチャラ’がでているから、巡回先の三重県美(9/10~10/23)かひろしま美(10/29~12/11)のどちらかで展示されるのだろう。どうもこの絵とは相性が悪い。

表紙に使われている‘婦人と朝顔’(個人)をみるのは二度目。浮世絵の大首絵のような肖像画で背景の朝顔と美形の女性が一体になった画面構成にとても魅せられる。それにしてもこの女性は美しい。誰かに似ている、そう演歌歌手の藤あや子!

この絵が装飾的な雰囲気をもっているのに対し、‘西洋婦人像’(島根県立石見美)はのびやかな筆使いで目に力のあるイタリア人女性を力強く造形している。この絵は画家がローマに滞在していたときに描いたものだが、同じモデルを正面からとらえたものを福岡市美でみたことがある。

藤島武二は晩年、風景画の制作に没頭している。テーマは‘日の出’。1937年に完成した献上画‘旭日照六合’(三の丸尚蔵館)との対面をちょっぴり期待したが、これもダメだった。だから、待望の回顧展なのに追っかけ画3点は全敗。絵画の鑑賞に必要なのは忍耐力。気長に待つしかない。

山や海の日の出を描いた作品は7点ある。お気に入りは東近美でお馴染みの‘港の朝陽’と泉屋博古館分館が所蔵する‘室戸遠望’。‘港の朝陽’はぱっとみるとモネの‘印象日の出’(マルモッタン美)がダブってくる。

室戸岬はまだ行ったことがないが、海は‘室戸遠望’のような目に沁みる青色をしているのだろう。岩に当たって砕ける白波の輝やきが心に深く刻まれる。今日、NHK夜六時台の関東圏ニュースで小笠原諸島の風景をヘリコプターから撮影した映像を流していた。その海の青さと岩にあたる白い波はこの絵そっくり。室戸にも小笠原にも行きたくなった。

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2011.08.21

草間彌生の世界巡回展がみたい!

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2982     ‘かぼちゃ’(1999年 松本市美)

昨日の正午頃、たまたまBSプレミアムにチャンネルをまわしたら草間彌生を特集した美術番組をやっていた。7/16に放送されたときはあまり乗り気でなくパス。これはその再放送だが、見終わったあとは番組に引き込んでくれたミューズに手をあわせた。

番組のタイトルは‘世界が私を待っている、前衛芸術家草間彌生の疾走’、1部、2部あり全部みると3時間になる。そのなかに興味深い情報がいくつもあった。現在、欧米で
YAYOI KUSAMAの人気が上がっているという。

そこでビッグな4つの美術館の共同企画により草間彌生の世界巡回展が今年から来年にかけて行われることになった。スタートはマドリードのソフィア王妃アートセンター。そのあとパリ、ロンドン、NYで開催される。

★ソフィア王妃アートセンター:5/10~9/18
★ポンピドゥーセンター:10/10~12/1/9
★テート・モダン:2/8~5/20
★ホイットニー美:未確認

草間彌生の回顧展は一度東近美(04年10月)で体験した(拙ブログ05/6/22)。画像はそのときの図録の表紙。そのあとはどこかのアートフェアで最新作を数点みた程度だから、世の中に大勢いる草間ファンのようにKUSAMAワールドにつつまれているわけではない。

でも、回顧展やアートフェアでみたかぼちゃの絵が大変気に入っている。黄色の地に大小の黒の点々で造形されたこの大きなかぼちゃはオブジェとなって、国内ではベネッセアートサイト直島とか病院とか、海外では台湾の農業研究所の施設などに設置されている。パリのグランパレで行われた世界的なアートフェアには最新作のオブジェが展示されていたが、その人気は高くすぐ買い手がついた。

この世界巡回展のために草間は100点新作を制作した。82歳にしてこの創作エネルギーは驚異的。そのうち16点が展示されたソフィアでは、感想を聞かれた若い女性は‘これを描いた作家は40歳くらいじゃない’と言っていた。誰だってこの絵を80歳をすぎた女性が描いたとは思わない。草間彌生はやはり規格外の大アーティスト。

ホイットニー美の日程がわからないが、NYへでかけてみたくなった。

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2011.08.20

ゆったり鑑賞!東博総合文化展  雪舟・探幽・紫紅

2978_3     ‘後三年合戦絵巻 巻中’(重文 南北朝時代 1347年)

2977_2     雪舟の‘四季花鳥図屏風’(重文 室町時代 15世紀)

2980_4       狩野探幽の‘牛若丸図’(江戸時代 17世紀)

2979_3     今村紫紅の‘近江八景’(重文 1912年)

東博の総合文化展は平成館の空海展をみたあと、ものはついでだから寄ってみた。事前のHPチェックをしてないため、気楽な鑑賞。

本館2階の右手の部屋でじっくり見たのは‘後三年合戦絵巻’(展示は9/19まで)。この合戦絵はコンディションがすこし悪いので、戦っている人物の輪郭はつかみずらいところがある。でも、これがいいかもしれない。というのも、ここに描かれている戦いの場面は凄惨きわまりない。

首は刎ねられ刀の先に突き刺され、血潮がふきだす死体の側には切り取られた手首が転がっていたりする。このくらい戦慄が走り緊張感を強いられる絵はほかには岩佐又兵衛の絵くらいしかない。

東博には雪舟(1420~1506)の絵は6点あるが、‘四季花鳥図’はその一枚。これは鶴と竹が描かれた右隻のほう(部分)。前回みたのは2年くらい前だったような気がする。岩や竹の配置が絶妙で、視線は中央の横向きの鶴に釘付けになる。9/19までの展示。

2階左手の書画のコーナーには狩野派の絵がずらっと展示されている。そのなかでお気に入りは狩野探幽(1602~1674)の‘牛若丸図’(8/21まで)。背景には何も描かれてなく、牛若丸は左手を広げ見得を切ったようなしぐさをしている。歌舞伎をみているようで、客席から掛け声がかかりそう。

1階に降りるとちょうど書画の部屋の真下に近代日本画が展示してある。8/28までは横山大観の‘緑蔭’と‘長江之巻’、河鍋暁斎の‘地獄極楽図’、今村紫紅(1880~
1916)の‘近江八景’の4点。明る色調に惹きつけられる‘近江八景’は2年前にもとりあげた(拙ブログ09/8/28)。

名勝近江八景が画題として描かれるときは、画像の右から‘勢田夕照’、‘堅田落雁’、‘石山秋月’、‘矢走帰帆’となる。でも、紫紅は昔からお決まりの描き方に縛られてなく、石山には月が描かれてない。

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2011.08.19

二度目の‘橋ものがたり’展!

2976_2     ‘志野茶碗 銘 宇治橋’(桃山時代 16~17世紀)

2975_2     伊藤若冲の‘乗興舟’(江戸時代 18世紀)

2974_2     葛飾北斎の‘諸国名橋奇覧・かめゐど天神たいこばし’(江戸時代 19世紀)

2973_2     歌川広重の‘東都両国遊船之図’(江戸時代 19世紀)

三井記念美で行われている‘橋ものがたり’展(7/9~9/4)にまた出かけ、残りの作品を楽しんだ。前半はなんといっても雪舟の‘天橋立図’(拙ブログ7/15)に感動させられたが、この度は橋の絵のヴァリエーションを増やすのが目的。

工芸の意匠に使われた橋で興味深かったのが志野茶碗。‘銘宇治橋’、‘銘住吉’、‘銘橋姫’の3点がでている(通期展示)。胴に描かれた反橋に茶人たちのそのときの気分で宇治橋や住吉大社の太鼓橋に見立てたり、あるいは源氏物語をイメージしたりした。

伊藤若冲(1716~1800)の白黒が反転した拓本画の画巻‘乗興舟’を所蔵している日本の美術館は三井記念美、京博、大倉集古館、そして千葉市美。若冲の作品に風景画は珍しく、この絵と‘石灯籠図屏風’(京博)くらいしかない。

この‘乗興舟’は若冲が伏見から天満橋までの淀川下りを楽しんだときの情景が描かれている。画像は最後の天満橋のところ。ぱっとみると川の水面と陸の墨の関係に面食らうが、じっとみていると陸地のところが濃い墨で水面や橋がうすい墨になっていることに気づく。

浮世絵は前半同様見ごたえあるものが揃っている。まさに橋尽くし。長く見ていたのは北斎(1760~1849)の半円のフォルムが印象的な‘かめゐど天神たいこばし’と広重(1797~1858)のワイド画面の‘東都両国遊船之図’(三枚続)。

橋にかんする情報のスケルトンがこの橋ものがたり展で頭のなかにできた。美術に接していると日本各地の名所や古典文学のことなどいろんなことがわかってくる。

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2011.08.18

東博浮世絵エンターテイメント!英泉・広重‘木曾街道六捨九次’

2969     渓斎英泉の‘木曾街道六捨九次之内 日本橋 雪之曙’

2970     渓斎英泉の‘木曾街道六捨九次之内 大宮 富士遠景’

2971     歌川広重の‘木曾街道六捨九次之内 長久保’

2972     歌川広重の‘木曾街道六捨九次之内 本山’

現在、東博の浮世絵コーナーでは渓斎英泉(1791~1848)と歌川広重(1797~
1858)の合作‘木曾街道六捨九次’が展示されている。日本橋から大津までのシリーズ全体70点が2回にわけられ、日本橋から奈良井宿まで35点が8/21まで展示され、残りが次回でてくる。

広重の‘東海道五捨三次’に続くこの街道物は最初は渓斎英泉が天保6年(1835)頃から描いていたが、売れ行きが悪く24点でおしまい。そのあと版元も変わり、残りを引き継いだ広重が天保13年(1842)頃に完成させた。

英泉の絵はうまく描けていると思うが、全部が々江戸の人たちの心をとらえることができなかったのだろう。‘日本橋 雪之曙’は活気あふれる光景が描かれている。斜め構図の日本橋には威勢のいい魚売りや大八車を押している男たちがみえる。左側が魚河岸。

‘大宮 富士遠景’は桜の木の間におさまった富士の姿と道が手前から右に進みそこからぐるっと富士のほうへむかって曲がっていく構図に魅せられる。左の親子と真ん中の旅人が逆の方向へ歩いてるので、街道が左右に広がっていることがイメージでき、足音が聞えてくるよう。

広重の‘長久保’はシルエットで描かれた橋とそこを行きかう人々の姿が心を揺すぶる。憎いくらいに上手いのが月を松で隠すところ。しかも、広重はその詩情あふれる光景を手前で馬を曳く馬方にじっとみさせている。

‘名所江戸百景’の一枚を見ているような大胆な構図で描かれたのが‘本山’。街道にどーんと覆いかかる松の大木。これは実景?松の木にクロスするように焚き火の煙が立ちのぼり、その煙の左右には柴を籠にいっぱい入れた男の子が歩いている。

一見すると平板な絵だが、右の男の子は坂を下り、左の旅人は山道を上がってきているので画面の前後左右で凹凸ができている。広重はこういう空間構成が天才的に上手い。

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2011.08.17

第17回‘秘蔵の名品 アートコレクション展’に傑作が集結!

2968_2     横山大観の‘くよく’(1926年 三の丸尚蔵館)

2966_2     東山魁夷の‘萬緑新’(1961年 宮内庁)

2965_2     片岡球子の‘西湖の富士’(吉野石膏美術振興財団)

2967_2     岡鹿之助の‘運河’(1967年)

ホテルオークラ恒例の‘アートコレクション展’(8/6~28)は毎年顔をだしているが、今年は東日本大震災復興を支援する特別のチャリティーイベントなので、名品のラインナップはいつもの年の倍くらいいい感じ。東博の空海展のあとオークラに寄ると芸術心の火は一週間燃え続けることは請け合い。

日本画家、洋画家58人はすべて文化勲章の受章者。作品の数は全部で90点。このうち横山大観の‘夜桜’(拙ブログ09/5/5)と竹内栖鳳の‘蹴合’(ともに大倉集古館蔵)は後期(8/16~28)のみの展示でみれなかった。

このコレクション展はいつもミニ図録(300円)と絵はがきを販売している。図録を買うと最も気に入った作品を投票することができ、応募すると抽選でオークラの宿泊券などが当たることになっている。で、毎年これを楽しみに投票しているのだが、まだホテルからのご招待がない。

今年投票した絵は1959年に文化勲章を受章した川端龍子の‘鯉’。六曲一双の屏風に鯉の群れがどーんと描かれている。すばらしい鯉の絵で立ち尽くしてみていた。図録にも載っておらず、絵葉書がないので残念ながらおみせできない。これを所蔵しているのは宗教法人 妙智會教団。どこにあるの?

龍子は鯉描きの名手であり、山種や三の丸尚蔵館などにある鯉の名画は全部みたつもりだったが、こんないい絵が残っていた!こういうまさに秘蔵の名品がひょこっとでてくるところがこのコレクション展の一番の魅力。感動を再生できる図版がないので、当面は目に焼き付けた絵のイメージを反復。

ここにとりあげた作品は片岡球子(1905~2008)の富士山を除いて鑑賞したことのあるもの。花鳥画がさほど多くない横山大観(1868~1958)の‘くよく’はとても気に入っている絵。皇后に献上された絵だけに完成度は高く、墨の濃淡とにじみにより鳥の姿をじつに丁寧に描いている。くよくはムクドリの一種で‘叭叭鳥’とも‘ハッカチョウ’とも呼ばれる。

もともとこの鳥は中国南部からベトナムに生息しており、大観は当時宮中に飼育されていた鳥を借りてスケッチし、この献上画と大観記念館にある‘叭叭鳥’の2点を描きあげた。鳥の絵では小林古径の傑作‘木莬’もでているので嬉しくなる(展示は8/15で終了)

風景画で足がとまったのは静謐な雰囲気が漂う東山魁夷(1908~1999)の‘萬緑新’と洋画家岡鹿之助(1898~1978)の点描風の絵‘運河’。また、球子の明るい色調が目にとびこんでくる‘西湖の富士’やカラリスト小野竹喬の‘新月’にも惹きつけられる。

人物画は上村松園の美人画‘鼓の音’(09/3/5)が一際輝いているのをはじめ、球子の面構シリーズ‘広重・国芳・国貞’や大山忠作の‘五百羅漢’、そして鮮やかな赤や紫の色使いが印象的な棟方志功の版画‘花見の柵’にもぐぐっと吸い込まれた。

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2011.08.16

涼しくて楽しい‘あこがれのヴェネチアン・グラス’展!

2964_2     ‘レースグラス・ゴブレット’(16世紀末)

2963_2     ヴェニーニ&Cの‘Fazzoletto(ハンカチ)’(1949年)

2962_2     大平洋一の‘卵形のコンポジションN.1’(1995年)

2961_2          植木寛子の‘愛と音楽の神イシス’(2011年)

開幕を楽しみにしていた‘あこがれのヴェネチアン・グラス’展(8/10~10/10)をみるためサントリー美に足を運んだ。今回は‘鳳凰と獅子展’についていた無料券での入館だから、得した気分。

イタリア旅行でヴェネツイアへ行くと必ずヴェネチアン・グラスのお店に寄る。そこではまずこのグラスを職人がつくるところをちょっとみて、あとは売り場にもどってお土産品の品定め。値段はけっして安くないから、どのくらいのものを買うかでいろいろ迷う。

こういうお土産屋に飾ってあるものは色が鮮やかで現代感覚風のデザインが多いので、みているだけでも楽しくなる。ヴェネツィアのお店にいるような気分になったのが現代グラス作家の作品をずらっと並べている最後のコーナー。

16世紀につくられたレースグラスのゴブレットでその透明感と繊細な模様に涼しさを感じたあと、ここへやってくると涼しさに加えレース地のエレガントさに強く魅せられるものが目の前に現れる。それはハンカチをふわっと宙に投げたときにできる形をイメージした花器。柔らかい造形に時間がたつのも忘れてみていた。これはNYにあるコーニング・ガラス美の所蔵。

日本人作家が5人いた。藤田喬平(1921~2004)はよく知っているが、大平洋一
(1946~)、三嶋りつ恵(1962~)、江波富士子(1968~)、植木寛子(1978~)の作品をみるのははじめて。大平洋一が有名なガラス工芸家であることは以前から知っているが、本物にはこれまで縁がなかった。これが大平の作品か!という感じ。

3点あったが、最も惹きこまれたのが柔らかい球体のフォルムと表面に幾重にも描かれた模様の輪が一体となっている‘卵形のコンポジションN.1’。そして、2001年コーニング・ガラス美の‘ラコウ賞’を受賞した密度の濃い作品‘網目模様のコンポジションN.1’が一緒にみれたのは幸運だった。

大平洋一とともに大きく心を揺さぶったのが植木寛子。2001年からムラーノ島で制作しているこの作家はまだ33歳。作品は6点。どれもすごく魅了された。ハイヒールを履いた左足‘向日葵の蕾’はまるでダリの彫刻をみているよう。‘愛と音楽の神イシス’を立ち尽くしてみていた。日本人離れした創作センスにびっくり。いい作家と出会った。

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2011.08.15

サプライズ200%の‘空海と密教美術展’! その三

2960_2     国宝‘両界曼荼羅図・胎蔵界’(平安時代 9世紀 東寺)

2959_2     ‘胎蔵界の中台八葉院’(中心部分)

2958_2       国宝‘真言七祖像・龍智像’(平安時代 821年 東寺)

2957_2        重文‘五大力菩薩像・無畏十力吼菩薩’(鎌倉時代 1197年 普賢院)

密教というとすぐ頭に浮かぶのが曼荼羅図。仏様がびっしり描かれた曼荼羅図をこれまでいくつも体験してきたが、最も感動したものは今回展示されている東寺にある‘両界曼荼羅図’と根津美が所蔵する‘金剛界八十一尊曼荼羅’(重文 拙ブログ10/7/31)。

彩色曼荼羅図の最高傑作といわれる東寺の‘両界曼荼羅図’は二つを一度にはみれない。‘胎蔵界’の展示は7/20~8/21で、‘金剛界’は8/23~9/25。

この曼荼羅図は一緒に出品されている‘高雄曼荼羅’(国宝 神護寺)のように大きくないから、描かれている仏が細かいところまでとらえることができる。びっくりさせられるのがその鮮やかな色彩。平安時代に描かれたとは思えないほど赤や青や緑がよく残っている。

混雑してなければ一体々を単眼鏡を使ってみるのだが、そうもいかないので中心部分の大日如来など9体を少し時間をかけてみた。丸顔でふっくらした体つきは2年前インドを旅行したときヒンズー教の寺院でみた天女の彫刻を彷彿とさせる。下の3つの仏のうち右の仏はにこやかに笑っている(拡大図)!是非ご自分の目で。

‘真言七祖像’のうち現在展示されているのは‘龍智’‘不空’‘金剛智’(8/9~9/4)。人物像の輪郭はこの順番でわかりにくくなる。‘龍智’で視線が向かうのは画面上部にみられる空海(774~835)が書いた絵のような文字。同様に空海が唐から請來した‘金剛智’もみみずのはったような文字ばかりをみていた。

鎌倉時代に描かれた‘五大力菩薩像’はダイナミックな動きをとらえた見事な線描に魅せられる。彩色の吼える菩薩(国宝 8/7までの展示)がでていたことを図録で知った。うかつだったが、これは2度みているからご愛嬌。

9月に入ってからまた出かけるつもりだが、お目当ては東寺蔵の‘金剛界’と‘海賦蒔絵袈裟箱’(国宝 8/16~9/25)。とても楽しみ。

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2011.08.14

サプライズ200%の‘空海と密教美術展’! その二

2953_2     国宝‘薬師如来像’(平安時代 913年 醍醐寺)

2954_2     国宝‘女神坐像’(平安時代 9世紀 東寺)

2955_2     国宝‘密教法具’(唐時代 9世紀 東寺)

2956_2     重文‘羯磨’(平安時代 9~10世紀 東寺)

国宝の仏像および女神像は全部で19点あり、会期中(7/20~9/25)出ずっぱり。彫刻の展示はいつ出かけてもこうした傑作がすべてみれるのがいいところ。国宝クラスの絵画ではこういうわけにはいかない。そして入館すると仏像全体がよくみえるのでまた感激する。

東博では大きな仏像展を開催するときはしばしば特別のコーナーをつくり、照明の当て方をとてもうまい具合にセッティングする。だから、日本の仏教彫刻の見事な造形美が心のなかに深く刻まれる。この展覧会では最後の立体曼荼羅が一番の見所だが、その前に思わず声がでる仏像展示がある。

それは醍醐寺の‘薬師如来像’。‘ええー、こんなにデカイ薬師如来だった?’というのは率直な感想。醍醐寺の霊宝館で2回みたのだが、建物自体の天井が高いのと照明が落ち少し離れたところからこれをみたせいか、大きな仏像という印象がそれほどなかった。同じ仏像をみているのに、ここではインパクトのある薬師如来に変わっていた。

東寺にある‘女神坐像’ははじめてみた。これまで神様の坐像は両手くらい体験したが、この女神像には魅せられる。顔の表情がゆるりとしているので、みていて肩がほぐれる感じ。女神でいつも強く印象づけられるのは頭の大きさ。とにかく異常に大きい。

いくつかでている密教法具のなかでお気に入りはクワガタムシの角を連想させる
杵(しょ)。先の尖った鈷(こ)の本数により独鈷、三鈷、五鈷といったタイプがある。これは行者護身の武器の象徴。握り心地がよさそうなので、つい手にもってみたくなる。今回でている国宝の法具は空海が唐から請来した五鈷鈴と五鈷杵、金剛盤。

これまで目にすることがあまりなかったのが二つの三鈷杵をくっつけ十字の形にしたような‘羯磨(かつま)’。杵や鈴同様、鋭く尖った鈷の先の形にわけもなく惹きつけられる。

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2011.08.13

サプライズ200%の‘空海と密教美術展’! その一

2950_2        国宝‘降三世明王立像’(平安時代 839年 東寺)

2949_2        国宝‘帝釈天騎象像’(平安時代 839年 東寺)

2951_2     国宝‘蓮華虚空菩薩坐像’(平安時代 9世紀 神護寺)

2952_2     国宝‘薬師如来坐像’(平安時代 9世紀 大阪・獅子窟寺)

現在、東博で行われている大人気の‘空海と密教美術展’(7/20~9/25)をみてきた。昨日金曜日の朝10時半に入館したので外で待つことはなかったが、盆休み中はそれこそ9時半の開館時間から長い行列ができるかもしれない。

国宝の追っかけをライフワークにしているから、この展覧会のように国宝がドドドっと揃う展覧会は目に気合が入る。が、今回はチラシに載っている曼荼羅図や仏像、書をすでにみているため、体は前のめり状態でもない。だから、久しぶりに対面する東寺の講堂にある立体曼荼羅8点をたっぷり楽しもうという作戦。

そういう狙いなのだから、8体をぐるっとまわりながらみれる最後の特別展示コーナーから先にみればよかったが、レイアウトの状況がつかめないから最初の書からのろのろ歩きでスタートした。まずは仏像の感想から。

京都へ行かなくて東寺の講堂の中に身をおいているような気分にさせてくれるのだから、展覧会というのは有難い。菩薩2体、明王2体、四天王2体、そして梵天、帝釈天。最も時間をかけてみたのが‘降三世明王立像’と‘帝釈天騎象像’。‘降三世’は忿怒の相の顔が4つ、手が左右合わせて8本。この異相の手は躍動感に満ちている。

そして、とても惹きつけられるのが帝釈天。これほどイケメンの帝釈天はほかに見たことがない。また、帝釈天が乗っている象も安定感があり可愛い。この隣に展示してある‘大威徳明王騎牛像’は顔、手、足が6づくし。6本の足をもつ大威徳はほかに見た記憶がない。だから、足ばかりみていた。

大収穫だったのが京都の神護寺にある‘五大虚空蔵菩薩坐像’の2体。この5体は追っかけ仏像のひとつ。以前現地を訪問したとき、これは事前に予約しないとみれないことがわかった。で、いつか再訪しようと思っていた。その坐像が目の前にある!この情報はまったくなかったから、もう天にも昇る気分。ふっくらした赤い顔に放心状態。

もう一点、切れ長の目が印象深い‘薬師如来坐像’の前にも長くいた。普通なら獅子窟寺まででかけるインセンティブは働かないから、本当に嬉しくなる。

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2011.08.11

美術に魅せられて! 山本芳翠展 森本草介展はある?

2946_2     山本芳翠の‘浦島図’(1893~95年)

2947_2     山本芳翠の‘十二支のうち丑・牽牛星’(1892年)

2948_2     森本草介の‘窓’(2007年)

近代日本画が東近美や東博、山種美へ通っていると定番の傑作と出会えるように、東近美へ足を運ぶと岸田劉生や藤島武二などの名画を存分に楽しむことができる。また、東京駅からすぐのところにあるブリジストン美には青木繁の‘海の幸’がある。

日本画の横山大観や上村松園らの回顧展は何回も開かれるのに対し、洋画家の回顧展の場合、ビッグネームの画家でも開催される回数は極めて少ない。そして、観客はほんの一握りの作家を除いてあまり入ってないというのが実情。こういう洋画家に対する人気の弱さがNHKの日曜美術館の番組づくりにも現れている。意外に思われるかもしれないが、過去25年の間に梅原龍三郎や安井曾太郎が特集されたことは一度もない。

美術鑑賞は西洋画でも日本画でも、また洋画でも幅広く接することを心がけている。現代アートの作家を含めてこれまで体験した洋画家の回顧展をまとめてみた。

・黒田清輝:07年 平塚市美
・藤島武二:11年 横浜そごう
・岡田三郎助:11年 横浜そごう
・岸田劉生:00年 徳山市美 03年 ふくやま美 05年 松涛美 07年 うらわ美 09年損保ジャパン美
・青木繁:03年 東近美 11年 ブリジストン美
・萬鉄五郎:07年 茅ヶ崎市美
・村山槐多:09年 松涛美

・佐伯祐三:05年 練馬区美
・棟方志功:00年島根県美 03年大原美 Bunkamura 06年横浜そごう 大丸東京 09年日本民藝館
・岡鹿之助:08年 ブリジストン美
・須田国太郎:06年 東近美
・梅原龍三郎:06年 日本橋三越
・安井曾太郎:09年 ブリジストン美
・山下清:07年 上野の森美

・岡本太郎:06年 岡本太郎美 07年 岡本太郎美 11年 東近美
・東郷青児:05年 損保ジャパン美
・香月泰男:04年 山口県美
・吉原治良:06年 東近美
・野見山暁治:11年 ブリジストン美(10月)

・草間彌生:04年 東近美
・堂本尚郎:05年 世田谷美
・李禹煥:05年 横浜美
・絹谷幸二:06年 日本橋三越 08年 日本橋高島屋 10年 東芸大美
・池口史子:05年 損保ジャパン美

・有元利夫:07年 横浜そごう 10年 東京都庭園美
・大竹伸朗:06年 東京都現美
・村上隆:05年 六本木ヒルズ毛利庭園
・石田徹也:07年 CBコレクション六本木 08年 練馬区美 10年 ギャラリーQ
・奈良美智:06年 青森県美 弘前
・束芋:06年 原美 09年 横浜美

これから遭遇したい画家やアーティストの回顧展は一応頭の中にはある。が、その可能性についての確信度はかなり低い。2点画像を載せた山本芳翠(1850~1906)の絵はすでにみているが、代表作を一度まとまった形でみてみたいとかなり前から思っている。でも、そんな思いを共有してくれる学芸員がいるだろうか。

森本草介(1937~)の‘窓’を4年前にみて以来、この画家の回顧展に遭遇することを夢見ている。百貨店系の美術館で計画してくれると嬉しいのだが。願いは叶うか?

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2011.08.10

夢の美術館! セント・ピーターズバーグ(フロリダ州) ダリ美 

2942_2    サルバドール・ダリ美の外観

2945_2     ‘ミレー・晩鐘の考古学的回想’(1935年)

2943_2     ‘見えないヴォルテールの胸像のある奴隷市場’(1940年)

2944_2        ‘クリストファー・コロンブスのアメリカ発見’(1958~59年)

ダリ(1904~1989)の絵をみることをライフワークにしており、追っかけ画を見るたびに無上の喜びを感じている。作品の情報は画集や美術本から得ているが、作品は見れる可能性に応じて3つのグループに分けている。

A:将来訪問を検討している美術館が所蔵する作品
B:美術館を訪問する計画がなく夢のままに終わりそうな作品
C:見れる可能性がほとんどない個人コレクション

Aグループの作品(フィゲラスのダリ美は除く)をいくつかあげてみると
・ベルギー王立美 ‘聖アントニウスの誘惑’
・フィラデルフィア美 ‘ゆでた隠元豆のある柔らかい構造、内乱の予感’
・ミュンヘン州立近代美 ‘欲望の謎、母よ、母よ、母よ’ ‘ホメロス礼讃’
・ロッテルダム ボイマンス=ファン・ビューニンゲン美 ‘スペイン’ ‘戦争の顔’

・NY MoMA ‘ガラの晩鐘’
・ワシントン ナショナルギャラリー ‘最後の晩餐の秘蹟’
・ケルン ルートヴィヒ美 ‘ペルビニャン駅’
・グラスゴー美 ‘十字架の聖ヨハネのキリスト’

フィゲラスにあるダリの作品は追っかけるつもりだが、アメリカのセント・ピーターズバーグ(フロリダ州)にあるサルバトーレ・ダリ美まででかける元気はない。だから、ここは夢の美術館に終わりそう。この美術館が所蔵する作品は06年上野の森美で開催された回顧展に沢山やってきた。そのなかには画集に載っている作品、例えば‘夜のメクラグモ、、、希望!’(拙ブログ06/9/30)なども含まれており、噂どうりの質の高いコレクションだった。

この美術館の作品は06年以前にも一度公開されたようだ。二度あることは三度ある。ここでとりあげた3点は魅力いっぱいの絵。見たい度はとても大きいが、フロリダは如何せん遠い!で、ここはじっと待つことにした。

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2011.08.09

いつか行きたい美術館! フィゲラス ダリ劇場美術館

2941_2

2939_2     卵がのったダリ劇場美術館の外観

2938_2            ‘アパルトマンとして使えるメイ・ウエストの顔’(1934~35年)

2940_2     ‘セックス・アピールの亡霊’(1932年)

1月マドリードで美術館めぐりを楽しんだのでスペイン旅行はひとまずお休み。次はしばらく時間があくかもしれない。

まだ縁のないスペインの美術館でこれから機会があればでかけてみたいのはフィゲラスのダリ劇場美、バルセロナのカタルーニャ美、そしてトレドのサンタ・クルス美。このなかで優先度が一番高いのはダリ美。

ガイドブックによると、バルセロナの北東約140kmのところにあるフィゲラスへは列車だと2時間で着く。一日に18本運行されている。バスを利用すると2時間半。これならバルセロナに一泊すれば行って来れる。でも残念ながら団体ツアーはまったく使えない。バルセロナで自由行動がとれるコースはないから、個人旅行が唯一のオプション。

おおよそ頭にあるのはMy‘バルセロナ、マドリード感動の5日間’。バルセロナに二泊して、一日をダリ美の見学にあて、もう一日は2度目となるピカソ美とミロ美、そして中世美術の傑作があるカタルーニャ美やまだみてないガウディの建築群をまわる。マドリードでは1月見逃した作品をリカバリーし、そのあとトレドまで足をのばし、サンタ・クルス美でグレコの追っかけ作品と対面する。観光の目玉は1月のとき参加された人が皆いいと言っていたセコビアの古代ローマ時代の水道橋。

ダリ劇場美に展示してある作品の一部は幸運にも99年の広島県美と07年の上野の森美で開かれた回顧展でみることができた。が、現地にはこれの数倍の感動を与えてくれる作品が待ち受けているだろうなと想像している。美術館の卵の外観からして度肝を抜かれるのだから、中に入ったら幻想とシュールさが交錯するダリワールドにちがいない。

最も体験したいのが‘メイ・ウエストの部屋’、そして上から‘メイ・ウエストの顔’に
200%だまされてみたい。期待の絵画は沢山ある。少年ダリの体感した‘セックス・アピールの亡霊’とか天井画‘風の宮殿’とか‘レダ・アトミカ’とか

ここを実際に訪問するのはまだ先だが、ダリは大好きな画家なのでこれから追っかけ画を1点々つぶしていくと一気にダリを済ませたいという衝動に駆られる可能性は充分ある。先のことは何がおこるかわからない。

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2011.08.08

ビッグニュース! 來春東博で‘ボストン美 日本美術の至宝’展

2936_2     ‘平治物語絵巻・三条殿夜討’(部分 13世紀後半)

2937_2     曽我蕭白の‘雲龍図’(部分 1763年)

昨日、何の気なしに東博のHPをサーフィンしていたら、ビッグニュースが目に入ってきた。来年3月にボストン美蔵の日本美術の名品がどどっと里帰りするというのである。そのなかに対面を夢見ていた‘平治物語絵巻・三条殿夜討’と曽我蕭白の‘雲龍図’がある。これは大変なことになった。

このワクワクするような特別展は東博だけで終わらず、ほか3館を巡回する。
・東博:12/3/20~6/10
・名古屋ボストン美:6/27~9/17、9/29~12/9
・九博:13/1/1~3/17
・大阪市美:4/2~6/16

作品の数は仏画、仏像、絵巻、中世水墨画、近世絵画が約90点。絵巻は夢のようなラインナップ。昨年奈良博に展示された‘吉備大臣入唐絵巻’(拙ブログ10/4/22)が再度、紅蓮の炎がすごい迫力の‘三条殿夜討’(08/8/8)と一緒にやってくる。この夜討の場面は長年待っていたので、本物の前に立ったら相当興奮しそう。

何年か前NHKの美術スペシャルで放送していた蕭白の‘雲龍図’が修復をおえて本当に日本にやってくるのである。腹の底から嬉しい!ボストンが所蔵する蕭白作品はこれまで回顧展などで3点体験したが、美術本によるとまだみてないのが5点ある。HPには‘雲龍図’と‘虎渓三笑図’の2点。これで終わりかまだあるか?欲張ってもいけないが期待したい。

若冲の作品情報はないが、どの絵がやってくるのか? 08年現地を訪問したときは‘松に鸚鵡図’(08/4/20)が展示してあった。京博編の分厚い‘伊藤若冲大全’(小学館 02年)にはこの絵を含めて4点載っている。最も見たい‘旭日鳳凰図’に出会えるようミューズに祈ることにした。4点全部でてくれれば言うことないが、まあ2点くらいか。

秋あたりには作品の概要がわかってくるだろうが、今ある情報だけでも体が熱くなる。開幕が楽しみ。

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2011.08.07

美術に魅せられて! ゴヤ展の次はベラスケス展をみたい

2934_3     ベラスケスの‘バッカスの勝利(酔っぱらいたち)’(1628~29年)

2935_2     ベラスケスの‘アクネラの寓話(織女たち)’(1657年)

日本画同様、西洋絵画で体験した回顧展もざあーっとレビューしてみた。鑑賞期間は長きにわたるが、重要な図録は手放さないから、もれはあまりない。古典絵画から新しいアートまで76人をリストアップした(一部予定を含む)。

・ダ・ヴィンチ:02年 横浜美 07年 東博、森アーツセンター 10年 日比谷公園
・ミケランジェロ:99年 ヴェッキオ宮殿 10年 カピトリーニ美
・ブリューゲル:90年 西洋美 10年 Bunkamura
・デューラー:10年 西洋美 東芸大美

・カラヴァッジョ:01年 岡崎市美 10年 スクデリエ・デル・クイリナーレ美
・ラ・トゥール:05年 西洋美
・ルーベンス:11年 プラド美
・レンブラント:02年 京博 11年 西洋美
・フェルメール:00年 大阪市美 08年 東京都美

・グレコ:84年 西洋美
・ゴヤ:11年 西洋美(10月)
・プッサン:08年 メトロポリタン
・クールベ:08年 グラン・パレ
・ミレー:84年 日本橋高島屋 03年 Bunkamura
・コロー:08年 西洋美

・マネ:10年 三菱一号館美
・モネ:90年ロイヤルアカデミー 92年Bunkamura 94年名古屋市美 07年国立新                  08年名古屋ボストン美 10年グラン・パレ
・ルノワール:08年 Bunkamura 10年 国立新美
・セザンヌ:99年 横浜美 10年 コートールド美

・ゴッホ:95年 横浜美 03年 損保ジャパン美、05年 東近美 10年 国立新美
・ゴーギャン:09年 東近美 10年 テート・モダン
・ドガ:10年 横浜美
・ロートレック:93年 新宿三越 07年 サントリー美 11年 三菱一号館(10月)
・ピサロ:04年 尾道市美
・モリゾ:07年 損保ジャパン美

・デュフィー:95年 ひろしま美 06年 大丸東京
・セガンティーニ:11年 損保ジャパン美(11月)
・ホドラー:08年 オルセー
・ポッパー:08年 シカゴ美
・ホーマー:08年 シカゴ美
・グランマ・モーゼス:05年 Bunkamura
・ワイエス:08年 Bunkamura

・ドニ:11年 損保ジャパン美(9月)
・ミレイ:08年 Bunkamura
・アンリ・ルソー:06年 世田谷美
・モロー:95年 西洋美 05年 Bunkamura
・ルドン:07年 Bunkamura
・ルオー:05年 松下電工ミュージアム 08年 出光美

・ムンク:99年 ピッテイ美 07年 西洋美
・アンソール:05年 東京都庭園美
・ミュシャ:05年 東京都美 07年 日本橋高島屋 10年 三鷹市美術ギャラリー
・クリムト:89年 セゾン美 02年 Bunkamura 09年 日本橋高島屋
・シーレ:89年 セゾン美 91年Bunkamura 02年Bunkamura 05 年ゴッホ美

・ピカソ:03年 上野の森美 04年 東京都現美 08年 国立新&サントリー美
・マティス:04年 西洋美
・レジェ:94年 Bunkamura
・コクトー:05年 日本橋三越
・コルビュジェ:07年 森美

・シャガール:89年世田谷美 96年 広島県美 02年 広島県美 06年 青森県美    07年 千葉市美
・モディリアーニ:07年 Bunkamura 08年 名古屋市美
・キスリング:07年 横浜そごう
・藤田嗣治:06年 東近美 08年 上野の森美 09年 横浜そごう

・ユトリロ:05年 日本橋高島屋 10年 損保ジャパン美
・ローランサン:10年 川村記念美
・レンピッカ:10年 Bunkamura
・ビュフェ:05年 損保ジャパン美 09年 横浜そごう 10年 目黒区美

・デ・キリコ:05年 大丸東京 10年 ローマアート館
・ダリ:92年 新宿三越 99年 広島県美 99年 ローマ 06年 上野の森美
・ミロ:88年 日本橋三越 92年 横浜美 02年 世田谷美 07年 大丸東京
・マグリット:02年 ひろしま美
・エッシャー:06年 Bunkamura 09年 横浜そごう
・フンデルトヴァッサー:06年 京近美
・シュヴァンクマイエル:05年 神奈川県近美葉山

・カンディンスキー:96年 セゾン美 02年 東近美 10年 三菱一号館美
・クレー:93年 愛知県美 06年 大丸東京 川村記念美 11年 東近美
・クプカ:94年 愛知県美
・ファイニンガー:08年 横須賀美

・デュシャン:04年 横浜美
・ロスコ:09年 川村記念美
・ニューマン:10年 川村記念美
・ステラ:07年 川村記念美

・リヒター:06年 川村記念美
・ザオ・ウーキー:04年 ブリジストン美
・ウングワレー:08年 国立新美
・マリーナ・カポス:07年 東京ワンダーサイト
・アネット・メサジュ:08年 森美

西洋画の画家たちの回顧展を日本で行うのは大変な苦労がいると思うが、こうやって振り返ってみるとよくこれが日本で実現したなと感心するものも結構ある。現在計画が進行しているのは誰か?いつも新しい情報に接するときは開けてびっくり玉手箱という感じだが、来年の開催がわかっているのは1つだけ。それは2月東近美で開幕するポロック展(2/10~5/6)。

これから期待したい画家の回顧展をあげてみると。今秋ゴヤ展が西洋美で開かれるが、その次はプラドにあるベラスケス(1599~1660)の作品をどどっと公開してくれないかなと思っている。グレコ、ゴヤとくればベラスケスもやはりみたくなる。‘バッカスの勝利’や‘織女たち’など風俗見立て絵や肖像画の傑作がやってくるだろうか?

アメリカの作家でポロックの次に開催して欲しいのがオキーフ(1887~1986年)。レンピッカのすばらしい展覧会をやってくれたBunkamuraか大きな展示会場をもつ国立新美で実現したら最高だが、果たして?

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2011.08.06

美術に魅せられて! 一度はみたい大きな菱田春草展

2931_2     ‘王昭君’(重文 1902年)

2932_2           ‘陸離’(1901年)

2933_2       ‘春野’(1906年)

今日とりあげるのは近代日本画の分野で期待している回顧展。その前に拙ブログ09/10/20でレヴューした体験回顧展の更新を。

・横山大観:10年 明治神宮文化館
・上村松園:10年 東近美
・鏑木清方:09年 サントリー美
・松岡映丘:11年 練馬区美(10月)
・竹久夢二:10年 日本橋三越
・安田靫彦:09年 千葉市美 10年 ニューオータニ美
・小野竹喬:10年 東近美

・奥村土牛:10年 山種美
・池田遥邨:11年 倉敷市美
・山本丘人:10年 日本橋高島屋
・田村一村:10年 千葉市美
・杉山寧 :10年 ポーラ美
・岩澤重夫:10年 日本橋高島屋
・平山郁夫:11年 東博

作家の回顧展は2回体験するのを目標にしている。現在、頭のなかに入っている近代日本画家はおよそ80人。好みの濃淡があるので全員の回顧展を望んでいるわけではないが、今後期待したい画家は4人いる。竹内栖鳳(1864~1942)、菱田春草
(1874~1911)、堂本印象(1891~1975)、そして横山操(1920~1973)。

とりわけ大きな回顧展に遭遇したいのが菱田春草。09年明治神宮で50点くらい楽しんだが、まだ満足できない。画集には‘王昭君’やすばらしい鳥の絵‘陸離’、色鮮やかな‘春野’など見たい度の強い絵が載っているから、もう一度という思いがつのる。東近美に対する期待はずっともち続けているが、果たして?

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2011.08.05

美術に魅せられて! MOA&出光美の勝川春章展に期待

2930_2     ‘婦女風俗十二ヶ月図’(重文 18世紀 MOA)

2929_2     ‘美人鑑賞図’(18世紀 出光美)

09年に日本画の主だった回顧展をレビューし、これから期待したい絵師の回顧展について書いたが(拙ブログ09/10/19)、今日はこのパートⅡ。この2年の間に大きな回顧展がいくつも開かれたので、まずそのまとめから(一部予定のものを含む)。

・長谷川等伯:10年 東博
・伊藤若冲:10年 千葉市美
・円山応挙:10年 三井記念美
・長沢芦雪:11年 MIHO MUSEUM
・酒井抱一:11年 千葉市美(10月)

・仙厓:10年 出光美
・東洲斎写楽:11年 東博
・葛飾北斎:10年 太田記念美
・歌川国芳:10年 府中市美 11年太田、森アーツセンター(12月)
・柴田是真:09年 三井記念美

さて、本題。先般、‘いつか行きたいレンバッハハウス美!’をアップしたとき、とても興味深い情報が目に入った。三菱一号館美で開催された‘カンディンスキーと青騎士’展の図録によると、レンバッハハウスが改築工事に入る前、パリのポンピドーセンターとNYのグッゲンハイム美の3館共同企画で大カンディンスキー展が08年から09年にかけて行われたという。

今頃こんなビッグニュースを知り残念がってもしょがないが、カンディンスキーのいい絵をごそっともっている3館が手をあわせて大回顧展をするのだから、そのラインナップは壮観だったにちがいない。欧米のビッグな美術館はこうした夢のようなコラボをよくやる。

こういうわくわくするような共同企画が日本の美術館でもできないものだろうか。一つの例をあげてみたい。それは浮世絵師、勝川春章(1726~1792)の大回顧展。春章は歌麿、北斎、広重らに比べると知名度は下がるが、肉筆美人画や役者絵にはすばらしい絵がいくつもある。

国内の美術館で春章のいい絵を所蔵しているのは熱海のMOAと出光美。そこで、この二つの美術館が共同で企画し、大勝川春章展を開催する。もちろん、作品は国内にある名画だけでなくボストンやメトロポリタン、シカゴ、ギメなどからもどーんと集めてくる。

国内の美術館にはいい日本画の展覧会を開催しようと奮闘されている館長さんや学芸員の方は沢山おられるはず。そういう日本画を誰よりも愛される方々にお願いしたいのは、欧米の美術館がやっているような他館とのコラボ。共同企画によるスケールのでかい回顧展への道を是非切り開いてもらいたい。

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2011.08.04

散歩で街角ウォッチング! お馴染みのペット犬

2927     小林古径の‘犬と柘榴’(1934年)

2928_2     橋本関雪の‘唐犬図’(1941年 足立美)

散歩をしていると毎日結構な数の犬にでくわす。犬をペットとして飼う習慣がないので、犬の種類には疎く名前は片手くらいしかでてこない。今日はお馴染みの犬の話を。

まず名前を知っている犬から。わりとよく見かけるのがダックスフンド。足が短いのでちょこちょこ歩き。こういう犬の散歩は時間がかかりそう。ペット犬を散歩につれていくときの心得というのがきっとあるのだな、と思わせることがある。それは犬に思いのままに歩かせていること。

例えば、犬が木の下を鼻で匂うように立ち止まっていると飼い主はそれに辛抱強くつきあっている。‘もういいでしょう、行くわよ’というような態度は微塵もみせない。飼い主は皆忍耐強い。勝手な想像だが、犬をせかせてストレスを与えるのはよくないというのがわかっているのだろう。

会うのが楽しみなのがブルドック。あのユーモラスな顔をみると思わず頬がゆるむ。1時間半の定番のコースにはお馴染みさんが1犬いるが、たまに2犬でくわすことがある。

名前がわからないが阪神大地震のとき総理だった村山さんのような眉毛をした白い犬にも癒される。ぬいぐるみみたいなこの小さな犬はいつもとびはねていて落ち着きがない。日本画家の小林古径がこのタイプの犬を描いている。

不思議なのはいわゆる純然たる日本の犬が少ないこと。洋犬のなかで目にすることが多いのが橋本関雪の絵に描かれているボルゾイのような足が細く馬面のような顔をした犬。飼い主に名前を聞いたことはないが、みるからに値段が高そうな感じ。これまで5、6種類くらいお目にかかった。

こういう犬はもともと狩猟犬だから野山を走らせたら速そうだが、散歩のほかに高原などに連れて行きおもいっきり走らせることもあるのだろか?走る姿をみてみたい。

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2011.08.03

散歩で街角ウォッチング! やっとセミの鳴き声が聞こえてきた

2926_2     鈴木其一の‘夏秋渓流図屏風’(19世紀 根津美)

夏のうだるような暑さとセミの鳴き声はいつもはリンクしているのに、今年は違う。先週くらいまでセミの鳴き声は全然聞こえてこず、地震や放射能のせいではないかと妄想していた。

それが4、5日前から漸く家のまわりでセミ族が一斉に鳴きだした。即席の知識だが、今年は春先から5月まで寒かったので、セミの成虫化が遅れたのが原因のようだ。異変がおこると今は何でも地震や放射能と関連づけたくなるが、専門家によると直接の因果関係はないらしい。安心した。

セミが鳴きだしたので歩道の木々をよく観察しながら散歩しているが、鳴き声の総量は昨年の半分くらい。例年の大合唱とは勝手が違う。主役に変わりはなくアブラゼミとミンミンゼミ。まだツクツクボウシはいない。意外な鳴き声を今日聞いた。金属音のような♪カナカナ、これはヒグラシ。

ヒグラシの鳴き声は広島時代、中国山地の山深いところをクルマで走っているときよく聞いた。ヒグラシは標高の高いところにしかいないのに、どうしてこんな平地にいたのか?これは珍現象!

このところ猛暑がなく外にいても汗は吹き出てこないが、さてこの先は?甲子園で高校野球がはじまり、ツクツクボウシがセミ合唱団に加わるころ、また暑さがぶりかえすのだろうか。

セミの絵ですぐ思いつくのは伊藤若冲(拙ブログ09/8/19)と鈴木其一(1796~1858)。‘夏秋渓流図屏風’(06/6/14)の全体図は過去にとりあげたが、上の画像は檜の大きな幹にセミがとまっている夏景(右隻)の中央の部分(拡大図で)。白百合の花の上にみえるセミはとても小さく描かれているのでうっかりすると見逃してしまう。

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2011.08.02

心に沁みるチャイコフスキーの美しい旋律!

2925_2

これまで楽しんでいたクラシック音楽やオペラの録画ビデオをかなり整理し、今残っているのは何度も聴きたくなるものばかり。クラシック音楽は長年こうした録画ビデオで聴いているので、CDの枚数はゼロ。絞り込んだ名曲の数々だが、これをDVD化することは考えてない。

音質にこだわるようなクラシック通ではないから、テープがダメになれば楽しみはそれで終わりと割りきっている。ビデオデッキも酷使しているから調子は万全ではないが、もう10年は使えると楽観的。もし、その前に壊れたら、今TVに録画している新演奏中心のクラシックライフになる。

今あるラインナップで頻繁に聴いているのは旋律が美しく、それが口ずさめるチャイコフスキー(1840~1893)。交響曲でも協奏曲でもチャイコフスキーの音楽は親しみやすく心を鎮めてくれる。旋律が心に沁みこんでいるのをあげてみると、

★ヴァイオリン協奏曲
★弦楽四重奏曲第一番 アンダンテ・カンタービレ
★ピアノ協奏曲
★ピアノ三重奏曲 偉大な芸術家の思い出

★交響曲5番
★交響曲6番‘悲愴’
★スラブ行進曲
★序曲‘1812年’
★序曲‘ロメオとジュリエット’
★バレー組曲‘くるみ割り人形’

聴き惚れているヴァイオリン協奏曲が3曲ある。ブルッフの‘スコットランド幻想曲’とチャイコフスキーとシベリウス。もう数えきれないほど聴いている。チャイコフスキーは五島みどり(アバド指揮ベルリンフィル、98年)とベンゲーロフ(ロンドンフィル、98年)の演奏がすばらしい。

トルストイが涙を流して感動したという‘アンダンテ・カンタービレ’を聴いていると本当にいい気持ちになる。何年か前カレーのコマーシャルに使われていた‘ピアノ三重奏曲’も心に響く曲。これは98年東京であったピアノ:アルゲリッチ、ヴァイオリン:クレメル、チェロ:マイスキーの最強トリオの演奏。聴くたびに感動している。

交響曲や序曲で最も好きなのは‘5番’と‘1812年’。これを聴いているとアドレナリンがどっとでてくる。とくに、‘1812年’の鐘の音が腹に響くフィナーレは最高に盛り上がる。また、ファンタジックな‘くるみ割り人形’の世界に遊ぶのもじつに楽しい。

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2011.08.01

いつか行きたい美術館! カッセル美・ハンブルク美

2922_2     デューラーの‘エルスベト・トゥーハーの肖像’(1497年 カッセル美)

2924_3       レンブラントの‘横顔のサスキア’(1634~42年 カッセル美)

2923_2     クラナハの‘ザクセン選帝侯’(ハンブルク美)

2921_2             マネの‘ナナ’(1877年 ハンブルク美)

ドイツの都市でこれまで訪問したことのあるのはミュンヘン、アウクスブルク、マインツ、ヴィースバーデン、ケルン、ハノーファー、ベルリン、ポツダム、マイセン、ドレスデン。このうち旧東ドイツの街はツアー旅行だが、ほかはジュネーブに住んでいたときクルマで出かけた。

アウトバーンは何回か走ったから、どのくらい運転すると目的の街に着くかというのはおおよそイメージできる。今では考えられないが、アウトバーンで体験した最高時速は
180km。爽快だった。今日とりあげる美術館のあるカッセルはヘッセン州の街で同じ州のフランクフルトから北へおよそ100kmのところにある。そして、カッセルからさらに200km北上するとハンブルクに到着する。

二つの美術館へ行くにはフランクフルトに滞在するのがいいかもしれない。ここからタクシー観光を利用してアウトバーンを走れば2時間半もあればハンブルクへ到着する。カッセルなら1時間もかからない。

カッセル美の名前はもう随分前から美術本で知っている。載っている絵はデューラー
(1471~1528)のなかなかいい女性の肖像画とレンブラント(1606~1669)の‘横顔のサスキア’。レンブラントの追っかけの順番としてはまずマウリッツハイスとアムステルダム国立美にある自画像だが、それが終わるとこのサスキアをなんとしてもみたい。

ハンブルク美に憧れるのは惚れているマネ(1832~1883)の‘ナナ’があるから。通常のツアー旅行ではこういう街はまったく縁がないが、自分で企画する旅行ならどこだって行ける。この美術館にあるほかの作品の情報はきわめて少ない。クラナハ(1472~1553)があるのは当然かもしれないが、ほかにもドイツの画家の作品が期待できるだろうからいつか訪問してみたい。

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