ギリシャ神話を題材にした傑作彫刻!
‘アルテミシオンのポセイドン’(前450年 アテネ国立考古博)
ジャンボローニャの‘メルクリウス’(1580年 バルジェロ国立美)
チェッリーニの‘ペルセウス’(1545~53年 フィレンツェ ロッジャ・デイ・ランツィ)
‘キマイラ’(前380~360年 フィレンツェ考古博)
今日はこれまでみた彫刻作品のなかからギリシャ神話を題材にした傑作をとりあげてみた。
ブロンズを素材にしたギリシャ彫刻に魅了されているが、これまで体験したものは本当に少ない。そのなかで最も感動したものはアテネの考古博物館にある‘アルテミシオンのポセイドン’。両手を肩の高さにあげ左手前方をみつめる雄々しいポセイドンorゼウス?の姿を立ち尽くしてみていた。このクラシック時代につくられた傑作がアルテミシオン岬で発見されたのは1928年。まだ百年も経っていない。
海を支配した神ポセイドンが重々しく威厳にみちているのに対し、伝達の神メルクリウスは腰の軽さが身上。マニエリスム彫刻をてがけたジャンボローニャ(1529~1608)にかかるとメルクリウスはブロンズの重さをまったく感じさせず天空でバレエを踊っているよう。こういう軽快で美しい彫刻は部屋に飾っていつもながめていたくなる。昨年、フィレンツェのバルジェロ国立美でこの作品が目の前に現れてくれたときは飛び上がるほど嬉しかった。
カッコいい彫刻の極め付きがチェッリーニ(1500~1571)の‘ペルセウス’。これはフィレンツェのシニョーリア広場を取り囲んでいるロッジャ(回廊)に飾られている。政庁舎ヴェッキオ宮殿前のミケランジェロ作‘ダヴィデ像’(複製)とともに、この傑作に足を止められる方も多いのではなかろうか。
このブロンズ彫刻をみたら、ギリシャ神話にでてくる英雄ペルセウスが怪物メドゥーサを退治する話がすぐ体で理解できる。ペルセウスの顔は美形だか、見る者を石に変えるメドゥーサも口が大きく裂けたグロテスクなイメージとは違ってなかなかの美人。だから、刎ねられたばかりの血がしたたり落ちる生首を腰は引き気味だがしっかりみてしまう。
フィレンツェの考古博物館にある‘キマイラ’は前回時間がなくてみれなかった。これは古代エトルリアでつくられたもの。第2弾の彫刻めぐりでは必見リストの上位に載せているので、ライオン、山羊、蛇の3つの頭を最接近してみようと思う。
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