もっと見たいホーマーの名画!
‘見張り’(1896年 ボストン美)
‘八点鐘’(1886年 アディソン・ギャラリー)
08年はじめて訪れたシカゴ美ではお目当てのスーラの‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’がみれただけでなく、予想もしなかったビッグなオマケが3つもあった。それはホッパーとホーマーの回顧展(拙ブログ08/4/9)と図版では想像もつかないほどすばらしかったカイユボットの‘パリの通り、雨’。
これだけ大きな感動をもらうと、シカゴ美のことは一生忘れない。ここにはホッパーだけでなく、アメリカ人画家ホーマー(1836~1910)のいい絵があることは回顧展に並んだ水彩や油彩をみるまで知らなかった。見終わったあと、ホーマーの海洋画を1点々追っかけようと思った。
ボストン美は10年秋に新館のアメリカ館が完成した。3年前は工事中のため、必見リストのトップに載せていた‘見張り、すべてOK’がみれなかった。ボストン美へはじめていったのは今から18年前。当時はモネ、ルノワール、ゴーギャン、ゴッホの絵に夢中だった。で、‘見張り’はこれほど力強い絵なのにみた記憶がない。だから、そのリカバリーに意気込んで行ったのだが、残念なことに部屋がクローズ。新装なったニューボストン美に期待したい。
‘八点鐘’も‘見張り’とともにぐっと惹きこまれる絵。手前に大きく描かれた2人の船員は六分儀で太陽の高度を測っている。帽子のハイライトと大きく揺れる波頭の白が強く目に焼きつく。この絵をみれる機会があるだろうか?
救難隊員が難破した船から女性を救い出すところを描いた‘ライフラン’はフィラデルフィア美を訪れたら真っ先に足を運ぶことにしている絵の一枚。まるで遭難映画の一場面、荒れ狂う波すれすれ女性を救いだす隊員の動きを固唾をのんで見守っている感じ。
メトロポリタンで‘ライフライン’同様、緊迫感につつまれる‘メキシコ湾流’をみた。荒波に翻弄される船はマストが折れ、みるからに悲惨な状況。黒人の若者が必死に船につかまっているが、まわりを鮫が大きな口をあけてぐるぐるまわっているから生きた心地がしないだろう。
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