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2011.07.22

ギリシャ神話の絵画 傑作選! その2

2881_2     マンテーニャの‘パルナッソス’(1497年 ルーヴル美)

2882_2     ドメニキーニの‘ディアナの狩猟’(1616~17年 ボルゲーゼ美)

2883_2     プッサンの‘フローラの王国’(1631年 ドレスデン国立美)

2884_2  ルーベンスの‘パリスの審判’(1632~35年 ロンドンナショナル・ギャラリー)

ルーヴルには古典絵画の傑作が数多くあるから、一つの絵にじっくり時間がかけられないという贅沢な悩みがいつもおきる。マンテーニャ(1431~1506)がギリシャ神話を題材にして描いた‘パルナッソス’や‘美徳の勝利’はできるだけ絵の前に長くいたい絵。以前とりあげた‘美徳の勝利’が左端にシュールな描写がみられ、ちょっと緊張を強いられるところがあるのに対し、‘パルナッソス’はみるからに陽気な雰囲気につつまれている。

アーチになった岩の上に軍神マルスと美神ヴィーナスがいて、その下ではさまざまな芸術を示す9人のムサ(ミューズ)が左に座っているアポロンが弾く竪琴にあわせて輪舞している。この三角形構図と円の組み合わせが視線を落ち着かせる。画面の奥行きのつくりかたがとても巧み。右にいる神馬ペガサスをしたがえた伝達の神ヘルメスが大きく描かれ、その対角線上には小さなキューピッドがみえる。この人物の大小対比により、画面が遠く広がっているように感じられる。

ローマのボルゲーゼ美にあるドメニキーニ(1581~1641)の‘ディアナの狩猟’はすばらしい絵。立ち尽くしてみた。以後この画家の絵に対する見方が変わった。これをみた方はたぶん目が同じところにいくのではなかろうか。それは手前で水浴しているニンフ。その白い肌とじっとこちらを見る目にフリーズしてしまう。描かれているのは狩りと月の女神ディアナが待女のニンフたちと弓競争をしている場面。

プッサン(1594~1665)の花の女神フローラの絵とは3年前、メトロポリタン美の大回顧展で再会した。中央でフローラが楽しげに花をまいているが、その体の動きに呼応するかのように左ではトロイ戦争のギリシャ軍の英雄アイアスが長い剣で自害している。フローラのまわりにいる男女は花に変えられた人物。アイアスの隣では瓶の中の水に映った自分の姿にうっとりするナルキッソスがいる。

ギリシャ神話のなかでもよく知られている話は‘パリスの審判’。偉い女神でも美人コンテストとなると心は穏やかではない。審査委員長のパリスの気持ちを賄賂を使ってひきつけ黄金のリンゴをなんとしてもゲットしたい。世界一の美人に選ばれたのはヘラでも、アテナでもなくヴィーナス。美女ヘレネとの結婚を約束してくれるのだから、パリスは即ヴィーナスの提案を受け入れる。ルーベンス(1577~1640)の絵でヴィーナスは真ん中に描かれている。

だが、パリスにとっての幸せはトロイの国にとっては不幸のはじまりだった。このヘレネとの結婚があのトロイ戦争を引き起こすことになる。

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