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2011.07.12

アートに乾杯! カンディンスキー 爽快感200%の抽象美

2843_2     ‘コンポジションⅧ’(1923年 グッゲンハイム美)

2844_2     ‘黄ー赤ー青’(1925年 ポンピドーセンター)

2846_2     ‘支配的な曲線’(1936年 グッゲンハイム美)

2845_2            ‘空の青’(1940年 ポンピドーセンター)

展覧会へでかけたとき、出品作から受けた感動を体のなかにずっととどめておくために図録を購入する。出動する展覧会を絞っているとはいえかなりの数をみるので、図録がどんどんたまっていく。一方いろいろ捻出してつくりだした収蔵スペースはもう限界に近く、ニュー図録の置き場所の確保にいつも一苦労。

この問題を解決するためにはどうしても古い図録の処分が必要。が、長く手元においていると愛着があるから処分に迷うものもでてくる。そういうときは図録を一旦解体し、とっておきたい図版は別にファイルすることにしている。これをつみかさねているとMy画集ができあがる。

図録のなかにはいくら古くなってもこういう処分の対象にならないものがある。それは一生の思い出になる展覧会の図録。近現代絵画でこれに相当するのは1991年、池袋のセゾン美(今はない)で開催された‘グッゲンハイム美名品展’と1997年の‘ポンピドー・コレクション展’(東京都現代美)。

現代アートの傑作が沢山やってきたこの二つの展覧会でとりわけ心をときめかせてくれたのがカンディンスキー(1866~1944)の抽象画。とくにすごかったのがグッゲンハイムのコレクション。なんと17点。そのなかには現地の図録に載っている作品が9割含まれている。まったく出し惜しみなし。立ち尽くしてみていた‘支配的な曲線’はその1点。これはカンディンスキーがパリに住んでいたときの作品。

カンディンスキーにのめりこむきっかけをつくってくれたセゾン美の展覧会の2年後、NYのグッゲンハイム美をはじめて訪問した。ここで爽快な抽象美を200%感じたのがバウハウス時代に描かれた‘コンポジションⅧ’。白の地に配置された円や半円、三角形はきわめてシンプルな造形で、豊かなハーモニーを奏でる曲線と直線とあいまって気分をとても落ち着かせてくれる。

パリのポンピドーでいつも楽しみにしているのが傑作‘黄ー赤ー青’(拙ブログ08/2/14)。この絵も嬉しいことに97年の‘ポンピドー・コレクション展’に出品された。この展覧会は現代美で行われた展覧会のベスト1。いまだにこれを上回る内容の展覧会は開かれてない。この絵と並んで飾られたのは1940年に制作された‘空の青’。カンディンスキーはこのとき74歳。青い空を浮遊するミトコンドリアとかアメーバを連想させる不思議な形をした生き物はミロのユーモラスな絵を彷彿とさせる。

カンディンスキーの作品で惹かれているのはレンバッハハウスやトレチャコフにあるカオス的な抽象画よりもバウハウスやパリ時代に描かれたスッキリ感覚の抽象世界のほう。だから、これからもポンピドーやグッゲンハイムにあるこうしたタイプの未見作品を張り切って追っかけようと思う。

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