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2011.06.03

アドレナリンがどばっとでる‘歌川国芳展’!

2744_2     ‘源頼朝富士牧狩之図’(1839~41年)

2745_2     ‘弁慶梵鐘引き上げ’(1844~48年)

2746_2     ‘酒田公時らと妖怪’(1861年)

2743_2     ‘源頼光公館土蜘蛛作妖怪図’(1845年)

太田記念美の特別展‘破天荒の浮世絵師 歌川国芳’(6/1~7/28)を存分に楽しんだ。今年は歌川国芳(1797~1861)の没後150年にあたる。昨年あった府中市美の回顧展もよかったが、この記念展第二弾も浮世絵専門館のブランド力をみせつけるすばらしい内容。開幕2日目で雨が降っているのに開館と同時にどんどん人が入ってくる。

感想を書く前にちょっと注意事項を。ここは10時30分の開館。10時に着いたのに、開いてない!? パニクったが以前も同じ失敗をしたことを思い出し、隣の方をなだめて近くのコーヒー店で時間をつぶすはめに。

この回顧展は前期(6/1~6/26)と後期(7/1~7/28)で作品はがらっと入れ替わる。後期の料金(1000円)は半券をみせると100円引き。前半の作品は武者絵や妖怪画でおよそ110点、そして後半は戯画・洋風画が150点。国芳は好きな浮世絵師なので初見の絵に出会うとアドレナリンがどっとでてくる。だから、見終わったあとは興奮状態がしばらくおさまらなかった。

長いことみていたのが‘源頼朝富士牧狩之図’。富士山をバックに広々とした山野で行われる猪狩りの場面を巧みな構図と生き生きとした動感描写でみせてくれる。左の坂から必死の形相をした大きな猪が突進してくる。上をみると猪に跳ね飛ばされた男が宙に舞う。この戯画チックな描写を夢中になってみた。

弁慶が琵琶湖から梵鐘を引き上げる絵は対象の大小対比に目が点になる。長沢芦雪の絵よりもっと大小のコントラストを効かせている。画面の左に琵琶湖が描かれているが、遠くに小さな小さな帆がみえる(拡大で)。これをわざわざ描き込むところが国芳のすごいところ。是非ご自分の目で。

初期に描かれた武者絵はぐっと惹きこまれるのがいくつもでている。長くみていたのは鯉をしとめる鬼若丸。複数の人物が画面いっぱいに大きく描かれたものでお気に入りは酒田公時ら3人が囲碁をしている絵。右の酒田公時は左手で茶くみ小姓の口を大きくあけて遊んでいる。‘い、痛い!や、やめてくださいよ、公時さま’。対局者の源次綱もこれまたろくろっ首をおもちゃ扱い。

‘源頼光公館土蜘蛛作妖怪図’は元祖政治諷刺漫画。庶民の元気を奪う過度の奢侈品禁止策を推し進める‘天保の改革’をこういう戯画で痛烈に諷刺している。首謀者の水野忠邦は右から二番目の卜部季武。それにしても国芳は度胸がある。

後期ももちろん出動する。鑑賞のあと購入した図録がスグレもの。図版の色の出方、構成、論考、どれもいい。お宝の図録になりそう。

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