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2011.05.30

アートに乾杯! 芦雪のおもしろい富士の絵

2727_2                長沢芦雪の‘遠見富士図’(18世紀)

2730_2     歌川広重の‘東都名所 五百羅漢さゞゐ堂’(1830~44年)

2728_2     モネの‘アンティーブ岬’(1888年)

2729_2     モネの‘トルーヴィルの海岸’(1881年)

MIHO MUSEUNでみた‘長沢芦雪展’(6/5まで 拙ブログ5/22)の余韻が続いている。で、印象深い作品をほかの画家の描いたものをまじえて紹介したい。

縦長の富士の絵‘遠見富士図’(後期のみ展示)は個人が所蔵するもので、画集に載ってなくはじめてみた。目が釘付けになるのが異様に長い木。あまりに長いのでこの木ばかりに気をとられ、むこうにもう2本あることを忘れてしまう。そして、下に描かれた富士山もかすみがち。絵でも脇役が主役を食うことがたまにある。

長沢芦雪(1754~1799)の奇才ぶりが発揮されたこの絵と響き合うものはほかにある?浮世絵が好きな方はすぐ思いつかれるはず。歌川広重(1797~1858)の風景画にも真ん中あるいは中心を少しずらしたところに大きな木がどんと描いたものが結構ある。そのなかで芦雪の木と似た雰囲気をもつのが‘東都名所 五百羅漢さゞゐ堂’。

日本の浮世絵にでてくるこういう真ん中立ちの木をフランス人画家なのに大胆にも取り入れて人々を驚かしたのがモネ(1840~1926)。‘アンティープ岬’((愛媛県美)や‘トルーヴィルの海岸’(ボストン美)のような絵はパリのアカデミーで美術教育を受けた画家は思いもつかないだろう。

光と影の効果を求めて新しい風景画を生み出そうとしたモネにとって、浮世絵の構図はとても新鮮で風景画の単調さを消し自然に命を吹き込んでくれる魔法の杖だったかもしれない。何であれで新しいことに挑戦する者はいつの時代でも貪欲にアイデアを求めそれを活用する。

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