いつか行きたい美術館! チューリッヒ ビュルレ・コレクション
セザンヌの‘パレットをもつ自画像’(1885~87年)
ある時期までチューリッヒ美とビュルレ・コレクションが一緒くたになっていて、チューリッヒは印象派作品と会える一大拠点というイメージができあがった。昨年、世田谷美であった展覧会でチューリッヒの北東25キロにあるヴィンタートゥール美のことを知った。ここにはもうひとつオスカー・ラインハルト・コレクションもある。
チューリッヒとその周辺に高い質を誇る印象派コレクションがなんと4つも集結していた!今になるとジュネーブに住んでいたころ絵に対する関心が普通以上にあったらと思うが、仕事以外の趣味の世界というのはあれもこれも手がだせないから、こういう長くのびた心のタイムラグを感じるのも自然なことかもしれない。
各コレクションにおける名画の一端がわかってきだしたので、いつかまとめて一気に見るぞ!という気分になりつつある。ビュルレ・コレクションで最もみたいのはなんといってもセザンヌ(1839~1906)の‘赤いチョッキの少年’。右手が異常に長いこの少年の絵は印象派に開眼したとき目にして以来ずっと気になっている。
でも、これが展示されているところはオルセーやメトロポリタンのような気軽に旅行できる都市ではなく、通常のツアーでは行かないチューリッヒ。だから、一生縁がないかも、とつい思いがち。が、旅行先の優先順位はだいぶ上がってきているので、この絵との対面もだんだん現実味を帯びてきている。
セザンヌはほかに何点あるかつかめてないが、‘パレットを持つ自画像’は画集によく載っている。セザンヌの描く肖像画は魅力に富んでおり、これもよさそう。‘赤いチョッキの少年’同様、ここの自慢の絵がちょうど1年前大阪にやって来たルノワールの‘可愛いイレーヌ’(拙ブログ10/4/21)。現地ではどんな表情で迎えてくれるだろうか。
ゴッホ(1853~1890)の絵は‘沈む太陽と種まく人’に興奮しそう。同じ構成で描かれた別ヴァージョンがアムスのゴッホ美にあるが、図版をみるとチューリッヒにあるほうがよさそうにみえる。果たして?画面中央斜めに配置された2人の農婦を描いた作品は今年に入ってその存在を知ったが、心が晴れる感じ。是非みてみたい。
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