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2011.04.24

満足度200%の‘長澤芦雪展’!

2597_2     ‘龍図襖’

2595_2           ‘蹲る虎図’

2598_2     ‘唐子遊図屏風’

2596_2     ‘仔犬図屏風’

昨日、信楽にあるMIHO MUSEUMまでクルマを走らせ開催中の‘長澤芦雪 奇は新なり’展(3/12~6/5)をみてきた。この美術館までは高速を利用すると食事タイムを含めて5時間かかる。往復で10時間の運転になるが、ここは何度もクルマで行っているから慣れたもの。後期にもう一度行く予定。

今日までが前期。いつ出動するかは展示リストとにらめっこして決めた。MIHOのビッグネーム回顧展は前期、後期(4/26~6/5)で作品がすっきり分けられておらず、前期でも展示がすでに終わっていたものが数点ある。見たい度の大きい絵の展示期間を優先する作戦なので、これは仕方がない。で、今回みれた作品の数は長澤芦雪(1754~99)が38点、プラス円山応挙(1733~95)が3点。

通期で芦雪は98点でてくる。06年、奈良県美であった‘応挙と芦雪’展のときが43点だから、その2倍以上。まさに大回顧展である。そして内容がすばらしい。奈良県美に出品されたものから17点が再度登場しているが、はじめてお目にかかる作品にはぐっとくるものが多い。まだ後期が残っているが、お陰さまで芦雪は済みマークがつけられる。

最も期待していたのが島根県の西光寺が所蔵する‘龍図襖’(展示は4/12~5/8)。この襖絵(8面)を知ったのは07年にでた‘別冊太陽 江戸絵画入門’(平凡社)。以来、いつか対面できないものかと願ってきた。広島にいるときなら島根は気楽にいけたが、今は遠い地。だから、この絵は一生縁がないかもしれないと思っていた。

が、幸運なことにみることができた。右に雲龍が左に単独の龍が襖いっぱいに描かれている。本に載っていたのは左の龍だったが、足が止まったのは右の雲龍のほう。胴体があるのかないのかわからないようなこの龍の鋭い目つきにく釘づけになった。これに較べたら和歌山の無量寺にある龍(4/19~5/8)は目が三角の瞳で、豚のような鼻をしているから漫画みたいな龍にみえてくる。

収穫はもう一つあった。蹲る(うずくまる)虎。これは大きな絵なので、真正面向きの虎がぐっと迫ってくる感じ。でも、この虎はちっとも怖くない。ぱっとみてまるまる太ったビーバーかと思った。口からでている歯と前足をちょこっとそろえた姿がかわいい。無量寺の猫ちゃん虎(拙ブログ08/7/12 4/19~5/8) VS 駄々っ子ビーバー虎ちゃん。ともにいいキャラクター。芦雪はこんな虎と戯れるのを夢想していたのかもしれない。

芦雪の癒し系のモチーフは唐子と仔犬、そして雀。唐子を描いた屏風は‘唐子遊図’と後期にでてくる‘白象唐子図’(鹿苑寺)の2点。はじめてみる金地に描かれた仔犬図は画面手前で横に並んだ4匹がじつに楽しい。左の犬は今から逆立ちでもするのだろうか?

再会を楽しんだのは青緑の目が印象的な‘牛図’(06/10/24 4/5~5/8)やグロテスクな顔が忘れられない‘山姥図’(06/11/24 4/19~5/8)、砂浜を進む亀の群れに頬がゆるむ‘蓬莱山’(09/4/30)。図録をみると◎の絵が後期に登場するし、見てのお楽しみの大変小さな絵が通期で展示される。満足度200%の芦雪展だった。

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コメント

いづつやさんご無沙汰しております。
ブログは毎日拝見しておりました。
遠路遙遙信楽までおいでになったのですね。
ここは、関西在住でも遠く、車がないととてもいけません。
若冲に続き芦雪の大掛かりな展覧会が開催できるのもひとえに辻館長によるものと考えます。
芦雪の画面からはみ出さんばかりの虎や竜。
前々から次は芦雪と思っておりました。
日本のいい絵がお金に糸目とつけない宗教団体に全部集まってしまうのではないかと不安になってきます。

投稿: licolusie | 2011.04.26 21:08

to licolusieさん
辻のお父さん(勝手にこう呼んでます)は
千葉市美の館長をされているときも芦雪展を
されてますが、今回はそのとき以上に気合が
入ってます。

お目当ての龍の絵がよかったので満足度が高い
です。後期も楽しみです。

次はやはり池大雅展を期待したいですね。
MIHOか京博か千葉市美で開催してくれる
のをずっと待ってます。

投稿: いづつや | 2011.04.26 23:29

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