西洋美の‘レンブラント展’にサプライズの絵があった!
‘ヘンドリッキェ・ストッフェルス’(1652年 ルーヴル美)
‘石の手摺りにもたれる自画像’(1634年 レンブラント・ハウス)
3/27(日)に入館できなかった西洋美の‘光と、闇と、レンブラント’展(3/26~
6/12)をみるため、再度上野へ足を運んだ。開館期間が短縮された(4時まで)ためなのか、レンブラント人気なのかわからないが、館内には大勢の人がいた。
レンブラントの画風の特徴である明暗表現に焦点をあてたこの展覧会はおよそ100点の版画と油彩12点で構成されている。版画は横におき、油彩がこれだけまとまった形で展示されるのは02年に京博で開催された‘大レンブラント展’以来のこと。
チラシに使われている‘東洋風の衣裳をまとう自画像’は昨年11月プティ・パレ美で鑑賞したばかりだし(拙ブログ10/12/7)、ボストン、ルーヴル、メトロポリタンからやってきているものは以前みたことがあるから、今回は期待で胸がふくらむというほどではなかった。
ところが、未見の絵のなかにサプライズの1点があった!チラシにも載っている‘書斎のミネルヴァ’。これは個人(NY)が所蔵するもの。手元にレンブラントの画集が数冊あるが、どれにもでてない。あまりにすばらしいので言葉を失い、放心状態でみていた。顔の赤い頬や光が当たっている左手の描写はじつにリアル。そして、指のつるっとした爪に目が点になった。ケンウッドハウスの自画像に続き、また心を打つ絵をみることができた。ミューズに感謝!
3年ぶりの‘ヘンドリッキェ’と‘旗手’の前にも長くいた。ルーヴルやメトロポリタンで鑑賞するときはレンブラントのいい絵がほかにもあるから、1点々にあまり時間をかけられないが、こうしてじっくりみるとレンブラントの肖像画はやはり強い磁力をもっている。
レンブラントの版画がこういう風に沢山みれるのは大変ありがたい。西洋版画のなかではデューラーとレンブラントは特別という思いがあるから、目に力を入れてみた。足がとまったのはお気に入りの‘石の手摺りにもたれる自画像’や‘窓辺で描く自画像’、‘金細工師ヤン・ルトマ’、そして初見の‘ヤン・シックス’。また、数点のヴァージョンが並んだ大きめサイズの‘エッケ・ホモ’、‘3本の十字架’も画面の隅から隅までみた。
満足度200%のすばらしい展覧会!
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