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2011.04.25

アートに乾杯! 燕子花の響き合い

2601_2     尾形光琳の‘燕子花図屏風’(右隻 18世紀前半)

2602_2     神坂雪佳の‘百々世草・八つ橋’(1909~10)

2599_2     川端龍子の‘八ツ橋’(左隻 1945年)

2600_2            福田平八郎の‘花菖蒲’(1934年)

メトロポリタン美からやってくる予定だった尾形光琳(1658~1716)の‘八橋図屏風’は残念ながら東日本大震災の影響のため公開が来春に延期となった。期待の展覧会があれもこれも消えていくので、展覧会めぐりがグッと減っている。根津美は急遽‘燕子花図屏風’の展示に切り替えたが、あまり気がすすまないので今回はパス。で、図録で琳派風作品と一緒に楽しむことにした。

国宝‘燕子花図’は何度みてもいい気持ちになる。これは金地を背景にして花の群青、葉の緑青が鮮やかに輝いているから。とくに花の表と裏で諧調を変えた群青が目にしみる。これほど青に酔える絵というのは本当に少なく、日本画をみる幸せをこの絵は感じさせてくれる。

デザイナー、神坂雪佳(1866~1942)が明治42年から43年にかけて手がけた木版摺図案集‘百々世草’はとても気に入っており、時々眺めている。これは食べ物で例えると上品な京都のお菓子のイメージ。‘八つ橋’は上部にたらしこみがみられ、燕子花は平面的に横に並んでいるが光琳のように意匠化されておらず、より自由にデフォルメされた造形になっている。

メトロポリタンにある光琳の絵や酒井抱一の‘八ツ橋図屏風’(拙ブログ3/13)を意識して描かれたのが川端龍子(1885~1966)の作品。これは山種美の所蔵で、15年くらい前にあった龍子の回顧展に展示された。それ以降山種でも05年の回顧展でもお目にかかってない。これをみたとき、日本画家はどこかで琳派の画風に惹かれているのだなと思った。

加山又造の‘千羽鶴’が俵屋宗達の‘鶴下絵三十六歌仙和歌巻’の現代版なら、福田平八郎(1892~1974)の‘花菖蒲’(京近美)は光琳の燕子花へのオマージュ。‘千羽鶴’とこの‘花菖蒲’を現代琳派の最高傑作とみているのだが、若手の日本画家がこうした琳派のDNAを受け継ぎ、21世紀の今これに続く作品を生み出してくれないかと密に願っている。

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