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2011.04.09

香りの美にあふれる‘香り展’!

2559     ‘蘭奢待’(らんじゃたい)

2558_2     伊東深水の‘聞香’(1950年)

2557_2                   速水御舟の‘夜梅’(1930年)

2556_2     鏑木清方の‘菊寿盃’(1936年)

東芸大美の‘香り展’(4/7~5/29)を初日にみてきた。この展覧会のチラシを手に入れたときタイトルのバックに使われている速水御舟の梅の絵にとても惹かれた。といっても未見の絵ではなく、所蔵する東近美ですでに鑑賞済み。でも、絵葉書は用意されてないのでこの絵をいつも手元でみることがかなわなかった。

そこで、この展覧会へ出かけおそらく用意されている絵葉書をゲットして、あとは軽くみて終わりにしようと思っていた。でも、入館するとそうもいかなくなった。ほかにも興味をそそるものが予想外に多くあり、結局いつものようにバッグのなかには図録が。この表紙にも御舟の絵が使われており、なんだか念願の宝物を手に入れたような気分。

香道についての知識は無いに等しいが、香木には関心がある。いきなり‘蘭奢待’(徳川美)がでてきた。これが正倉院にある有名な香木から切り取られたものか、とじっとみていた。でも、残念ながらガラスケースのなかにあるから香りは嗅げない。この香木の正式名称は‘黄熟香’。この世に知られた‘蘭奢待’は雅名で、おもしろいことに‘東’、‘大’、‘寺’と正倉院を管理している東大寺の三文字が隠されている。

‘蘭奢待’は聖武天皇の御世(724~749)に渡来したといわれる。長さ156センチ、重さ11.6キロもある巨大な香木、今も豊かな香りを放つらしい。こういうお宝はこれまで一般に公開されたことがあるのだろうか?これの切り取りを許されて最初に香りを嗅いだのは源頼政(今回出品物)。切り取りは武門の誉れとされ、足利義政、織田信長、徳川家康らが2寸ほど切り取っている。

TVの映像で香席の様子を数回みたことがあるが、東近美にある伊東深水の絵‘聞香’でこの作法をイメージすることが多い。以前香道をされている年配の女性と話をする機会があり、この絵でおおいに盛り上がった。一体どんな香りを楽しんでいるのだろうか?

お目当ての御舟の‘夜梅’が心を揺すぶる。墨のグラデーションをきかせた背景に浮かび上がる白梅がえもいわれず美しい。図録が手に入ったから、梅の季節になったらこの絵が楽しめる。御舟はもう一点芍薬の絵がある。ちょっと驚いたのが小茂田青樹の‘春の夜’。これは‘日本の美! 紅白梅’で紹介したばかりだが(拙ブログ3/7)、また会えるとは思ってもみなかった。

今回嬉しい絵があった。それは鏑木清方の‘菊寿盃’。清方のこんないい絵がまだあったなんて、天にも昇る気持ち。清方好きをミューズはよく知っておられ、御舟の絵にビッグなオマケをつけてくださった。感謝々!上村松園の描いた女性のなかで最も艶っぽい‘楚蓮香’(10/9/8)とこの絵の前に長らくいた。

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コメント

こんばんは。
僕も観てきました。
実際香りをかぐコーナーやら、何流でしたっけ、香席の再現コーナーもあり面白かったです。
源氏香はさすがに知っていますが、競馬香とか、相撲香とか結構楽しいですね。
御舟すばらしかったですね、御舟の絵の前でずっと眺めている人がいて、早くどいてくれないかと、こちらはほかの絵を眺めながら、いらいらしていました、笑。
芸大美術館、夏の「うらめしやー」も楽しみです

投稿: oki | 2011.04.14 22:26

to okiさん
一つだけ香りが体験できましたが、ちょっと
カレーの匂いでしたね。

御舟の梅はいいですね。図禄が手に入ったの
で大収穫です。

投稿: いづつや | 2011.04.15 19:03

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