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2011.04.19

アートに乾杯! 心をとらえて離さない鯉の絵

2580_2     速水御舟の‘春池温’(1933年)

2579_2     前田青邨の‘鯉’(1963年)

2581_2     川端龍子の‘五鱗図’(1939年)

2582_2     福田平八郎の‘鯉’(1954年)

鯉や鶴は日本画ではよく描かれるモチーフだが、画家にも好みや得手不得手があるから、鯉だったらあの画家とか鶴ならあの画家が絶品というようなことは当然でてくる。これは絵の世界に限ったことではなく、投手の投げる球種にも、柔道の選手や力士の得意技にもある。例えば、フォークボールだったら野茂、内股なら井上康生、小手投げだったら魁皇というように。

明治以降に活躍した日本画家で鯉の絵をよく描いたのは川端龍子(1885~1966)、前田青邨(1885~1977)福田平八郎(1892~1974)、奥村土牛(1889~1990)、徳岡神泉(1896~1972)。お気に入りはやはりこの画家たちと数は少ないが速水御舟(1894~1935)の絵。

御舟の‘春池温’を所蔵しているのは山種美。鯉単独ではなく左に桃の花を描き、体をゆるりとくねらせる鯉を真上から見下ろす構図がとてもいい。山種にはもうひとついい鯉の絵がある。それは龍子の‘五鱗図’。この絵は山種の平常展示にはでてこず、これまで体験した2回の回顧展でしかお目にかかってない。5年前に再会したがまた感動した。画面の中央下に頭を寄せ合う4匹の真鯉と1匹の緋鯉の色がびっくりするほど美しい。

背景の群青の水が目に沁みる青邨の‘鯉’も心に残る一枚。たらし込み風の群青を背景にして鯉の群像を真上や横から多視点でとらえる表現は青邨独自のものだが、その装飾性の強い画面に心がふわふわしてくる。別ヴァージョンが広島のウッドワン・コレクションにもある。

平八郎は鯉の絵を生涯に沢山描いているが、これは画業後半の作品。青邨の絵同様、平木浮世絵財団の所蔵。右と左向きの2匹の鯉は何も描かれてないうす土色の背景に浮かんでいるようにみえ、棒を立てればそのまま鯉のぼりになる。そして、様式化された鯉が象徴的に描かれたこの絵は鯉の形をデフォルメし写実性を消したら即抽象画に変容する。

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