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2011.03.03

日本の美 紅白梅! 梅をモチーフにした工芸の美(2)

2434_2         野々村仁清の‘色絵月梅図茶壺’(17世紀)

2437_2     尾形乾山&尾形光琳の‘銹絵梅図角皿’(17世紀)

2435_2     千代姫婚礼調度 ‘初音蒔絵硯箱 蓋表’(1639年)

2436_2     藤田喬平の飾筥‘紅白梅’(1995年)

梅が描かれたやきものですぐ思いつくのは京焼の野々村仁清がつくった‘色絵月梅図茶壺’(重文、東博)。本館1階の平常展示でお馴染みの名品である。月下に咲き誇る紅白梅が器面にぐるっと描かれている。

普通のやきものの絵付けではモチーフがこれほど沢山描き込まれないのに、仁清の腕にかかると横長の紅白梅の屏風が巧みに茶壺に巻きつけられていく。画像の面のうしろ側にある月と白梅は銀彩のため今は酸化して黒ずんでいる。この茶壺がぽんと置かれただけで、そこはもう華麗な宮廷世界になる。

尾形光琳(1658~1716)、乾山(1663~1743)の兄弟コンビは角皿を何点も合作しているが、これは梅が描かれたもの(根津美蔵)。光琳が絵付けをおこない、乾山がやいた。数点ある梅の角皿のうち、根津美のものは梅が上のほうから垂れ下がっている。この景色がなかなかいい。未見の藤田美蔵(重文)との対面を長らく待っているがまだ会えない。いつになることやら。

これまで体験した蒔絵で最も大きな感動を味わったのは名古屋の徳川美にある国宝‘初音の調度’。これは三代将軍家光の千代姫が寛永16年(1639)、尾張家二代光友に嫁す際に持参した調度の総称。硯箱、文箱、貝桶などいろいろある。

全体の意匠は‘源氏物語・初音の帖’の‘年月を松にひかれてふる人に 今日鶯の初音きかせよ’の歌意を表現しており、上の句の文字を葦手書きに散らしている。意匠は調度類によってヴァリエーションをもたせているが、硯箱がとくにすばらしい。左にいる鶯やそれをはさむように配置されている紅梅に視線が集中する。梅花に使われているのは珊瑚。どこに文字はあるの?右の大きな三角の岩のところに‘年月を’、そして左下の梅花のあたりに‘ふる人’がみえる。

07年、日本橋高島屋で藤田喬平(1921~2004)のガラス作品(拙ブログ07/9/26)をみたときの感動は今でも忘れられない。とくに夢中になってみたのが琳派様式を現代の感性で表現した飾筥。なかでも数点あった‘紅白梅’に大変魅了された。

それぞれの角のところに丸みのついた安定感のある箱に金銀箔で紅白梅が装飾性豊かに描かれている。琳派のDNAは横山大観や加山又造らの日本画家に受け継がれただけでなく、ガラス芸術家の心もしっかりとらえていた。この飾筥50点が収録された図録を時々ながめ楽しい時間をすごしている。

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