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2011.03.10

フェルメールの‘地理学者’だけでは物足りない!

2462_2           フェルメールの‘地理学者’(1669年)

2464_2             ボルヒの‘ワイングラスを持つ婦人’(1656年)

2463_2        マースの‘黒い服の女性の肖像’(1668年)

Bunkamuraでは現在、フランクフルトにあるシュテーデル美所蔵品を公開する展覧会が開かれている。タイトルはフェルメールの‘地理学者’とオランダ・フランドル絵画(3/3~5/22)。オランダ・フランドル絵画への関心は薄いが、フェルメールの絵がでているのでパスするわけにはいかない。

でも、これがちょっと悩ましい。フェルメールに対する思い入れはほかの画家にくらべると強いことは確かに強い。‘青いターバンの少女’(マウリッツハイス美)にぞっこん惚れており、まだ縁のない‘真珠の首飾りの女’(ベルリン美)にも会いたくてしょうがない。ところが、男性が単独あるいは女性の引き立て役として描かれている絵には昔から心が動かされない。できることなら男は画面から消えてくれと常々思っている。

だから、‘地理学者’を02年大阪市美であった‘フェルメールとその時代展’でみたときも目に力は入らなかった。で、今回もこの学者はあまりみないことにして、左の窓から差す光のすばらしい描写や手前の布に見られる白の細かい点々などを夢中になってみた。

背景の棚や上にある地球儀、そして右の置き台、いずれも木の質感がじつにリアルに表現されている。こういう光に満ちた静かな世界の主人公はやはり女性。男にこの静寂さは合わない。だから、‘絵画芸術’のように画家が後ろ姿でいるのがちょうどいいのである。

シュテーデル美が館の工事のため、その所蔵品を日本に貸し出すということを知ったとき、心がときめいた。ひょっとして‘いつか行きたい美術館’でとりあげた3点(拙ブログ09/4/9)が入っているのではないかと。そのうち、作品の概要が明らかになるにつれ、期待値は低下していった。

フェルメールの‘地理学者’は大阪でみているし、レンブラントがあるといってもこの‘サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ’(京博の大レンブラント展に展示)はこの美術館一番の自慢である‘眼をつぶされるサムソン’(京博で同じく展示)と比べれば横綱に対する前頭筆頭という感じだから、いまひとつもりあがらない。

チラシに‘オランダvsフランドル、巨匠対決’とある。冗談でしょう!これ、学芸員も心苦しいにちがいない。ルーベンス&ブックホルストの‘竪琴を弾くダヴィデ王’はアベレージ作品。せっかくシュテーデル美の作品をもってくるのだから、日本で人気が高いとはとてもいえないオランダ絵画に絞って展示するより、ルネサンス、バロックなど幅広く作品を集めてくれたほうがずっとよかった。ボスの絵でもやってきたら大ヒットだったのに。残念!

‘日本人はフェルメールが好きだから、地理学者1点豪華主義でいいではないですか!オランダ絵画をたんとつけますから’とでもシュテーデル側にいわれたのだろう。目玉
1点で見る者が満足すると思っていたら、大間違い。オランダ人ではないから、知らない画家の絵がずらずら並んでいるとだんだん退屈になってくる。とにかく、物足りない!たぶん多くのひとは会場を出るとき、そんな気持ちだと思う。

今回は3点選ぶのが精一杯。ボルヒとマースの女性画の前にしばらくいた。

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