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2011.03.26

‘ボストン美浮世絵名品展’! 清長・栄之・豊国・春章

2515_2      鳥居清長の‘初春の越後屋’

2516_2      鳥文斎栄之の‘隅田川の船遊び’(部分)

2517_2      歌川豊国の‘六玉川 調布の玉川’

2518_2             勝川春章の‘見立琴棋書画図’

歌麿が登場する前、美人画で人気を集めたのが鳥居清長(1752~1815)。ボストン美が所蔵する清長を最初にまとまった形でみたのは4年前、千葉市美であった大回顧展。このときボストンからは17点出品されたが、‘美南見十二候七月 夜の送り’とか‘吾妻橋下の涼船’といったワイド画面の美人風景画が目を楽しませてくれた。

1年後の名品展(江戸東博)でも心が浮く浮きしてくる花見の絵‘当世遊里美人合’や背景に富士を描いた‘日本橋の往来’など6点が登場。さて3度目の里帰りとなる今回はドドッと37点!3つの展覧会をあわせると全部で60点。これほどいいものをみれば当分、清長はお休みでもいい。

3枚続のワイド画面は前2回でいいものが出品されたので‘仲之町の牡丹’1点のみ。‘初春の越後屋’は本来3枚続で、ボストンにあるのは真ん中と右の2図。正月気分はとっくになくなっているが、暖簾の上部にある飾り短冊がひらひら揺れる様を感心しながらみていた。真ん中遠近法の消失点のところに富士山がちらっとみえる。

鳥文斎栄之(1756~1829)は隅田川の光景を沢山描いているが、ここにでているワイド版4点はいずれもすばらしい出来栄え。国内でもこれほどいいのはなかなかみれない。‘隅田川の船遊び’では視線は手間の船に載っている女だけでなく、中景の小さな船や向こうの土手の上を往来する小さく描かれた人々にまでおよぶ。こういう風に画面の隅から隅まで神経が集中するのはボスやブリューゲルの絵とかルーベンスの風景画をみるときとまったく同じ。風景画の楽しみはまさにここにある。

この展覧会のチラシを手に入れたときから関心を寄せていたのが歌川豊国(1769~
1825)の描いた‘六玉川 調布の玉川’。中央の流水をみて大方の人が同じことを連想されるはず。そう、光琳の‘紅白梅図’の流水。こういう構図を思いつく豊国の想像力もすごい。女たちは忙しそうに布を杵でつき、足で踏み、そして砧で打っている。水の音を聞きながらその作業をじっとみていた。

最後のコーナーに飾ってあったのがお気に入りの絵師、勝川春章(1726~1792)の肉筆画‘見立琴棋書画図’。衣裳の柄の緻密な描写がいつものように夢中にさせる。ボストン美が所蔵する春章の一級の肉筆をまたみれたのはなんとも幸せなこと。ここにある浮世絵は期待にたがわずいいものが揃っている。

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