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2011.03.05

日本の美 紅白梅! 広がる梅ワールド(4)

2443_2     ‘源氏物語絵巻・竹河一’(復元模写 12世紀前半)

2442_2     狩野山雪の‘老梅図襖’(1647年)

2444_2     円山応挙の‘紅梅鶴図’(1770年代)

2445_5     伊藤若冲の‘月下白梅図’(部分 1755年)

日本画は西洋絵画と違って花鳥風月がモチーフの中心になっているから、草花や生き物と数多く接する。だから、冬の終わりから初春にかけて見ごろを迎える梅の花にしても、名所訪問はとんとご無沙汰しているのに美術館で体験した絵や工芸品で梅をみたような気分になっている。美術品というのは真にありがたいものだなと思う。

源氏物語絵巻で梅の花がでてくるのは‘竹河一’。平成の復元模写によって形のいい梅の若木が見事に再現された。まん中あたりに幹と同じ緑で描かれた鶯がみえる。御簾の前の階段のところに座っているのは玉鬘を訪ねてやって来た薫。この‘竹河一’では梅が、そして‘竹河二’では桜が描かれる。

老梅ですぐ思い浮かべるのは光琳の‘紅白梅図’の左隻の白梅とNYのメトロポリタンにある‘老梅図’。このユニークな‘老梅図’の作者は狩野山雪(1590~1651)。2年前東博であった‘妙心寺展’でみたときの強烈なイメージがまだ体の中に残っている。グロテスクさまで感じてしまう大きな幹の角々に折れ曲がる姿は水道の配管を連想する。この絵の主役は完璧に存在感200%の梅樹。花は遠慮がちに咲いている感じ。

三井記念美が所蔵する円山応挙(1733~1795)作、‘紅梅鶴図’はすばらしい絵。過去2度みたが、ものすごく感動した。この絵はじっとみていると、不思議なのだが自分が後ろをふりむく丹頂鶴に変身した気分になり、上から垂れる紅梅とそれに交差するように下からのびる白梅がかもし出す梅ワールドにつつみこまれるのである。

伊藤若冲(1716~1800)が10年の歳月をかけて描いた‘動植綵絵’(30点)のなかに梅の絵が3点ある。その1点‘梅花皓月図’はこの‘月下白梅図’(バークコレクション)を下敷きにして描かれた。この絵が6年前日本にやってきたとき、再接近して夢中でみた。心を虜にするやさしい梅の細密描写(拡大画像で)、まさに美は細部に宿っている!

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