畠山記念館の‘酒井抱一展’!
畠山記念館では現在‘酒井抱一展’(後半2/19~3/21)が行われている。ここでは4年くらい前琳派展が行われ、館蔵品はほとんで展示された。が、ひとつ残念だったのが今回の主役、酒井抱一(1761~1828)の‘十二ヶ月花鳥図’がスペースの制約のため12ヶ月全部公開されなかったこと。そのリカバリーの機会が巡ってきたので、前半と後半それを楽しみにでかけた。
後半に展示されている抱一作品は5点。そのひとつ‘風神雷神図’は屏風形式。左の雷神と右の風神が対角線で向かい合うように配置されている。互いに見つめあう姿が戯画チック。どっちが好みかというと折れ曲がる緑の布と背後の太鼓の輪が躍動感を盛り立てる雷神のほう。
お目当ての‘十二ヶ月花鳥図’は前半が1~6月で、後半は7~12月。画像は‘7月むくげと頬白’(右)、‘8月芙蓉に鶉’(真ん中)、‘9月菊にひたき’(左)。これでようやくここの十二ヶ月を目のなかにおさめることができた。このシリーズに大変魅せられているのでなんだか一仕事終えたような気分。
タイトルは‘生誕250年 酒井抱一’となっているが、作品全体をみると琳派のオールスターが揃っている。尾形乾山(1663~1745)には立葵のいい絵が多い。これはそのひとつ。正面性の強い白と赤の立葵が安定感のある三角形構図で描かれている。
乾山、光琳(1658~1715)の合作のなかで、こういう六角の器はこの‘銹絵染付火入’しかみたことがない。直線的な枝振りと光琳梅をじっとみていた。乾山のやきものでは‘黒楽茶碗 銘武蔵野’にも心がゆるむ。
今年前半に行われた出光と畠山の抱一展を見終わったので、次の楽しみはすこし間があくが秋に千葉市美で開催される‘酒井抱一展’。ここに追っかけ画ができるだけ多く登場することを今から熱く祈っている。
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