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2011.02.25

アートに乾杯! スペイン絵画における肖像画の系譜

2413_2       グレコの‘胸に手をおく騎士’(1580年 プラド美)

2410_2     ベラスケスの‘ファン・デ・パレーハ’(1649年 メトロポリタン美)

2412_2        ゴヤの‘モラティン’(1799年 サン・フェルナンド美術アカデミー)

2411_2          ダリの‘ルイス・ブニュエル’(1924年 ソフィアセンター)

西洋絵画を鑑賞しているとき一番多く出くわすのが宗教画、そして次に多いのが肖像画。その肖像画にもいろいろある。ルネサンス、バロック時代はローマ教皇や聖職者、国王、王侯貴族、軍人を描いたものが多いが、時代がくだって近代になると実業家などの富裕層や知識人、普通の男女が登場してくる。

生身の人物が一人前に描けるようになるには相当な修練を要する。ましてや見る者の心を打つ肖像画が描けるのは豊かな才能に恵まれたほんの一握りの画家だけ。スペイン三大画家といわれるグレコ、ベラスケス、ゴヤにはいい肖像画が数多くある。今日とりあげるのは男性の肖像で最もグッときているもの。

トレドで活躍したグレコ(1541~1614)の絵というと体が異常に引きのばされた人物がすぐイメージされるが、びっくりするほど写実的な肖像も描いている。絵に会うたび体がしゃんとするのが‘胸に手をおく騎士’。じっと正面を見据えるその高貴な姿はまさ中世騎士道物語。グレコはもうひとつボストン美蔵の‘パラビシーノの肖像’にも大変魅せられている。

ベラスケス(1599~1660)の肖像画で家に飾っておきたいのはウィーン美術史美にある‘バラ色のドレスのマルガリータ王女’だが、絵の見事さにみとれてしまう絵というと‘ファン・デ・パレーハ’と‘教皇インノケンティウス10世’(ローマ ドーリア・パンフィーリ美)。‘ファン・デ・パレーハ’(拙ブログ08/5/6)は08年はじめてお目にかかったが、立ち尽くしてみていた。まるで本人と相対しているよう。その内面を深くとらえた描写をみてベラスケスの偉大さを実感した。

1月マドリードの美術館をまわったとき、ゴヤ(1746~1828)が制作した肖像画を沢山みた。詩人で劇作家のモラティンの肖像が飾ってあったのは王立サン・フェルナンド美術アカデミー。ゴヤはこの詩人とは親しい間柄だった。王侯貴族や政治家、知識人からゴヤはひっきりなしに肖像画を依頼されたが、親しい人は半身像で描いた。これは半身像のほうがより真の姿を出せるから。

シュルレアリスト、ダリ(1904~1989)にも‘ルイス・ブニュエル’のいい肖像があり、スペイン絵画における肖像画の伝統がしっかり受け継がれている。また、ピカソ(1881~1973)は青の時代にすばらしい自画像を描いた。

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