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2011.02.15

リベーラ、スルバラン、ムリーリョも見逃せない!

2376_2     リベーラの‘ヤコブの夢’(1639年)

2377_2              スルバランの‘聖女イサベル’(1640年)

2378_2           ムリーリョの‘ロザリオの聖母’(1650年)

2379_2          ムリーリョの‘無原罪のお宿り’(1678年)

グレコの作品がある2階の細長い大きな部屋は25~29の番号がついており、25室にリベーラ、スルバラン、28・29室にムリーリョが割り当てられている。4年前ここはパスしたから今回じっくりみた。

リベーラ(1591~1652)の絵はプラドへ来る前、フェルナンドアカデミーやラサロ・カルディアーノで目慣らしの前菜をいただいたから、メインディッシュへの反応もよい。前回この絵だけはみておこうと思っていたのに時間がなくて実現しなかったのが‘ヤコブの夢’。

これは‘絵でみる聖書・ギリシャ神話’といったコンパクト本には必ず載っている絵で、以前からとても気になっていた。‘ヤコブ’をとると、そこらへんのオッサンが眠っている風俗画。眠っている人物を描いた絵ですぐに思いつくのはゴッホの‘昼寝’(オルセー)、ブリューゲルの‘穀物の収穫’(メトロポリタン)、そしてカラヴァッジョの‘悔悛のマグダラのマリア’(ドーリア・パンフィーリ)。

この3点は‘ああー、気持ちよさそうに寝ているんだ’と傍観者的な見方で終わりなのに、‘ヤコブの夢’は‘この男は一体どんな夢をみているのだろうか?’とつい立ち入って詮索したくなる。不思議な魅力をもった絵である。聖書に書かれている‘天の梯子’は右から射しこむやわらかい光のなかにかすかに描かれている。

06年、東京都美で‘プラド美展’が開催され、スルバラン(1598~1664)の作品が3点展示された。そのなかに‘神の愛の寓意’という目に力のある女性の肖像があった。それ以来、スルバランの女性の絵には関心を寄せている。昨年11月のロンドン訪問では、ナショナル・ギャラリーでカウボーイハットのような帽子を被った‘アンティオキアの聖マルガリア’を楽しんだ。

今回ティッセンでも‘聖女カシルダ’に出会った。そして、プラドの‘聖女イサベル’。またしても目力のある女性が横むきでこちらをみている。強く印象づけられるのは目だけではない。ふんわりした衣服の精緻な描写と白い肌にも惹きつけられる。この絵がやはり最もいい。しばらく息を呑んでみていた。

スペインの画家で心を虜にするのはグレコ、ベラスケス、ゴヤの3強とムリーリョ(1617~1682)。お気に入りのムリーリョの絵は‘ロザリオの聖母’、‘無原罪のお宿り’、そして‘善き羊飼い’(拙ブログ09/9/8)などの幼い聖者を描いた絵。‘ロザリオの聖母’はラファエロの聖母子のように心が癒される。本当にやさしいお母さんという感じ。

‘無原罪のお宿り’は3点あった。どの絵も聖母マリアはスペインの可愛らしい少女そのものだが、天使の数が違う。ここにとりあげたのは沢山の天使が聖母をとり囲んでいるもので、魅力度でいうとこれが一番。あとの2つは天使はぐっと減り下の4人が目立つくらい。ともに日本にやってきた(06/4/2)。

親しみがもてて軽やかな美しさを感じるマリアの前では真に心が洗われる。こういう宗教画ならいつまでもみていたい。

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