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2011.02.24

とっておきのスペイン絵画関連美術本!

2407_2     神吉敬三著‘巨匠たちのスペイン’(毎日新聞社 1997年)

2409_2     大高保二郎著‘西洋絵画の巨匠 ゴヤ’(小学館 2006年)    

2408_2     中丸明著‘プラド美術館’(新潮社 1995年)

本は日常生活に欠かせないものだから、新聞欄に載る新著には目をひからかせ関心のある本は早めに購入するようにしている。いろいろな分野の本を溜め込んでいるが、今は読書時間の大半を美術関連の本にあてている。

小説や歴史書のたぐいは一度読んだら本棚に積んだままなのに対し、美術の本は読み終わっても頻繁に手にとりながめていることが多い。これは頁の多くが絵や彫刻、やきものなどの図版で占められるという美術本の特徴のため。もうひとつの理由は、本物を美術館で実際にみると、前とは違うイメージが生まれ、本がはじめて読むような新鮮さをとりもどすから。いわゆる一粒で二度美味しいというやつ。

本物体験を重ねその本を読む回数が増えると、以前はすっと頭に入らなかった記述がストンと腹に落ちたり、あらためてその絵を描いた画家へ心が強く向かっていくことだってある。また、逆に‘この解説は違うよ’とか、‘ここのところははじめ美術理論ありきじゃない?画家はそんな思いでこの絵を描いてないよ、もっと素直に絵をみたほうがいいのでは’と思ったりもする。

マドリードで美術館めぐりをしスペイン絵画を心ゆくまで堪能したので、お気に入りの本をまたぱらぱら読んでみた。手元にあるスペイン絵画関連の本は画像に載せた3冊と‘お気に入り本’で紹介しているサラ・シモンズ著‘岩波 世界の美術 ゴヤ’(2001年)、大高保二郎責任編集‘NHKプラド美術館 エル・グレコ’(日本放送出版協会 
1992年)。

美術史家、神吉敬三氏(かんきけいぞう 1932~1996)が書かれたスペイン美術関連の論文を集めた‘巨匠たちのスペイン’は座右の書。この本から多くのことを学んだ。出版されてもう14年になるので、古本屋をまわらないと手に入らない。神田はご無沙汰しているため、今この本があるかどうかわからないが、お奨めの一冊である。

グレコ、ベラスケス、ゴヤのスペイン三大画家の話に加え、ピカソ、ミロ論、そして絵画だけでなくスペイン建築、バルセロナ史、闘牛の起源まで記述されているので、スペインの歴史、美術を幅広く知ることができる。

神吉氏が亡くなられたあと、スペイン美術史を引っ張っておられるのが大高氏。日曜美術館でスペイン絵画がとりあげられるときは必ず登場されるから、ご存知の方も多いのではなかろうか。小学館の‘ゴヤ’は図版が特別によく本物をみているような気分になるので頻繁にみている。この本に載っているゴヤの名画は拙ブログでもかなり紹介した。

昨日とりあげた‘プラド美術館ガイドブック’の副読本としてお奨めしたいのが中丸明著‘プラド美術館’。中丸明は惜しいことに2008年に亡くなったが、下手な美術評論家の話よりはこの作家の美術論のほうがはるかにわかりやすく、絵をみる眼が養われる。愛読書は前に‘お気に入り本’に載せていた通り、この本を含めて4、5冊ある。とにかくおもしろい。3年間、仕事で名古屋に住んでいたから、登場人物が名古屋弁で‘みゃーみゃー’いうところになるといつも笑いころげてしまう。

そのなかでとくにおもしろくてためになったのは‘絵画で読む聖書’(新潮社 1997年、のち文庫)とこの‘プラド美術館’。今のところ、イタリアのことは塩野七生、若桑みどり、陣内秀信さんに、そしてスペインのことは中丸明に教えてもらうことにしている。

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コメント

こんばんは。
出ましたねえ、中丸明。
彼が書くものはちょっと下品という印象を受けますがいづつやさんはいかがお感じになられますか?
そうですか、中丸さんお亡くなりになられたのですか。
スペインというとこれもお亡くなりになられた天本英世さん、渋い演技見せますね。
さて今年は岡本太郎百年ということで雑誌が多く特集組んでますねー。

投稿: oki | 2011.02.25 22:49

to okiさん
歴史というのは教科書を読んでいるだけでは
実相に近づけませんね。中丸明は本当のスペ
イン人の話をしてくれますから、おもしろいです。

ゴヤが生きた時代、王一家がいかにいい加減
であったかを知るには下ネタまじりの話の
ほうが理解しやすいです。ゴヤの若いころの
女あさりや、梅毒にかかったことは実際そう
だったと思います。

岡本太郎の絵画への関心はすっかりうせま
したが、まだみてないのが少し残ってますか
ら、回顧展へはでかけます。

投稿: いづつや | 2011.02.26 10:48

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